MASQUERADE(マスカレード)

 こんな孤独なゲームをしている私たちは本当に幸せなの?

朝日新聞と産経新聞の違い

2019-01-29 00:54:34 | Weblog


(2019年1月27日付毎日新聞)

厚労省統計不正でGDPには影響なし、景気判断変わらずと茂木再生相
自民国対委員長、統計不正「さほど大きな問題はない」
自民・森山裕国対委員長、来年度予算の早期成立目指す
厚労省不適切調査 保存対象の資料廃棄

 厚生労働省の「毎月勤労統計」の不正調査の深刻さは東大名誉教授の竹内啓が指摘している通りで、常識においても過去のあらゆる記録によって日本人はそのアイデンティティーが保たれているのだから、その記録を紛失したり改竄していては官僚のその場しのぎとしては有効であっても、将来的には民族の存在証明を失うという危機意識が欠けていると見なされても仕方がないと思う。

 ここで興味深いことは26日に鹿児島県鹿屋市で講演した自民党の森山裕国会対策委員長に関する朝日新聞と産経新聞の記事の違いについてである。誤解を防ぐためにそれぞれ全文引用してみる。まずは朝日新聞から。

「自民党の森山裕国会対策委員長は26日、鹿児島県鹿屋市で講演し、厚生労働省の『毎月勤労統計』をめぐる不正調査について、『今回はさほど大きな問題はないように今のところ思う』と述べた。28日召集の通常国会を控えて統計の不正問題が拡大する中、与党の国会対策責任者の認識は野党から厳しく問われそうだ。

 森山氏は不正の影響で本来より少なく各種保険料を給付されていた人に対する追加給付と原因究明を急ぐ考えを強調。ただ、『2度とこういうことがあってはデータの信頼性を失ってしまう』と述べたくだりで、『今回はさほど大きな問題はない』とした。」

 次に産経新聞から。

「自民党の森山裕国対委員長は26日、鹿児島県鹿屋市で講演し、28日召集の通常国会で審議される平成31年度予算案について、早期の成立を目指す考えを重ねて示した。

 厚生労働省の『毎月勤労統計』の不適切調査問題については『何としても一日も早く原因を究明し、給付漏れがあった方に給付することが大事だ』と強調した。

 森山氏は国会運営に関し『政策の議論はしっかりやるべきだが、国会の日程闘争の議論は国民のプラスにならない。そういうことがないように、しっかりと野党と協議したい』と述べた。」

 すぐにわかるように、朝日新聞では森山の、厚生労働省の「毎月勤労統計」をめぐる不正調査について、「今回はさほど大きな問題はないように今のところ思う」という発言を取り上げているのだが、産経新聞はその発言を無視しているのである。何故産経新聞が自民党の国対委員長の「政治観」が表れている発言を無視したのか興味深いのである。


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