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週刊新潮の8月7日号の「福田和也のへそまがり世間論」において「『ろくでなし子』逮捕
『アートとわいせつ』厄介な関係」というタイトルでろくでなし子を批判している。それに
拠るならば「『警察がわいせつと認めたことに納得がいかない。私にとっては手足と一緒で
わいせつ物とは思えない』と供述(朝日新聞 七月十五日付朝刊)これには首を大きく
かしげざるを得ません」「なぜ性器の露出が罪になるかというと、それにより、性欲を
刺激して正常な羞恥心を害し、性犯罪を誘発する可能性があるからです。こうした意識が
ろくでなし子さんには全く欠けているようですね」「ろくでなし子さんの作品は画像で
見る限り、『女性器の形ってかわいいの。だからモチーフにしてみましたぁ』という程度
のものとしか思えませんでした。さらに厄介なのは、無邪気さを売りにしているという
意識すらないことです」と論を展開している。しかしここで問題とされていることは
自身の女性器を3Dプリンターで復元できるデータそのものがわいせつ物であるかどうか
であるのだが、福田氏はギュスターヴ・クールベの『世界の起源』や『オルナンの埋葬』、
あるいはミケランジェロの『最後の審判』を引き合いに出して「女性器の露出史」を
語るだけで、肝心のデータ問題に全く触れておらず、これでは自分の美術史の知識の
ひけらかしでしかない。「男性器の形ってかわいいの。だからモチーフにしてみましたぁ」
という程度で当初、作品を制作していた草間弥生はどうなるのだ 理屈だけで理解
しようとするから芸術家の感情を捉えられないのである。
(『頭の悪い日本語』 小谷野敦著 新潮新書 2014.4.20 p.81 参照)