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MASQUERADE(マスカレード)

 こんな孤独なゲームをしている私たちは本当に幸せなの?

『ミケランジェロの暗号』 100点

2011-11-02 23:19:04 | goo映画レビュー

ミケランジェロの暗号

2010年/オーストリア

ネタバレ

‘父親’の肖像画

総合★★★★★ 100

ストーリー ☆☆☆☆☆0点

キャスト ☆☆☆☆☆0点

演出 ☆☆☆☆☆0点

ビジュアル ☆☆☆☆☆0点

音楽 ☆☆☆☆☆0点

 ニセモノとホンモノに拘るところは『ヒトラーの贋札』(シュテファン・ルツォヴィツキー監督 2007年)と通じるものがある。それはもちろんウィーンのユダヤ人画商で有力者でもあるヤコプ・カウフマンが所有しているミケランジェロのモーゼのデッサンの真偽のみならず、その息子のヴィクトルと、ヤコブの店の使用人の息子であるルディの、レナを交えてのアイデンティティーの混乱(割礼と包茎の手術の違いの混乱)などユーモアを交えて上手く描かれている。
 しかしウォルフガング・ムルンベルガー監督の関心は真偽を超えたところに向かっているように感じた。密かに使用人の息子であるというコンプレックスを抱いていたルディは、ヴィクトルから教えてもらったミケランジェロのデッサンの在処をナチス親衛隊の上官に密告することで、カウフマン一家を裏切り、ヒトラーを新たな‘父親’とすることで立場を逆転させるのであるが、デッサンが偽物であったことから、ドタバタ劇が始まる。観客には早々に本物のデッサンの在処は分かってしまい、明らかにサスペンスとして観るならば失敗しているのではあるが、監督の興味はそこにはないように思う。
 不思議なことはラストシーンでルディがヤコプ・カウフマンの肖像画の在処が分かっていなかったことである。ルディはカウフマンが所有していた家を乗っ取った時にヤコプ・カウフマンの肖像画が掛かっていることが気になって、壁から取り払わせたほどなのだから、どの絵画作品よりもヤコプ・カウフマンの肖像画が気になっていたはずなのである。だからヴィクトルに尋ねられた時は在処を知らなかったのではなくて、知らない振りをしたのであり、ヴィクトルにただで進呈した理由は嫌な物を持って行って欲しかったからであろう。
 その時のヴィクトルたちの、ヤコプ・カウフマンの肖像画の扱い方も気になる。肖像画の背後に本物のミケランジェロのデッサンがあることを確認したヴィクトルは、何故かデッサンを何かに包むこともなく無造作に裸のままで持ち帰る。
 ここまで説明すれば既にお分かりの方も多いと思うが、この作品は、絶えずナチスの部屋に飾られているヒトラーの肖像画とユダヤ人のヤコプ・カウフマンの肖像画の‘代理戦争’なのであり、だから最後にヴィクトルは肖像画のヤコプ・カウフマンの‘勝利の微笑み’をこれ見よがしにガラス越しからルディに示すのである。


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「タッチ」の呪縛

2011-11-02 00:01:26 | 邦楽

岩崎良美さん、医師と結婚(読売新聞) - goo ニュース

 ポニーキャニオン時代の岩崎良美が大好きで、何故かカラオケのDAMにはアルバムに

収録されている曲まで入っていて、時々私は「愛してモナムール」「マルガリータガール」

などのシングル曲の他に「私の恋は印象派」「想い出Rainbow」「カメリアの花咲く丘」

「レイン」などを歌ったりするのであるが、一番好きな曲は何かと問われるならば間違いなく

「くちびるからサスペンス」であって、YouTubeにアップされている夜のヒットスタジオの

ヴァージョンなどは完璧なのである。だからたまにテレビに出演しても、いつもの「タッチ」を

歌われると、もっと良い曲がたくさんあるのにと思って、がっかりしてしまうのであるが、

「タッチ」があるからこそ今日まで辛うじて忘れられずにいられるのだから悩ましい。


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