MASQUERADE(マスカレード)

 こんな孤独なゲームをしている私たちは本当に幸せなの?

『エンジェル ウォーズ』 100点

2011-04-22 21:02:17 | goo映画レビュー

エンジェル ウォーズ

2011年/アメリカ

ネタバレ

5番目に必要なものの正体

総合★★★★★ 100

ストーリー ☆☆☆☆☆0点

キャスト ☆☆☆☆☆0点

演出 ☆☆☆☆☆0点

ビジュアル ☆☆☆☆☆0点

音楽 ☆☆☆☆☆0点

 これまで『ウォッチメン(Watchmen)』(2009年)でヒーローの時代の終焉を描き、『ガフールの伝説(Legend of the Guardians : The Owls of Ga'Hoole)』(2010年)においてはヒーローの‘弊害’を描いてきたザック・スナイダー監督がどのようにして新たなヒーロー像を描くのか期待して観に行った(予め言い添えておくならばベイビードールが収容された精神療養施設が売春宿であるという設定は、マーティン・スコセッシ監督の『シャッターアイランド』(2010年)の主人公のテディ・ダニエルズが連邦保安官であるという設定と同じ意味合いである)。
 とりあえずこの作品は主人公のベイビードールをヒロインとして仲間4人と共に精神療養施設から脱出を図る。ベイビードールは脱出するために必要なものとして地図と火とナイフとカギともう一つのものを見知らぬ賢人に教えられる。
 それら必要なものを手に入れるために5人は様々な場所で戦いを繰り広げていくのであるが、『カッコウの巣の上で』(ミロシュ・フォアマン監督 1975年)や『17歳のカルテ』(ジェームズ・マンゴールド監督 1999年)の主人公と同様に苦戦を強いられる。
 結局ラストは生き残ったスイートピーを逃すためにベイビードールが犠牲となる。これは一見『カッコウの巣の上で』において主人公の ランドル・マクマーフィーが犠牲となってチーフ・ブロムデンが逃げ出す結末と類似しているようだが、『エンジェル ウォーズ』の特異な点は‘賢者’、‘軍司令官’、‘バスの運転手’と姿を変えて絶えず現れる正体不明の男の存在である。『カッコウの巣の上で』のラストは感動的ではあるのだが詩情の流されていて、よくよく考えてみるならばその後チーフ・ブロムデンは間違いなく身柄を拘束されているはずなのだから、スイートピーの身の保障を請け負ってくれた見知らぬ男の存在は貴重であり、決して自分をヒーローのように見せないこの‘不意打ち(=Sucker Punch)’のようにして現れる‘謎’の男こそがベイビードールたちが5番目に必要としていたものの正体であろう。新たなヒーロー像は描けないということが監督の結論なのだと思う。


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放射能が勝手に“流通”する国

2011-04-22 18:27:50 | Weblog

震災で外国人客激減、千葉のホテル7月末で営業終了(朝日新聞) - goo ニュース
原発周辺、母乳調査へ 枝野官房長官が方針(朝日新聞) - goo ニュース
続々判明する「外国人逃避ショック」の衝撃度 海外から見た“日本リスク” はなぜここまで深刻か?(ダイヤモンド・オンライン) - goo ニュース

 外国人が日本に対して最も強く感じているリスクは何かと考えてみると、個人的には

原発事故よりも地震だと思う。今後マグニチュード8.0以上の地震が起こる可能性が

高い国の観光地にわざわざ出かけようなどと同国人である私でさえ思わない。自宅から

遠く離れた見知らぬ土地で巨大地震に遭遇したらどのように対処していいのか全く

分らないのだから、いくらホテルや旅館が大幅に料金の割引サービスをしても少なくとも

私がゴールデンウィークに観光目的でどこかへ出かけていくことはありえない。その上

食品の出荷制限が行われていて、放射性物質が含まれている食べ物が流通している

はずが無いにも関わらず、福島県ではなく、千葉県や茨城県に住む女性4人の母乳から

放射性ヨウ素が検出されている原因が分らない以上、外国人観光客は確実に減るだろう。


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