MASQUERADE(マスカレード)

 こんな孤独なゲームをしている私たちは本当に幸せなの?

『シリアスマン』 100点

2011-04-12 23:58:58 | goo映画レビュー

シリアスマン

2009年/アメリカ

ネタバレ

‘シリアス’になる理由

総合★★★★★ 100

ストーリー ☆☆☆☆☆0点

キャスト ☆☆☆☆☆0点

演出 ☆☆☆☆☆0点

ビジュアル ☆☆☆☆☆0点

音楽 ☆☆☆☆☆0点

 作品の冒頭、20世紀初めにポーランドの小さなユダヤ人町で起こった奇妙な話から始まる。雪が降りしきる中で壊れた車を修理してもらった老人のヴェルヴェルはお礼に夕食をご馳走するためにグロスコヴァを家に招こうと妻のドラに相談するのであるが、ドラによればグロスコヴァは既に死んだはずだから、グロスコヴァは死霊だと言う。家に入ってきたグロスコヴァが人間か死霊か確かめるために、ドラはグロスコヴァを刺す。刺されたグロスコヴァの傷口から血のようなものが滲み出ているように見えるが、グロスコヴァは刺されたまま家から出ていく。この物語の奇妙な点はヴェルヴェルもドラもグロスコヴァが人間なのか死霊なのか確かめるために後を追わないことである。つまり2人は‘あなたに起こることすべてをあるがままに受け入れ’ているのであり、2人には自分たちの行動が正しかったのか間違っていたのかはどうでもいい、あるいはどうしようもないのである。
 この教訓はその後の1967年のミネソタ州で起こる物語に引き継がれる。主人公のラリー・ゴプニックは大学で物理学を教えている。ラリーは間もなく大学の終身在職権を得られることになっているため、なるべく事を荒立てたくないのであるが、ラリーを非難する匿名の手紙が送られてきており、ラリーはナーバスになっている。その上、このような時に限って、サイという恋人ができたという理由で妻のジュディスから離婚をせがまれる。事を穏便に済ませようとするため、ラリーは兄のアーサーを連れてとりあえずホテルで暮らすことにするのであるが、アーサーは精神に問題を抱えている。
 ラリーのクラスを取っていた韓国の学生であるクライヴ・パークは落第点を取ったことに関して奨学金を受けられなくなるとラリーに相談に来るのであるが、ラリーは成績を変えることはできないと断った後に、クライヴがお金を置いていったことに気づく。そのことをネタにクライヴの父親はラリーの家に来て裁判沙汰にするとラリーを脅す。とにかくラリーは何もかも上手くいかずに、敢えてラリーが行動を起こして失敗しそうになると夢だったということで何とか救われる有様である。
 このようにラリーが救われない理由は、はっきり言うならばラリーに問題を克服できるだけの才能がないからである。ラリーに男としての魅力があるならば妻に離婚を迫られたりすることはなく、優秀な学者であるならば匿名の手紙に惑わされることなく大学の終身在職権を簡単に入手できるはずなのである。
 そのようなラリーと対照的に描かれている人物がラリーの息子のダニーである。ダニーは授業中にイヤホンでジェファーソン・エアプレインの「Somebody To Love」を聴きながら、教師をバカにした様子で全く授業を聞かず、左前方で熱心に授業を聞いている生徒にちょっかいを出したりしているのであるが、ダニーはバルミツヴァと呼ばれる、13際に達した少年に対する成人式の席で出席者を前にしていとも簡単にヘブライ語を読んでしまうほど優秀であり、ラリーが会うことができなかったユダヤ教の指導者のトップにダニーは会うことができて、共通の音楽の趣味で話も弾んでしまう。
 そんなこんなで物語はラストを迎える。高額な裁判費用の捻出に苦慮しているラリーはついに‘賄賂’を受け取る代わりにクライヴの評価をFからC-に書き換える。そんな時に突然電話が鳴って健康診断の結果について至急話し合いたいと医師に言われる。他方、いつものように授業中に音楽を聴いていたダニーの教室に先生がやって来て大きなトルネードが学校に向かって来ているからシェルターに避難するように言われるが、シェルターの鍵はなかなか開かない。ここには、優秀であろうとなかろうと人は病気や大災害の前には無力であるということが暗示されている。
 もう一度確認しておくならば、この作品のテーマは「あなたに起こることすべてをあるがままに受け入れなさい」ということである。つまり事前に悪いことが起こることを知ったとしても、結局人は起こることすべてをあるがままに受け入れなければならないという諦念がここには描かれているのである。今の日本人には身に沁みる。


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“大惨事”と“悲劇”の違い

2011-04-12 00:04:50 | Weblog

プロポーズで大事なポイントランキング(gooランキング) - goo ニュース

 4月5日のテレビ朝日『徹子の部屋』に出演したピースが“大惨事”に遭遇していた光景は

記憶に新しいところだが、4月11日に出演していたFUJIWARAは“大惨事”というよりも

“悲劇”という名が相応しいように思った。いきなり黒柳徹子から藤本敏史が木下優樹菜の

旦那という“バーター”で出演できたという発言があり、原西孝幸がギャグを“一兆個”

持っているという“ギャグ”がなかなか黒柳徹子に通じず、それからCM前に必ず黒柳から

たいして面白くもない一発ギャグをリクエストされる有様で、私は途中から笑えなくなって

しまった。今回分かったことはFUJIWARAは面白くないし、面白くないから『徹子の部屋』

に21年間呼ばれなかったということである。FUJIWARAは二度と『徹子の部屋』に

呼ばれることはないと確信した。


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