ウォール・ストリート
2010年/アメリカ
誰にも気づかれない巧妙さ
総合
90点
ストーリー
0点
キャスト
0点
演出
0点
ビジュアル
0点
音楽
0点
「強欲は善(Greed is good)」という名言を残した前作『ウォール街』から23年を経て、ゴードン・ゲッコーが戻ってきた。約8年間の服役で十分反省したのかと思いきや「今や強欲は合法のようだ」と演説する有様でますます小賢しくなっている。
しかし80年代のバブル期とは違い、今回のメインテーマは‘強欲’よりも‘モラルハザード(Moral hazard)’であろう。主人公のジェイコブ・ムーアはゴードンの娘で妻のウィニー・ゲッコーの名義でゴードンがスイスの銀行に1億ドル預金してあることを知り、破綻しかけているエコエネルギー会社への投資をウィニーに求める。父親と上手くいっていないウィニーは最初は拒絶するのだが、‘キャプテン・アメリカ(Captain America)’になれるチャンスだというジェイコブの煽りに何故か妙に乗ってしまったウィニーは預金を下ろしにスイスまで行くのであるが、その後、ゴードンから音沙汰が無くなり、2人は騙されたことを知る。
しかしラストでジェイコブとウィニーの前に現れたゴードンは、それまでのことを2人に詫びて1億ドルをエコエネルギー会社へ投資することになり、1年後には一歳になる孫の誕生日会に出席して一緒に祝うことになる。
このラストが‘出来すぎ’という批判があるようだが、冷静に考えてみるならばここはおかしな話なのである。つまりここで問題となるのはゴードンの行動ではなくて、(不景気故に?)1億ドルでそれまでのゴードンの言動を全て赦してしまうジェイコブとウィニーの‘モラルハザード振り’なのであり、その上、この点に気がつかない観客の‘モラルハザード振り’こそオリバー・ストーン監督が描きたかったアイロニーなのである。
個人的には作品内で使われているデヴィッド・バーンとブライアン・イーノの共作の楽曲が心地よかったが、この作品のタイトルである「Money Never Sleeps」はカナダのロックミュージシャンであるニール・ヤングが1979年にリリースしたアルバムのタイトルである『ラスト・ネヴァー・スリープス(Rust Never Sleeps)』からインスパイアーされていると思う。
フジ、「外交官」で謝罪…メキシコ大使館が抗議(読売新聞) - goo ニュース
フジテレビがドラマの内容で謝罪するのは、2006年に放送された『トップキャスター』の
第3話「恋愛運ゼロの逆襲」において詐欺行為をする占い師のモデルとされたという理由
から細木数子に抗議されて以来だと思う。その結果、第3話は永久欠番とされたが、
「外交官黒田康作」は「メキシコ側からの抗議は第1~3話のストーリー全般に関するもの
だった」らしいから3話分欠番とするしかない。さらに深刻と思われる問題はこの「外交官
黒田康作」は既に全部撮影が済んでいるようで、“配慮に欠けた”まま撮影しているはず
だから、同様の抗議を受ける可能性があるということである。視聴率は低迷している上に、
不必要な問題まで抱えてしまっている番組を放映する意義があるのだろうか? 日本の
大使館職員はこのドラマとは裏腹に何もしないことで有名なのに。