ケンのブログ

日々の雑感や日記

隣町の劇場

2017年09月09日 | 日記
今日は隣町のG劇場にキエフバレエ
チャイコフスキー3大バレーハイライトを見に行った。
チャイコフスキーのバレエ音楽、特に白鳥の湖は
子供の頃からレコードを聴いて親しんでいるので
改めて聞くとほんとうに美しいなと思う。
ただ、隣町の劇場はオーケストラピットがないので
音楽は生演奏ではなく録音されたものが流れていた。
実際、会場で録音された音楽を聞くと生演奏との違いは
歴然とする。やはり、生演奏は聴けるうちに聴いておきたいなと思う。
しかし、そんな事情も手伝って入場料がとても安かったので
前から2番目の席で見た。
僕は普段オーケストラを聴くときは後ろの方の席を
優先的に買うので前の方の席でバレエを見るのは新鮮だった。
隣に座った70才くらいのおじさんがいろいろ
最近行ったコンサートの話などを聞かせてくださった。
その話を聞いているとおじさんの興味は
もっぱら自治体などが主催して行われる
プロとアマチュアの中間ぐらいのレベルのコンサート、
クラシック音楽の啓蒙活動をしておられるような方の
コンサートにあるように思われる。
僕は学生の頃から音楽はもっぱらプロの演奏を
聞いてきたので僕とおじさんでは興味の対象が
違うわけだけれどこういう隣町の劇場だからこそそういう
おじさんの話が聞けてありがたいことだと思う。
僕も昨年頃からプロの演奏にプラスして
プロとアマチュアの中間レベルくらいのコンサートにも
行くようになった。
先日アマチュアとプロの中間ぐらいのレベルの演奏会で
モーツァルトの魔笛のアリアを聴いた。
その歌唱は有り体に言えば音痴だった。
僕はそれまで録音でそして実演でプロの魔笛しか
聴いたことがなかったので音痴の魔笛のアリアを聴くのは
人生初体験だった。
でも、改めて考えるとモーツァルト魔笛のアリアは
ほんとうに絶妙を極めたように音が動くので
音程を正確にとらえることは難しいことだと思う。
プロの演奏ばかり聴いていると気づかないことに気づくことが
できてこういうコンサートに行くのも本当にいい体験だなと思う。
魔笛のアリアの前には、女性のピアニストが
ショパンの英雄ポロネーズを演奏なさった。
ショパンの英雄ポロネーズにチャレンジするというのは素晴らしいことと思った。
演奏はうまく進んできたけれど終結部の手前でミスタッチがあった。
個別の音のミスタッチというよりも
複数の音が全体的にずれているという感じのミスタッチだったので
僕は一瞬ヒヤッとした。
しかし演奏者はそこから演奏を立て直して見事にフィニッシュされた。
一回崩れかけた演奏を立て直すことって本当に大変なことだと思う。
ガッツのある演奏者だなと思って僕は感動してしまった。
亡くなられたF子先生がアマチュアの合唱団を指導なさるとき
「現在は美の多様化の時代です。皆さんがどのような歌いかたをなさっても
かならずどれかの美のカテゴリーに属しますので
臆することなく元気に歌ってください」とおっしゃっていたことを
しみじみと思い出す。

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