今日の新聞の経済欄にバイデン米国新政権関連のニュースとして
「脱炭素へ投資拡大」という見出してかなり大きな記事が出ている。
この記事を読んでいると、二酸化炭素の排出による地球の温暖化、温暖化対策の国際的枠組みである「パリ協定」への復帰、そして二酸化炭素排出を減らすために電気自動車の普及、太陽光発電、風力発電の導入の加速というのが一連のセットの事柄であるかのように紹介されている。
二酸化炭素の排出が地球温暖化の原因である、だからパリ協定にも復帰して、電気自動車も普及させ、太陽光発電 風力発電への設備投資も加速して経済を復活させるという話の流れになっている。
そしてそれは今の菅総理大臣の打ち出す政策ともとても良く似ている。
さらには最近は大手商社の社長の談話も新聞によく載っていて、僕が見た限りでも複数の大手商社の社長が次世代エネルギー(次世代エネルギーの中には当然、太陽光発電 風力発電 電気自動車なども含まれるはずだ)の推進事業に力を入れていくという内容の発言をしている。
もうこうなってくるとエネルギー問題や、地球温暖化などの環境問題に関して一般に言われていることがそのまま国の政策となり、そして大手の会社が先頭を切って、そういう政策にそった活動をして経済を動かしている。
そんな構造になっているように思えてくる。
ひねくれた考え方をすると、炭素による地球温暖化というのは自然科学の論理ではなく経済学の論理なのか、とイヤミのひとつでも言いたいような気分にさえなってくる。
僕が購読している新聞が、一般に自民党よりと言われている新聞であるせいか、そういう政治や経済の流れに異を唱えるニュースはあまり出ていない。
また、実際に、昭和の時代はまだ、社会党などそこそこ大きな野党があって、自民党と論戦を繰り広げていたように思うけれど、今は野党も力を失ってしまって、脱炭素、再生可能エネルギーの導入、世の中のデジタル化、そういう政策がいわば大政翼賛会的に特に誰が反対するわけでもなく進んでいるように思えてきてしまう。
そして、大企業の社長になる人も、そういう流れにそって突き進んでいくというタイプの人が多いように思えてくる。
そして、僕など一般の国民は、とにかく、そういう流れなんだからと、なかば諦めてそういう流れになんとか遅れずにについていくしか選択肢がないという状況になっているように思えてならない。
僕は環境問題や、エネルギー問題の勉強などろくにしたことがない。
けれど、世の中には環境問題やエネルギー問題に関心を持って、いろいろ勉強したり、地道にお話会を開いたりして勉強している人もいる。
そういう人のあまり売れていない地味な本を読んだり、ユーチューブにアップされているお話会の動画を見たりするといろんなことが言われている。
例えば、火力発電が二酸化炭素を排出して地球温暖化の原因と言うけれど、例えば風力発電の風車は、直径数十メートルとかそんな大きな羽を陸や海で回すことになる。
そんな大きな羽を回したら、大きな乱気流が生まれる、そして乱気流というのはこれまた異常気象のもとになるという話が紹介されている。
また太陽光発電と言って今まで水田や畑、あるいは森林であった土地をつぶしてそこに太陽光パネルと敷き詰めると自然破壊になるだけでなく、太陽光パネルは、水田や、畑、森林に比べると太陽が照ったときの表面温度は、はるかに高くなり、そうすると温かい空気は上に上がるので、強烈な上昇気流が生まれてこれも異常気象の原因になる。
原子力発電がどれほど危険かは東北の震災でもうわかっていること。
そして風力発電や太陽光発電はお天気次第で発電量が下がるので、いくらそういうものを増やしたところで、発電量が減ったときのためのバックアップとして火力発電が必要不可欠であることにはかわりがない。なぜなら、これほど電気に頼ってしまっているいまの社会では大規模な停電は許されないから。
原子力発電も地震など災害に弱いからやはり火力発電によるバックアップは必要不可欠である。
東北大震災のときにあれだけ全国の原発が止まってもそれほど大きな停電につながらなかったのはひとえに火力発電がそれをバックアップしてくれたからだ。
という話がいっぱい出てくる。
そういう話は市民運動レベルで環境問題やエネルギー問題に取り組んでおられる方の話なのでそれほどマスコミで大きく報道されることはないけれど、なんかそう言われてみればそのとおりと思える話が多い。
ただ、その、火力発電はもちろん二酸化炭素は排出している。
だから、もうこうなってくると、環境破壊とか異常気象とか、そういうものを食い止めるのには、江戸時代に戻って、夜はろうそくの火で過ごし、もっぱら歩いて移動し、のりものに乗るとしても、牛や馬、あるいは「おさるのかごや」に戻るのしかないのかなと思ってしまう。
そう思ったところでそんな生活に戻れるわけではないし。
ただ、ひとつかなりの確実性をもって言えることは、私達が、電気などのエネルギーを使って、移動し、ご飯を炊いて、冷暖房をしてという具合にエネルギーをたくさん使えば使うほどそれが環境破壊に繋がり、異常気象につながるということだとおもう。
といいつつ僕も今は自動車は持っていないけれど、エアコンはかなり使うし、他人様にエネルギーを節約するようにと言えるような生活をしているわけではない。
なので、自分は偉そうなことは言えないとわかっているのだけれど、江戸時代に戻ることは無理でもやはり一人ひとりが少しでも自分のできる範囲で、エネルギーを節約すればそれは環境破壊や異常気象を防ぐためにたとえわずかでも役に立つとうことは言えるように思う。
それにしても、脱炭素、再生可能エネルギー という論理で特に異を唱える勢力もなく、日本が、そして世界が進んでいくというのは、考えてみるとちょっと怖いことであるように思う。
でも、やはり、今の世の中、ちょっといろいろと科学が進歩しすぎてしまって、そして一部のエリートの人が旗を降るとおりに進んでいたりして、逆に怖いなとうすうす思っている人は僕以外にも案外多いのではないかと僕は思う。
まあ、考えてみたところで結局はなるようにしかならないのだろうけれど。
それならば、なるようになると信じて毎日、無事で健康でありますようにと祈りつつ生きていきたいものだなと思う。