昭和初期を生きた、若林つやをふくむ6人の作家評伝が近く刊行される。
阿部浪子著『書くこと恋することー危機の時代のおんな作家たち』(社会評論社、6月15日発売予定)。 定価、1785円。
おんな作家は、鷹野つぎ、八木秋子、平林英子、川上喜久子、平林たい子、若林つやの6人。その作家評伝です。
とりあげられている6人はともに無名作家で、忘れられている存在ではあるけれど、男たちとの交流についても書書かれている。
なかの一人、若林つやは、小林多喜二に文学指導を受けた存在で、プロレタリア作家同盟の新進作家として期待された存在。つや子宛の書簡が多喜二全集に収録されている。
かつて平野謙が、多喜二と愛人関係にあったと下衆の勘繰りをしたが、それを訊ねた貴司山治宛書簡で、本人は「文学の師匠」ではあるけれど、男女の仲ではないと断言している。
本書はまだ刊行されていないものであり、その内容は確認できないが、事実がどう記録されているかは興味をそそられる。
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