「蟹工船」日本丸から、21世紀の小林多喜二への手紙。

小林多喜二を通じて、現代の反貧困と反戦の表象を考えるブログ。命日の2月20日前後には、秋田、小樽、中野、大阪などで集う。

阿部浪子著『書くこと恋することー危機の時代のおんな作家たち』​

2012-05-25 23:49:35 | 「党生活者」論 序曲


昭和初期を生きた、若林つやをふくむ6人の作家評伝が近く刊行さ​れる。

阿部浪子著『書くこと恋することー危機の時代のおんな作家たち』​(社会評論社、6月15日発売予定)。 定価、1785円。

おんな作家は、鷹野つぎ、八木秋子、平林英子、川上喜久子、平林​たい子、若林つやの6人。その作家評伝です。
とりあげられている6人はともに無名作家で、忘れられている存在​ではあるけれど、男たちとの交流についても書書かれている。

なかの一人、若林つやは、小林多喜二に文学指導を受けた存在で、​プロレタリア作家同盟の新進作家として期待された存在。つや子宛​の書簡が多喜二全集に収録されている。

かつて平野謙が、多喜二と愛人関係にあったと下衆の勘繰りをした​が、それを訊ねた貴司山治宛書簡で、本人は「文学の師匠」ではあ​るけれど、男女の仲ではないと断言している。

本書はまだ刊行されていないものであり、その内容は確認できない​が、事実がどう記録されているかは興味をそそられる。

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