米議会図書館で日本書籍展
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海外で最も日本語の蔵書が多いことで知られるアメリカの連邦議会図書館で特別展が開かれ、戦前の日本で検閲された小説など、日本国内には残っていない貴重な資料が展示されています。
米議会図書館で日本書籍展
特別展は、アメリカの首都ワシントンにある連邦議会図書館が、本格的に日本語の書籍や資料の収集を始めてから80年になるのを記念して開いているものです。会場には、60巻すべてそろった「絵入源氏物語」の一部や、江戸時代に狂歌をまとめて編さんされた「宝歌集」など、日本国内でも珍しい書物が展示されています。また、戦前のプロレタリア文学の作家小林多喜二の代表作「蟹工船」の表紙に、当時の内務省の検閲官が手書きで表現の削除を指示した跡が残っているものなど、第2次大戦後の占領下、アメリカ側に引き渡され、国内には残っていない貴重な資料も並べられています。21日には議会図書館で、日米の図書館関係者が出席してシンポジウムが開かれ、日本国外では最も多いおよそ120万点の日本語の蔵書をデジタル化して、アメリカ国民や日本の研究者が容易に閲覧できるようにすることなどが話し合われました。
荻原遼氏は同図書館に通って、朝鮮戦争当時の文書を調べたことを著書で記しています。同図書館では、アメリカが朝鮮戦争前に北朝鮮情報を驚くほど正確に把握していたことを証明する文書が多数保存されているそうです。北朝鮮軍が38度線を越えて進軍する準備を着々と行なっていることを、十分にわかっていて、”不意打ちを食らった!”という状況をアメリカは望んでいたと、荻原氏は分析しています。
参考 荻原遼 著
「朝鮮戦争」(文春文庫)