「蟹工船」日本丸から、21世紀の小林多喜二への手紙。

小林多喜二を通じて、現代の反貧困と反戦の表象を考えるブログ。命日の2月20日前後には、秋田、小樽、中野、大阪などで集う。

小樽文学舎「よもやま日記」5/5 5/16拝読

2009-05-19 16:21:44 | つぶやきサブロー
市立小樽文学館副館長・玉川薫氏の日記を拝読、いつもいろいろな刺激をいただいてきた。
そして多喜二ライブラリーを離れた今はときどき、拝読させていただいている。


■5月16日の日記は、SABU監督版映画「蟹工船」、試写会についてだ。

この映画、予告編しか私はまだ見ていない。

昨日、女房が近くのシネコンから、チラシを持ってきて、

「今はこんな映画があるのねぇ。。。」と。


母と、妻と私と息子とテーブルを囲み遅い夕食をとっていたとき。
母がなにげなくデイサービスに通っている○○クリニックで「蟹工船」のことを小耳に挟み、うちにも本があったよねっ・・・・。

と。


私は苦笑。
まったく苦い。

かえす言葉はない。

今は玉川さんの言葉を紹介する力しか残っていない。

以下は引用。

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お傑作、というか、快作!
おもしろい、ということが評価の大きなポイントならば(当然、そうでしょうが)、原作はるかにしのいでます。ま、映画と原作を比較すること自体、オオマチガイなのですが。

唯一、なれど、かなり大きな不満点はプログラムの巻頭論文(?)
雨宮処凛さん。この映画、見てないですよね(もし、ご覧になっての文章だったら、もっとひどいけど)。それって、あり?
「21世紀の蟹工船」ってタイトルのこの文章、「そうして21世紀に蟹工船が返り咲いてしまったことを喜んでいいのか悲しんでいいのか、複雑な思いでいる」って締められております(これも、一種のネタバレ? だったらごめんなさい)。これって昨今の「蟹工船ブーム」論評の「定番結論」と思われるけど、あの、(ちょっと思い切って言いますが)失礼なんじゃない?
映画について、ヒトコトも言及していないことを、百歩譲って、それもありか、にしてみても、これは、「21世紀に蟹工船が返り咲いてしまった」〈現象〉のなかに、〈この映画もあるのでしょうが〉と言っておられるワケね(私の曲解ですか?)。
ものすごく失礼なんじゃない?(だんだん怒りが増してきた)

(中略)


結論。(かよ?)。とにかくSABU式「蟹工船」〈カニコウセン〉。元気の出る映画です。「ウルトラミラクルラブストーリー」の次にね!

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■2009年5月5日にも興味深い情報があった。


亀井館長、古本市をのぞきに。がてら、今没頭しておられる池田寿夫旧蔵書のこと。
「これまで考えられていたより、ずっと旺盛に書いていた人ですね。変名、匿名、無署名論文も相当ありそうです。平野謙が目を通したのは、ほんの一部のようだ」「活動歴も分からないところが多い。案外、刑務所(非合法活動で検挙投獄されてます)にしっかりした記録が残っているんじゃないかしら」「東京に行ったついでにでも、刑務所で調べてきますかね」。!!!。
予感というより、ほぼ間違いないのですが「プロレタリア文学史」ではなく、書き換えられるのは「日本共産主義運動史」になりそうな勢いです。これができるの、やはり亀井秀雄氏以外には考えられません。


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亀井秀雄館長の研究動向に、興味津津。


でも、いまの私の立ち位置ではなんの力もないけどね。

いつか きっと。

という思いはある。
「多喜二」という軸ではなく、「日本共産主義運動史」という軸ではあるけれど。





                   


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