中山間地の車と言えば、軽自動車が圧倒的だ。その中で外車を乗っている人を見かけたことはほとんどないと言える。そこで少し街中に近づいていくと「MINI」に出会うことが多くなった。1956年のオイルショックで小型車の価値が増大したが、イギリスは乗り遅れていた。そこに起死回生をかけて開発したのが「ミニ」だった。「オールドカー」で目撃したエンブレムは、下方に翼の片鱗が見られるが現在のエンブレムでは左右にしっかり配置されている。
自動車工学の奇跡とまで言われた革新的「ミニ」は、F1ライダーであり名エンジニアのジョン・クーパーの参画で世界を席巻させる。その奇跡の技術的内容はオイラにはわからないが、1962年には当時で50万台の生産台数に達する。「オースティン・クーパーS」はその翌年に販売したようだ。
その後、スポーツ仕様から大衆車へ変わっていった(1967 ~1969)のが、「ミニ・クーパーS」の「MKⅡ(マークⅡ)」だった。しかし、その人気車も2000年には生産終了し、ドイツのBMWの「MINI」に吸収され現在に至る。自動車業界の吸収合併の栄枯盛衰はいまだに弱肉強食の世界だ。そこで見た控えめな小さなエンブレムはそんなかつての栄光を内包している。