十年を越える尾上さんの庭園コンサートの幕が閉じた。初期には戦場のような食事づくりで参加者の協力も得ながらの取り組みだった。その後は、お弁当屋さんミツワさんの協力で地元の食材を盛り込んだお花見弁当や山菜弁当が好評となっていった。また、売店が出たり、茶農家のお土産も新しい取り組みとなった。
昨日、尾上邸でスタッフのご苦労さん会が行われた。その庭ではエチオピア産モカの生豆でコーヒーの焙煎が続く。昼食は鹿肉カレーだったが、スタッフ持ちよりの食材もあり、食べきれないほどとなった。
さらには、お湯を沸かそうと急遽手製のロケットストーブも参画した。スタッフが持ち寄った、鮎・コシアブラの天ぷら、胡桃の黒砂糖菓子、シイタケの甘辛煮、ノラボウの胡麻和え、チーズの燻製などもテーブルをにぎやかにした。
尾上さんのひたむきな取り組みを讃え、二胡の演奏や歌唱もあり、尾上さんの好きな植物図譜もプレゼントされた。今後、「長蔵寺応援団」は解散せず、情報を共有してこの指とまれ方式でそれぞれの活動を応援していくことを確認した。
持ち込まれた七輪では、鹿肉・ソーセージ・エビ・シイタケが焼かれていた。コーヒーの焙煎やミルを初めて体験したのも新鮮だった。スタッフのそれぞれの持ち味が阿吽の呼吸で生かされたコンサートだったことをあらためて思い入る。このコンサート活動がこの過疎地で毎回百人を越える参加者を得たのはもちろん、いろいろな意味を内包した活動だったことを痛感したが、それをいつか明らかにしたいものだ。