昨年の台風の影響で、水源地への道に亀裂が走った。オラたちの水源は二つの川からだった。その川には小さなタンクがあり、定期的にタンクに詰まった砂利や枯葉を排除することになっている。したがって、その川の水源に行くには車では行けなくなり、徒歩で数十分かけて歩くしかないという状況になった。
山から流れ出た雨水は林道の一部を崩落させた。集落の人らが作ったコンクリート道路の一部が壊れ始め、亀裂が100mほどできてしまった。その亀裂の中に雨水が浸入すると道そのものが崩落してしまうので、とりあえずブルーシートで蔽いをしてできるだけ雨の侵入を防ぐ。
そんななか、その道路がどれだけ沈下しているかを住民が自前で調査している。よくわからないが、レーザーの測定器のようなものを持ち込んでいる。画像首の下の緑の線で調整している。その結果、これらの数値を書き込みながら累計を行政に届けて、ゆくゆくは地盤沈下防止工事をお願いしたいというわけだ。
調整は1㎜単位で行われている。結果は、大きな数値の変化はみられなかったようでまずは安心ということらしい。ブルーシート・砂袋効果が効いているわけだ。これらの資材は地元の防災倉庫からのもので、砂袋は自治会の力を得ながらそれこそ住民が総力を挙げてやり遂げた代物だ。
というわけで、地域のライフラインは住民自身がやれることをやっている。住民自治の原点を見た思いだ。能登の地震災害の爪痕もなまなましいが、中山間地では地震以上に土砂崩れがいちばんの恐怖でもある。この崖下には、茶畑や鶏舎があるので地元の生活に影響が出てくる。