健康食品辞典

サプリメント・健康食品・食材・食品・飲料などに利用されている素材・成分を中心に掲載しました。

ユッカ

2007年08月06日 | 健康
○ユッカ

 リュウゼツラン科の常緑樹で、学名はYucca gloriosa。原産は北アメリカ。先端に鋭い刺を持つ剣状の葉が特徴で、日本でもイトラン、キミガヨランの和名を持つ品種が公園などに植栽されている。ネイティブアメリカンは原生種のユッカの花びらや種の莢、果実、若葉、根などを煎じ薬として用い、伝染病・関節炎・神経痛・むくみなどの治療に利用してきた。

 近年になって植物学者のエールがユッカに高濃度のサポニンが含まれていることを発見して以来、エキスを用いた臨床研究が進み、リューマチ・痛風・高血圧・高脂血症などに特に有効であり、それが主成分サポニン(ステロイド系ホルモン前駆体物質)によるものであることが明らかにされた。ユッカは食物繊維も豊富に含むため、サポニンとの総合効果を求めて木部を加熱処理して粉末にした健康食品も作られている。アメリカではGRAS物質(古来用いられて安全性が確認されたもの)として認められ、香辛料及び栄養剤として長らく利用されてきている。

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味噌

2007年08月05日 | 健康
○味噌

 味噌は日本を代表する調味料の一つだが、その起源については諸説ある。一般的には、中国から伝来した醤や鼓が日本独自の味噌に発展したといわれている。醤は獣や魚の肉、あるいは雑穀を発酵させたもので、鼓は大豆に塩を加えて発酵させたものである。一方、縄文時代には既にドングリで作った食品(縄文味噌)があり、それが起源であるという説や、醤や鼓、縄文味噌が影響しあって今日の味噌ができたという説もある。

 味噌は蒸煮した大豆に麹、食塩、種水を加えて発酵・熟成させた食品である。種水には酵母乳酸菌を添加することが多い。使用する麹の種類によって米味噌、麦味噌、豆味噌に種類が分かれる。日本で生産される味噌の8割は米味噌で、仙台味噌や信州味噌、西京味噌などがある。麦味噌はかつては農家の自家用に作られることが多く、田舎味噌とも呼ばれている。九州や四国、中国地方に多い。豆味噌は渋みのある濃厚な味が特徴で、名古屋味噌や八丁味噌、三州味噌が良く知られている。なお、赤だし味噌として市販されている味噌は豆味噌に米味噌をブレンドした調合味噌である。

 味噌にはタンパク質やビタミンB2・B12・Eをはじめ、サポニン、イソフラボン、レシチン、酵素など数多くの有用成分が含まれている。タンパク質では必須アミノ酸のリジンが多い。リジンは日本人の主食である白米に不足しているアミノ酸なので、味噌汁と一緒に摂ることにより不足の栄養素が補える。また、味噌汁を毎日飲む人ほど胃ガンによる死亡率が低くなるという調査報告がある(1981年、国立がんセンター研究所)。特に男性の場合は顕著で、毎日飲む人は全く飲まない人に比べ死亡率が約33%低下する。これは味噌の発酵中に酵素や酵母の働きで作られる脂肪酸エステル(味噌の香り成分)に、ガンを誘発する変異原性物質を抑制する作用があるためといわれている。また、味噌の原料である大豆にはリノール酸、植物ステロール、ビタミンE、レシチン、サポニンなどが含まれているが、これらの成分はコレステロール低下作用をもつ。さらに大豆サポニンには強い抗酸化作用があり、体内の脂質の酸化を抑えるので生活習慣病や老化の防止に働く。味噌は未成熟のものより熟成味噌のほうが抗酸化力に優れていることがラットによる実験で確認されている。

 このように有用成分を豊富に含む味噌だが、味噌汁の塩分を気にする人も多い。味噌には塩味によって甘味噌(食塩濃度5~7%)、甘口味噌(同7~13%)、辛口味噌(同11~13%)があるが(数字は米味噌の場合)、味噌汁の具にカリウムを多く含む海藻類や緑黄色野菜、根菜類など組み合わせることでナトリウムの体外排出を促すことができる。

醤油

2007年08月03日 | 健康
○醤油

 醤油は独特の香りと旨味、塩味、コクをもち、日本料理には欠かせない伝統調味料である。現在ではソイソースとして海外でも親しまれている。醤油は味噌と同じく古代中国の醤が起源だといわれている。醤は、はじめは獣や魚の肉に塩や酒を加えて漬け込んだものが肉醤や魚醤であったが、その後、穀物を原料とする穀醤が登場する。この穀醤が奈良時代に中国や朝鮮半島から伝わり、今の味噌や醤油の元になったと考えられている。鎌倉時代に入ると、味噌から滲み出た液汁を溜と呼び、煮物などの調味料として利用するようになった。これが醤油の原形といわれている。実際に醤油という言葉が文献に見られるようになるのは室町時代中期である。この頃から醤油が調味料として定着してと考えられている。

 醤油は、蒸煮して大豆と煎って割砕した小麦の混合物に麹菌を接種して麹を作り、食塩水に漬け込んで発酵・熟成させた後、圧搾して加熱処理したもので、濃口醤油、薄口醤油、溜まり醤油、白醤油、再仕込み醤油などがある。濃口醤油は最もポピュラーなタイプで、色が濃く香りや旨味が強い。薄口醤油は色が薄く香りを控えめなので素材の持ち味を生かしやすいが、塩分は多い。溜まり醤油は原料のほとんどが大豆で、旨味は強いが香りは弱い。白醤油は小麦が主原料で大豆の割合は少なく、味は淡白だが糖分が多く、吸い物やうどんの汁などに使われる。再仕込み醤油は食塩水の代わりに醤油を加えて仕込んだもの。色が濃く、どろりとした濃厚な味で刺身などに使われる。

 醤油は塩味、旨味、酸味がほどよく調和した調味料である。旨味成分はグルタミン酸を中心とした約20種類のアミノ酸が作り出している。甘味はブドウ糖など約15種類の糖類、酸味は酢酸、乳酸、コハク酸などの有機酸に由来する。また、醤油独特の香りは約300種類の香気成分によるもので、食物の味を引き立て、胃液の分泌を促し食欲を高めてくれる。また、香気中には消臭効果のある成分が含まれているため、肉や魚の生臭さを消す作用がある。さらに香りの主成分であるHEMFというフラノン化合物に肺ガンの発生を抑える作用のあることが、米国ウィスコンシン大学におけるラットの実験で確認されている。

 昔から食品を醤油に漬けて保存食を作るが、これは醤油の殺菌力を利用したものである。醤油の強い殺菌力は食塩、乳酸菌による乳酸、酵母によるエタノール(アルコール)の3つの殺菌作用が総合的に働くためといわれている。さらに醤油の色素成分で抗酸化作用のあるメラノイジン、脳代謝活性作用があるとされているγ-アミノ酪酸(GABA)なども含まれている。多様な有用成分を含む醤油だが、塩分含有率も高い。過剰な摂取は控えるべきである。塩分を半分以下にした減塩醤油もあるので、そちらを利用するのも一考だろう。

ブナシメジ

2007年08月02日 | 健康
○ブナシメジ

 キシメジ科白タモギタケ属の食用キノコで、学名はHypsizigus marmoreus。シロタモギタケ、ニレタケの別名もある。秋にブナ、ニレなどの広葉樹の倒木や枯れ木に発生する。直径4~10cm位になる傘は白から灰褐色で、中央部に濃い色の大理石模様が現れる場合が多い。ひばたは白色で密生している。柄は長さ3~10cm、横向きに生えるときは傘の中心から外れてつく。人工栽培が盛んで、国内生産量はシイタケを抜いており、スーパーなどでは、ホンシメジの名で売られているケースも多い。

 ブナシメジにはβ-D-グルカンやテルペン、ビタミンB2が含まれており、抗ガン作用や動脈硬化の予防、また口内炎や疲れ目に効果があるとされる。また、最近ではブナシメジの使用済み培地のダイオキシン分解能力にも注目が集まっている。

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エノキダケ

2007年08月01日 | 健康
○エノキダケ

 キシメジ科の食用キノコで、学名はFalmmulina velutips。ナメタケ、トキシラズ、ユキノシタ、ホンナメコなどの別名がある。晩秋から初冬にかけてエノキ、柿、イチジク、ポプラ、ブナなど広葉樹の枯れ木に密生する。昨今では榾木栽培、ビン栽培が盛んで、四季を投じて出回るようになった。鍋物、煮物、和え物、炒め物など、季節を問わず和洋いずれにも適している。

 成分的には食物繊維やビタミンB1、B2、ナイアシンが豊富で、とりわけB1は100g中0.24mgと多く、生シイタケの2倍強もある。池川哲郎(薬学博士・金沢大学)は食用キノコの抗ガン作用の研究で、エノキダケをよく食べる長野県のエノキダケ栽培農家のガン死亡率は、一般家庭より全ガンで30%、胃ガンで55%、食道ガンで62%も低く、エノキダケをほとんど食べない人がガンで死亡する危険度を100%とすると、エノキダケを週3日以上食べる人の危険度は47で半分以下になる、と報告している。

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