健康食品辞典

サプリメント・健康食品・食材・食品・飲料などに利用されている素材・成分を中心に掲載しました。

松葉エキスについて

2006年02月28日 | 健康
○松葉エキス

 血圧を下げ、ニコチンを排出する松の葉は、不老長寿のために仙人が常用したといわれ、また強精薬としても利用されてきた。松葉を細かく刻んで擂鉢でよくすり、それを弱火で煮て搾った油液を「松葉精」と呼ぶ。今日、松葉エキスといわれるものであるが、これにハチミツを適当に加えると飲みやすくなる。民間の伝承療法としては、生の松葉をそのまま毎朝3~4本ずつ食べるという方法も知られている。

 松葉エキスは古くから伝えられてきた民間療法の一つで、伝承的効用の一つとして「血をきれいにする」というのがあるが、最近はその効用が見直されてきた。というのも、高血圧などにとくに効果を発揮することが確認されたからである。

 松葉エキスには、葉緑素やビタミンA・C・K・カルシウム、鉄、その他多くの酵素を含んでいる。なかでも、松葉の表面に折出するロウ質(松ヤニ)にはケルセチン、ビタミンA・Cが豊富に含まれている。このビタミンCとケルセチンには血管壁を強化する働きがあり、脳卒中や高血圧症の予防と治療に効果があると考えられている。とくに動物性食品を多く摂り、血中コレステロール値の高い人には好適である。このほか、タバコの有害物質であるニコチンを体外へ排出する作用がある。

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発芽玄米&米糠について

2006年02月27日 | 健康
○発芽玄米

 白米や玄米を水に浸して数日おくと、白米は腐ってしまうが、玄米は腐らずに発芽してくる。これは玄米が生きており、発芽にい必要な栄養成分がそのまま残されているからである。玄米のこうした性質を利用して作られたのが発芽玄米である。発芽玄米は、籾殻を除いただけの玄米を一定時間、一定温度の水に浸漬して発芽を促し、胚芽部の芽が動き出したところで再度乾燥させて、いわば、”休眠状態”にした玄米である。

 玄米をわずかにい発芽させることによって、①アミノ酸が増えて甘くなる、②酵素が作用してやわらかくなる、③胚乳や外皮がやわらかくなるので消化によい、④炊飯が簡=といった味覚や調理上の改善のほか、発芽によって酵素の動きが活発化し、玄米に含まれる天然ギャバ(GABA)が増加するという点が注目されている。ギャバはγーアミノ酪酸というアミノ酸で、脳内にい多く存在する抑制性神経伝達物質。生体内ではグルタミン酸から生合成され、脳の酵素供給量を増やし、血圧を正常にし、神経の鎮静、中性脂肪の抑制などに作用している。発芽玄米には白米の約10倍のギャバが含まれるという報告もある。

○米糠

 ”完全食”の玄米に対して、切れ味の鋭い健康機能性素材として注目されているのが米糠である。玄米を精白する過程で得られる米糠には、体内で抗酸化物質として働くさまざまな機能性成分が含まれていることが近年の研究で次々と明らかになってきている。なかでも最近とくに注目されているのが、イノシトールやフィチン酸と呼ばれる化合物である。これらの化合物はさまざまな穀物や豆類などに見出されているが、とくに米糠と小麦の外皮に多く含まれている。

 イノシトールはビタミンB複合体の一種だが、ヒトのあらゆる細胞内に存在し重要な役割を担っている。とくに脂肪肝や動脈硬化の予防に深く関わっており、脂肪肝・肝硬変の治療薬に使われている。このほか栄養ドリンク剤や乳児の粉ミルクなどにも配合されている。

 イノシトールには6ヶ所のリン酸基結合部位があり、リン化合物に変化する。結合する個数によってイノシトール1リン酸(IP1)からイノシトール6リン酸(IP6)まで、6種類のリン酸化イノシトールが生まれる。IP6はフィチン酸とも呼ばれる。これらのリン酸化イノシトールは生体内でそれぞれ個別の役割を担っているが、なかでもガン細胞の発生と増殖をコントロールする働きのあるIP6 が最も注目されており、その抗ガン物質としての有効性が世界中の研究者によって立証されつつある。

 米糠にはこのほか、レシチンと同等の抗酸化力を持つといわれるフェルラ酸が含まれている。フェルラ酸は天然の酸化防止剤として知られ、ラジカル消去と活性酵素消去の二つの作用を持ち、活性酸素生成の原因となる紫外線を吸収する働きもある。

 米糠はこれまで、おもに米糠油の原料やヌカ漬けに利用されてきたが、最近では米糠エキスを配合したドリンクや錠剤タイプの製品も登場しており、今後さらにい機能性素材として用途が広がっていくものと見られている。

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豆乳について

2006年02月24日 | 健康
○豆乳

 大豆を一晩水につけておき、すり潰して加熱し、ろ過すると乳状の液体が得られるが、これが豆乳の原型である。これは豆腐の製造過程で生まれるが、そのままでは青くさい大豆臭があり飲用には向かない。市販されている豆乳は、脱皮した大豆を熱処理し、においの原因となるリポキシゲナーゼ(酵素)を失活させて飲みやすくしたものである。

 良質のタンパク質を豊富に含むことから”畑の肉”といわれる大豆だが、豆乳は”畑の牛乳”ともいわれ、牛乳に匹敵する栄養食品として愛用者を増やしている。見た目にも両方とも乳白色でよく似ており、栄養成分を見るとどちらも甲乙つけ難いが、動物性食品と植物性食品の異なる特徴を待っている。

 タンパク質の含有量では、牛乳の方がいくぶん勝るが、アミノ酸の組成では豆乳が勝るとも劣らないほどで、豆乳は良質なタンパク源として価値が高い。

 豆乳が優れているのは含まれる脂肪酸の違いである。脂肪酸は飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸に大きく分かれるが、飽和脂肪酸を摂りすぎると血中コレステロールや中性脂肪が増え、動脈硬化の原因となることがよく知られている。日本食品標準成分表を使って単純に比較してみても、牛乳には100g当たり2.33gの飽和脂肪酸が含まれているが、豆乳は0.35gで6分の1以下である。逆に不飽和脂肪酸は牛乳が0.99gであるのに対し、豆乳は1.4gと1.5倍も含まれている。

 牛乳はカルシウムを多く含み、骨を丈夫にするということから成長期の子どもには大切な食品であるが、成人以上では牛乳の脂肪分にも配慮する必要がある。高齢社会に入ったわが国では、加齢によって引き起こされる疾患が急増しており、大きな関心事となっているが、骨粗鬆症もその一つだ。現在、日本には900万人の骨粗鬆症患者がいるといわれるが、そのうち8割(700万人)は女性である。骨粗鬆症は女性ホルモンと深く関わっており、閉経とともにエストロゲン(女性ホルモン)が減少することによってカルシウムの吸収力が低下し、閉経後の5~7年では毎年2~5%の骨が失われていくといわれている。豆乳にはエストロゲンと同じ働きをするイソフラボンが豊富に含まれている。骨の健康を増進させるには、単にカルシウムの摂取量を多くするのではなく、それを効率的に吸収するために必要な各種ビタミン類の補給も必要だ。牛乳だけでなく、豆乳も上手に利用するば、脂肪の摂りすぎを心配せずに効果が上げられるだろう。

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よもぎについて

2006年02月23日 | 健康
○よもぎ

 本州をはじめ四国、九州などの山野で普通に見かける多年草。春先の若葉は草餅に搗き込むことでよく知られ、非常に身近な薬草として古くから親しまれてきた。分献での初出は『万葉集』で、すでに奈良朝の末期には5月の節句に、菖蒲とともに軒先に飾る風習があった。これは「毒気を払う」という中国の風習に由来するといわれている。

 ヨモギの葉は「艾葉」といい、漢方では消炎、収斂、止血、止瀉薬とする。また、他の生薬との合法で腹痛や下痢止め、利尿、解熱、鎮咳、便秘、動脈硬化、慢性肝炎などと応用範囲が広い。

 ヨモギには、老化防止にもつながる生体内過酸化脂質抑制作用があるとする研究も発表されている。その作用機構はラジカル基の消去作用でSOD活性と同様の作用を有し、その作用成分の本体は、コーヒー豆などに含まれるカフィータンニン類であることが明らかにされている。また、ガンに効果的だという研究報告(東大伝染病研究所・小島保彦)もある。それによればヨモギの中にインターフェロン・インディーサー(インターフェロンを増やす物質)を発見しマウスで実験したところ、ガンが減少していくのが認められたという。

 また、ヨモギ中のカフィータンニン類にはヒト白血球でのアレルギー物質ロイコトリエン類の生成を抑制することも明らかにされている。健康食品として評価が高いプロポリスにもヨモギと同様の成分が単離されているが、これはヨモギ類がアレルギー性疾患に有効である可能性を示すもので、最近はヨモギエキス含有の石鹸やシャンプーなども市販されていることも興味深い。

 ヨモギの葉にはシネオールなどの精油のほか、酵素、多糖類、ビタミン・ミネラル類の含有量も多く、とくにカロチンが100g中に3600ug(ビタミンA効力2000IU)もあってホウレン草の3100ug(1700IU)を凌ぐ。春先のシーズンにはぜひ積極的に摂取したいものであるが、最近は健康食品として青汁タイプやお茶タイプのものも出ている。通常食品ではヨモギ麩、ヨモギパンなどの形で用いられている。

 葉の裏の白い綿毛は「モグサ(艾)」としてお灸に使われるが、その煙には強い殺菌作用が認められている。モグサの原料は日本では「オオヨモギ」、中国では「チョウセンヨモギ」を使うのが通例である。

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リングフィッシュ自己発酵エキス(リカメン)

2006年02月22日 | 健康
○リングフィッシュ自己発酵エキス(リカメン)

 高圧・暗闇の深海で生息する魚には、高ストレスの極限環境から身を守るため、体内で特異な自己発酵物を産生するものが多い。北大西洋の深海2000mに済むリングフィッシュもそのような魚の一種だ。リングフィッシュは体調が2m以上にもなるタラ科の食用魚だが、摂取したプランクトンを利用して、体内で不飽和脂肪酸を合成できる特別な代謝システムを持っている。そのため、すでにリポプロテインの状態になって体内に同化吸収されやすい多価不飽和脂肪酸(ω3)を多く含むほか、天然のアミノ酸でキレートされた抗酸化錯体(セレンやビタミンE複合体)や、各種ペプチド(酵素系のペプチド群、下垂体刺激性視床下部ホルモンの前駆体と類似したペプチド、脳内のニューロンペプチド、アンジオテンシン転換酵素の阻害ペプチド)も含んでいる。

 このリングフィッシュの内臓や骨、頭部を、魚自身の持つ酵素を使って加水分解することで調整したのがリングフィッシュ自己発酵エキスである。フランスで開発され、リカメン(製品素材名)として広く知られている。世界最大の自転車レース・ツールドフランスの選手も使っていることで話題を読んだリカメンだが、早くからフランスの国立研究機関などで健康性機能についての研究が行われており、それを裏付けるように、①運動化における筋肉疲労の軽減・遅延、②持久力・運動能力の向上、③循環器血栓症の予防効果、④脳機能改善効果(記憶力・集中力)、⑤抗不安・抗ストレス作用、⑥鎮静効果などが確認されている。フランスで行われた臨床試験では、頚動脈厚を改善することが認められて、第5回国際循環器予防学会(2001年、大阪)で報告された。また、パリ大学やフランスの病院で行われて臨床研究では、肥満患者の栄養学的なバランスを維持しながら、筋肉量を保持して脂肪の量を減らすという減量効果のデータも得られている。

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紫蘇(しそ)油について

2006年02月21日 | 健康
○紫蘇(しそ)油

 紫蘇という文字は「紫色で生命を蘇らせるもの」の意味だとされ、古来、発汗・鎮嘔・鎮咳・利尿の生薬として漢方の処方にも用いられ、薬理研究の対象とされてきたが、紫蘇油にも大きな効用が次々と明らかにされてきた。

 紫蘇油は、シソ科の紫蘇や同じ仲間のエゴマ(中国名・荏、韓国名・白蘇)の実から得られる。この油脂が近年脚光を浴びる理由は、他の植物油では亜麻仁(あまに)油以外にはほとんど含まれないα-リノレン酸という不飽和脂肪酸が主体(含有量約70%)だからである。

 この脂肪酸の効用が明らかにされたことから、紫蘇油はリノール酸に次ぐ第2の健康油として健康食品業界の寵児となった。

 α-リノレン酸の注目度が高まる中で、その独自の効果も次第に明らかにされてきた。例えば、乳ガンの抑制効果に関してはアメリカのE・キャメロン(カリフォルニア州ガン予防研究所)、米倉郁美・佐藤彰夫(山梨大学)、長澤弘(明治大学)らが、大腸ガンについては成澤富雄(秋田大学)、広瀬雅雄(名古屋私立大学)らが有効性を解明している。

 また、体液性免疫を司るロイコトリエンがリノール酸から代謝された場合よりも、α-リノレン酸からの場合の方が数十分の一も作用が穏やかで、アレルギーによる炎症反応に対し抑制的に働くことが奥山治美(名古屋私立大学)らが報告している。

 このほか、血圧の上昇を抑え、血小板凝集を抑制して脳梗塞や心筋梗塞を予防すること、また、前述のように、α-リノレン酸は体内でEPAを経てDHAに代謝されるため、その健脳効果も期待されている。

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小豆について

2006年02月20日 | 健康
○小豆

 小豆は東アジア原産のマメ科の一年草で、ショウズともいい、大豆とともに古くからわが国では栽培され、餡や汁粉、赤飯、小豆粥などと季節を問わず親しまれてきた食材の一つである。

 主成分は糖質とタンパク質であるが、特徴はビタミンB1を多量に含むことで、昔から脚気の妙薬として民間薬的に利用されている。また、カリウムや食物繊維も多いので、便秘の改善や利尿促進作用も期待できる。

 外皮に含まれているサポニンの作用も大で、腎臓病・心臓病・脚気などによるむくみに著効がある。したがって煮汁は捨てずに全部利用したい。赤飯を炊く煮汁を使うのは、単なる色付けだけでない先人の知恵である。

 ビタミンB1は脚気に効くばかりでなく、疲労回復、夏バテ防止にもよい。食欲増進に玄米の小豆粥などはぜひ薦めたい料理である。また、小豆には催乳の働きがあるので、産後の女性に煮汁とともにたっぷり与えて母子の健康をはかりたい。

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マグネシウムについて

2006年02月19日 | 健康
○マグネシウム

 元素記号はMg。人の必須主要ミネラルの一つで、人体での存在量はミネラル中7番目である。成人(体重60kg前後)で20~25g程度を体内に保有しており、その約半分以上は骨に、残りの大部分は細胞内液に(特に筋肉と肝臓の細胞に多い)、その他は血漿内に存在している。子供よりも成人の方が、また女性は妊娠中の方が、体内での濃度は増大する。

 マグネシウムの名称は、古代ギリシャにマグネシアという地方があって、その地で取れる白い鉱物には種々の病気を治療する効果があり、その有効成分がこの金属であることがわかって名づけられたといわれている。

 近年、マグネシウムが非常に重要な生体機能に深く関与していることが明らかにされ、その一方で食生活が近代化するに応じて摂取量が減少する栄養素であることがわかってきた。とはいえ、なお一般にはマグネシウムを単に鉱物資源としてのみ認識していることが多いのであるが、その語源にすでに病気の問題が関わっていたことは興味深い。

 マグネシウムは血漿中に存在する量が非常に少ない(体内のマグネシウム全体の1%程度)ために、血液検査ではその不足がわかりにくいのであるが、欠乏症になると発育不全、筋肉の震え、筋力の低下や痙攣による運動障害、めまい、ひきつけ、嚥下障害などを経て全身性の痙攣へと進み、合わせて神経症状も現れて、感情の鈍麻、あるいは極度の過敏症、抑欝、不安神経症、精神錯乱にまで進む。なかには、皮膚の黒ずみ、食欲不振、睡眠障害のような症状もあるが、腎不全、腎臓結石、狭心症、不整脈、心筋梗塞、高血圧、糖尿病などの報告もある。

 マグネシウムは経口摂取の不足などで血液中の濃度が低くなったときは、腎臓の糸状体や尿細管で再吸収されるなどして微妙な体内調節がはかられているが、腸の疾患による吸収減少、下痢や授乳や持続的発汗による体液の損失、利尿剤などによる尿量の増大、慢性アルコール中毒など、様々な原因で欠乏状態になったときに、前記のような疾患に結びついていく。

 特に最近は、糖尿病とマグネシウムの相関関係について強い関心が寄せられている。マグネシウムが糖代謝に関与する多くの酵素の活性因子として必要なミネラルであることはすでに明らかにされているが、ラットの脂肪細胞において、マグネシウムがインスリンによる糖の酸化作用を増強することも最近確認されている。また、109名の糖尿病患者を検査してその血漿マグネシウム濃度が低く、さらに1日の尿中マグネシウム排泄量が多いことも報告されている。これは、糖尿病にとってマグネシウムが一つの重要な因子であることを示唆するものである。

 現在、わが国の栄養所要量では、マグネシウムは1日成人男性で300~320mg、女性で250~260mgが示されているが、通常の食生活では目標値を摂れていないとの調査報告もある。また、その1.5~2.5倍は必要だとする意見も多い。許容上限摂取量は650~700m(成人)。

 マグネシウムを多く含む食品には、青ノリ、ヒジキなどの海藻類のほか、胚芽類、アーモンド、ピーナッツ、大豆などの豆類がある。また、栄養補助食品としては調整された天然にがりは塩化マグネシウムが主成分であり、マグネシウムの供給源として注目されている。

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黒茶について

2006年02月18日 | 健康
○黒茶

 黒茶は堆積させた生葉を加湿し、微生物を利用して発酵させるもので、製法による分類では後発酵茶に属する。微生物による長期間の発酵熟成は温度・湿度・環境(好気性発酵)など技術的に難しい管理を必要とするため産地は限られて、主に広西省・雲南省産が大部分を占めている。代表的な黒茶としてはプーアル茶がわが国でもよく知られている。

 産地によって微生物の種類も発酵方法も異なるため、味や香りも微妙に違っている。黒麹菌で長期間発酵熟成させた黒茶は、茶葉(鮮葉)中のカテキン類が低分子で3つの水酸基を持つ没食子酸エステルに変わるとともに、お茶特有のアミノ酸の一種テアニンが大量に生産されるので、タンニンの苦味は消え去り、まろやかな味わいを生じている。

 設備と管理のよいところで熟成期間3年以上経たものは成分構成の変化によりまろやかな風味を呈するとともに、カフェイン様作用が消滅しているので、夜の睡眠の妨げになるようなことはない。また、タンニンの渋みや収斂性も消失しているので、便秘傾向の人にも適しているといわれる。これらの事実は本草綱目拾遣や中薬大辞典にも収載され、3年を経たものを薬用とし、新しいものは火気があると記載されている。黒茶の特徴をまとめると、以下のとおりである。

 ①長期間の発酵塾生によりカテキンの渋みやカフェイン様作用が消失し、より有効な作用を持つ成分に変わっている。②テアニン等のアミノ酸が多くなり、口中をさっぱりさせ、飽きの来ない味と香りを持っている。③やかんや土瓶で煮出してポットに入れておくと、3日くらいはホットでもアイスでもおいしくいつでも飲めるので非常に便利である(保存性に優れている)。④黒茶はダイエット茶として、体質に応じて適度のコレステロールや中性脂肪の吸収抑制作用が得られるといわれている。⑤発酵により利尿作用のあるテオフィリン系の成分が多くなっており、水分代謝が促進される。

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活性炭(ヘルスカーボン)について

2006年02月17日 | 健康
○活性炭(ヘルスカーボン)

 農薬や睡眠薬による急性中毒の際、その強力な吸着材としての作用で治療に使われるのが薬用活性炭である。毒物を吸着させて体外に排出する力が強力であるが、副作用(便秘)が強く、常時摂取することはできない。

 そこで、薬用の活性炭を天然のオリゴマンナンと昆布やヒジキなどの細胞膜成分(アルギン酸カルシウム)でコーティングし、便秘などの副作用が起きないように改良を加えたのが、食べる活性炭として注目されているのがヘルスカーボンである。近年、このヘルスカーボンを活用して、体内に蓄積したダイオキシンを排出させる効果に関心が集まっている。

 国のダイオキシン類対策特別措置法では、ダイオキシンの耐用1日摂取量(人が一生涯にわたって摂取しても健康に有害な影響が現れないと判断される、体重1kgに対する1日当たりの摂取量)は4ピコグラム(ピコは1兆分の1g)とされている。しかし、体内に蓄積されたダイオキシン濃度が半減するには5年から10年かかるといわれている。そのため、ダイオキシンの耐用1日摂取量を現時点でいくら低く設定しても、すでに体内に蓄積されたダイオキシン量が減るわけではない。このジレンマを解決するのがヘルスカーボンである。

 活性炭の粒子には目に見えない穴が多数あり、この穴に有害毒物が吸着されるわけだが、ヘルスカーボンの吸着領域は分子量が100~90000の物質で、この範囲にはダイオキシンなどの環境ホルモンも入る。ヘルスカーボンを使ったダイオキシン除去方法は大きく2つ有る。1つは食材を洗う水や料理を煮るときに一緒に使うことで、食材に含まれているダイオキシンを吸着してしまう方法。もう1つは、ヘルスカーボンを食事中か食事前後に食べることで、腸管内のダイオキシンを吸着し、体外に排出して行く方法だ。肝臓にダイオキシンが蓄積しているラットに1週間ヘルスカーボンを食べさせると、肝臓の残留ダイオキシンがなくなったという報告がある。これは十二指腸に排出されたダイオキシンを吸着・排出し、ダイオキシンの腸肝循環を阻止したと見られる。

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