健康食品辞典

サプリメント・健康食品・食材・食品・飲料などに利用されている素材・成分を中心に掲載しました。

マカ(改訂版)

2007年07月31日 | 健康
○マカ

 マカはアブラナ科の多年草で、ペルー山中4000m級の高地で栽培されており、同じ科のカブ(蕪)と同様の膨らんだ根は辛さと甘さを抱き合わせた風味があり、焼く・蒸す・煮込むなどして食用にされる。収穫後1ヶ月前後自然乾燥させたものは牛乳などで煮てポリッジにする。また、発酵飲料マカーチャの原料にもなる。かつて征服者のスペイン人が馬や羊の繁殖に行き詰ったとき、原住民の忠告に従って餌にマカを与えたところ、眼を瞠る結果を得たところからペルーの薬用人参と呼ぶようになったとも伝えられる。

 マカは数千年前から栽培されており、滋養食材として重宝されてきた。一時絶滅の危機にも直面したが、1980年代に入って国民の健康維持にとって有益な食用および薬用の植物であることが再認識され、ペルー政府の肝入りで増産が奨励されてきた。

 乾燥マカは米やトウモロコシ、小麦に勝る栄養成分を含み、アルギニンやリジンをはじめとする必須アミノ酸も豊富である。鉄とカルシウムの含有量はジャガイモを上回り、不飽和脂肪酸のリノール酸やリノレン酸も含有している。さらにはカリウム、リン、亜鉛、銅、マンガンなどの微量ミネラル類も多く含まれており、まさに栄養の缶詰といっても過言ではあるまい。

 現在一般に認められている機能としては、①活力増強、集中力・記憶力の向上、ストレス・疲労の軽減性生活の円滑化、②更年期障害の改善、月経不順の正常化、精子・卵子の増殖など不妊症の解消を含む生殖能力の促進効果、③免疫賦活作用・抗酸化作用・抗ガン作用、などがあるとされているが、これらは特定成分の直接的効果ではなく、数種類のアルカロイド、ステロイド、テルペノイド、サポニン、タンニン、アントシアニン、イソチオサイアネート、グルコシノレートなどが下垂体を刺激する結果、内分泌腺の活動が活性化されるためと考えられている。

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海洋深層水

2007年07月29日 | 健康
○海洋深層水

 地表表面の2/3、全地球上の水の97%を占める海洋の内、海流を形成して激しく動くのは表層部だけで、平均深度3800mにも達する深層部の海水は約2000年もかかって大西洋→南極海→インド洋→太平洋を一巡すると考えられている。海面から蒸発した水は雨となった地表に降り注ぎ岩石を侵食し、溶け出したミネラルを海へと運ぶ。こうして年齢46億年とされる全期間を通じて、海洋には膨大なミネラルが供給されてきた。

 河川水や海洋生物に起因する有機物も海の中では表層部でどんどん分解されて清浄な元素へと還元されてしまうことも、ほとんど手つかずであった深海開発の進歩につれて近年明らかにされてきた。こうして水深500~600mからくみ出されるのが海洋深層水である。汲み上げて塩化ナトリウム(食塩)をイオン交換膜法などによって除去すると、カルシウム、マグネシウム、カリウムを筆頭に微量ミネラルを多彩に含んだ深層水が得られる。海水は人体の血液とミネラル組成が近似していることから非常にバランスのよい総合的なミネラル補給が期待されており、また、外用でアトピー性皮膚炎に好結果が得られたとの報告もある。採水は沖縄、高知、和歌山、富山の各県で盛んであるが、最近は全国各地で含有ミネラルに特徴を持たせた深層水も製品化されている。

ヒマラヤ人参

2007年07月27日 | 健康
○ヒマラヤ人参

 エベレスト山脈の標高3500m付近に自生するヒマラヤ人参は、根茎が数珠状に連なる「珠子参」に属する山人参の一種である。自生している場所の標高差や風向き、日当たりなどによって形がバラバラであるが、その薬効には顕著な差はないといわれている。韓国で山参と呼ばれている山人参の一種は、比較的高地に自生し、細いヒゲのような長い根を持っており、ヒマラヤ人参の数珠状の根とは異なるが、薬用としての効能や適応症が非常に類似している。例えば特長のひとつとして造血作用が強く、女性の生理不順や貧血を改善し、また循環器系の疾患に対して薬効を見せるのもヒマラヤ人参と同様である。摂取後、体温が上昇して体が温まるのも共通している。

 これまでに確認されているヒマラヤ人参と山参に共通する効能は、糖尿病、胃腸病、肝疾患、高血圧、ガン、婦人病、リューマチなどの疾患に対する有効性である。このほか止血や鎮痛、解熱、去痰の効果の認められている。これらの効能を発揮する基本物質はサポニンによるものと考えられている。韓国の人参研究の第一人者である楊祟仁はヒマラヤ人参について、2000m前後の標高地で採取したものはサポニンの含有量が低く、3000m前後の高地に自生している人参は高麗人参に匹敵するものであると報告している。また、田中治(広島大学)はネパール西部地域の野生人参のサポニン総含有量を確認している。

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カルシウムイオン水

2007年07月26日 | 健康
○カルシウムイオン水

 カルシウムイオン水は、村越小五郎(東京大学電気工学部)が解明した「半透膜装置によって作られるイオン化カルシウムは体液中のものと同じ状態にあり、体に利用されやすい」という原理に基づいて開発された健康水である。

 村越はこの電解カルシウムイオン水を自ら飲用し、既に白くなっていた頭髪や口ひげが黒くなり、高血圧や神経痛も全快するという体験によって老化防止に役立つことを明らかにした。

 研究を引き継いだ村越康一(千葉大学医学部)は胃炎や神経痛の76例中70例が臨床的に全快または軽快したと報告、昭和医科大学では肺結核や口腔ガンに対して、日本大学(笹子ら)ではマウスのエールリッヒ腹水ガンを抑制したと報告している。ウサギへの投与で血清カルシウムイオンが増加しマグネシウムが減少するというビタミンK様作用も確認されている。現在のところ作用機序はほとんど未解明で、遊離イオン化によりカルシウムの生理活性が高まり、細胞の浸透圧が減少して細胞内物質が交換されるのではないかと考えられている。

FFC水

2007年07月25日 | 健康
○FFC水

 FFCは(フェロス・フェリック・クロライド)の略で、「二価三価鉄の二量体鉄塩」を意味する。近年、ある種の水に常識では考えられなかった高い生理活性が見出されるようになり、水の物理的、化学的性質を解く研究が盛んに行われるようになった。その結果、例えば水の分子集団の大きさで生命活動に与える機能性が大きく異なることなどがわかってきているが、こうした機能性を決定する大きな要素として鉄の関与がある。

 植物は水や炭酸ガス、窒素やミネラル類という無機物を摂取して、それを光合成によって有機物に変える営みをしている。このとき、光合成を司る物質となるのが葉緑素であるが、葉緑素にはマグネシウムのほか、微量の鉄(Fe)が存在している。同じことが動物にも見られ、血液の重要な成分であるヘモグロビンが休みなく行っているガス交換も鉄によって支えられている。原始の海の中で植物が生育し始めた今から22、23億年前の海水には圧倒的に多くの鉄(二価鉄と三価鉄)が溶けていたが、やがて植物の発生する酸素で酸化して沈殿してしまった。その結果、現在の海水には微量の三価鉄が溶解するに過ぎない。もし還元性で且つ水溶性の鉄を新たに得ることができれば、生命を育んだ巧妙な生理システムを手中にできる。これがFFC水を生み出す着眼点であった。

 製品供給が実現した現在、濃度が濃すぎるとよい結果が得られないこと、二価鉄と三価鉄の割合を変えることによって様々に機能を変化させれることも実験的にわかっており、FFC水によって①植物が強靭な成長力を持つこと、②農作物の品質向上の増収がはかられること、③害虫の食害を受けにくいこと、④食物が腐敗しにくくなること、⑤家畜や養殖魚が病気にかからず成長が早いこと、⑥池や用水の水が浄化されること、などの事例が報告されている。機能性健康飲料としても盛んに用いられており、慢性疾患や体質の改善に有効であったとする事例をはじめ、火傷や捻挫に外用するだけでも軽快したといった報告もある。

フィーバーフュー(シロナツギク)

2007年07月24日 | 健康
○フィーバーフュー(シロナツギク)

 学名Tanacetum parthenium。キク科のナツシロギクのこと。偏頭痛の発作の回数を減らしたり、痛みを軽くするとされ、欧米で注目されている。1日量は、エキスで100mg。効果が現れるまでには、平均3ヶ月かかるので、発作時の鎮痛用には適さない。消炎、発汗などの作用もある。花の部分をサラダやハーブティーとにして食用にしたり、アロマ剤や入浴剤として用いる。なお、妊娠及び授乳期間中は使用しない方がよい。

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シミシフーガ(ブラックコホシュ)

2007年07月23日 | 健康
○シミシフーガ(ブラックコホシュ)

 ブラックコホシュともいう。北アメリカ西部が原産のキンポウゲ科サラシナショウマ属の多年草で、学名はCimicifuga racemosa。北米先住民の間では、その根茎を痛み止めや更年期障害の治療に利用してきた。ヨーロッパで行われた臨床試験では、更年期症状が改善したという報告が得られており、欧米ではサプリメントとして製造・販売されている。

 アサヒビールと指田豊(東京薬科大学薬学部)らとの共同研究で、シミシフーガに抗ストレス作用があることがマウスによる経口摂取実験で確認され、その機能成分がアクテイン(トリテルペン配糖体)であることが明らかにされている(2003年)。ハーブの中でバレリアンやパッションフラワー、スカルプキャップと相性がよく、同時に服用することでリラックス効果がさらに高まるという。

 なお、シミシフーガの過剰摂取によって頭痛・めまい・吐き気・嘔吐などの起きることが報告されている。海外ではブラックコホシュと関連が疑われる肝障害の事例が報告されている(03、04年)。ただし、その関連性については現段階では明確になっていないが、妊娠中の摂取は避けるべきであるとされている。

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レモンバーム

2007年07月21日 | 健康
○レモンバーム

 メリッサともいう。シソ科セイヨウヤマハッカ属の多年草で、学名はMelissa offcinalis。原産地は地中海沿岸や中央アジア。和名はセイヨウヤマハッカ。レモンに似た爽やかに香りをもち、ハーブティーによく使われる。生の葉や乾燥したものは、伝統的に鼓腸(腸内にガスが溜まる状態)や疝痛、頭痛、感冒の治療や発汗剤に用いられてきた。

 最近の研究では中枢神経系に対して鎮痛作用のあることがわかってきた。レモンバームとカノコソウを組み合わせて摂取すると、睡眠の質と長さが改善したという報告がある。さらに、アルツハイマー病による興奮状態の改善にも有効であるとされている。また最近では花粉症対策ハーブとしても人気を呼んでいる。レモンバームに含まれるロズマリン酸(ポリフェノールの一種)が、アレルギー症状を引き起こす酵素ヒアルロニダーゼを強力に阻害することが確認されている。

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納豆菌

2007年07月20日 | 健康
○納豆菌

 糸引き納豆を作るときに発酵のために加える菌で、古くはイネ藁(納豆を包む藁苞)に付着した粘葉菌のバシラス・サブティラスで自然発酵して作られていたが、現在は純粋培養したバシラス・サブティラスの変種が使われている。

 納豆菌は、大豆のタンパク質を分解し、粘質物(ネバネバ成分)を形成する。粘質物には血栓溶解酵素として知られるナットウキナーゼが含まれるが、これは発酵によって納豆菌が作り出すものである。また、骨を丈夫にするビタミンK2も豊富だが、これも納豆菌によって合成させれている。納豆菌を利用した健康食品については(財)日本健康栄養食品協会による「ナットウ菌培養エキス食品規格基準」があり、ナットウキナーゼの摂取目安量などが規格化されている。

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ごま(胡麻)(改訂版)

2007年07月19日 | 健康
○ごま(胡麻)

 ゴマ科の一年生草木で、アフリカのサバンナ地帯が原産地。果実の中に多数できる種子を食用とする。胡麻の色は白・黒・茶・金・緑があるが、主に使われるのは白ゴマ、黒ゴマ、金ゴマの3種である。白ゴマは脂質の含有量が多く(約55%)、胡麻油の原料に使われている。黒ゴマは独特の香気があり、ゴマ和えやゴマ塩などに用いられる。金ゴマは特に香気が強く、会席料理などに用いられている。

 ゴマの成分で最近注目されているのは、ガンや老化の防止に効果があるとされる抗酸化物質の存在である。不飽和脂肪酸を多く含む油は空気中で酸化しやすく、過酸化物質という有害物質に変化するが、ゴマ油ではこのような変化が起きにくいことはよく知られている。これはゴマ油に含まれるビタミンEやリグナンなどが抗酸化物質として働いているからだと考えられている。ゴマに含まれるのリグナンはゴマリグナンといい、セサミンやセサミノールなどの物質が知られている。また、黒ゴマの果皮に含まれるアントシアニンにも抗酸化作用が認められている。ゴマはタンパク質の含有量も多い(約20%)。必須アミノ酸のトリプトファンとメチオニンが多く含まれており、催眠や精神安定、抗うつ症状の改善に効果がある。このほかビタミンB群も多い。

○セサミン強化ごま

 多彩な抗酸化物質を多く含み、ビタミンやミネラル類も豊富なゴマであるが、さらにその健康効果を高めようと品種改良の研究も行なわれてきた。2001年には血中の中性脂肪を減らす効果の高い新品種のゴマが農水省農業研究センターで開発されている。

 新品種は、セサミンの含有量は多いが収穫量が少ない中国産のゴマと、収穫量の多い国内品種を交配して作ったもので、セサミン含有量が1gあたり約10mgと、中国産よりも5%程度多い。同センターが行なったラットを使った実験では、脂肪酸を分解する肝臓の働きが普通のゴマの2~3倍に高まり血中の中性脂肪が減ったという。同センターでは食品企業などと提携して生活習慣病の予防に役立つゴマの製品化にも取り組んでいる。

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