健康食品辞典

サプリメント・健康食品・食材・食品・飲料などに利用されている素材・成分を中心に掲載しました。

扁桃

2015年01月30日 | 健康
○扁桃(へんとう)

 西アジア原産で、世界各地で栽培されているバラ科の落葉高木アーモンド(Prumus dulcis)の種子(仁)を用いる。アーモンドは仁を食用とする果樹で、約4000年前からヨルダン地方で栽培され、現在では主に地中海沿岸や米国のカリフォルニアで栽培されている。

 明治に日本にも渡来したが、風土が適さず普及していない。中国では巴旦杏というが、これはペルシア語のバタムに由来するものである。日本では一般に扁桃といい、巴旦杏といえばスモモの品種の一つをいう。

 アンズの種子である杏仁と同じように、扁桃にも風味により苦味の苦扁桃と甘くて美味しい甘扁桃とに区別される。一般に薬用には苦扁桃を用い、甘扁桃はいわゆるアーモンドとして食用にする。

 苦扁桃には青酸配糖体のアミグダリン、加水分解酵素のエムルシン、脂肪油などが含まれる。甘扁桃にも脂肪油は含まれるが、アミグダリンは含まれていない。ヨーロッパでは古くから苦扁桃を水蒸気蒸留して得られる苦扁桃水を鎮咳薬として用いている。これは杏仁水とほとんど同じものである。ただし中国や日本では扁桃をあまり薬用として用いていない。

へんちく

2015年01月26日 | 健康
○萹蓄(へんちく)

 日本各地および世界の温帯から亜熱帯にかけて分布するタデ科の一年草ナワヤナギ(Polygonum aviculare)の全草を用いる。別名をミチヤナギともいうが、庭や道によく生えて葉がヤナギに似ているためにその名がある。

 成分にはフラボンのアビクラリン、ケルセチン、イソケルセチン、ヒペリン、ルチン、タンニン、エモジンなどが含まれ、利尿、降圧、止血、抗菌、収斂などの薬理作用が知られている。

 漢方では利尿、通淋・殺虫の効能があり、膀胱炎や排尿障害、帯下、陰部掻痒症などに用いる。神農本草経には「浸淫疥癬、疽痔を主り、三虫を利す」とある。本草綱目には「小便を利す」とある。

 膀胱炎や尿道炎などによる排尿障害に瞿麦・木通・車前子などと配合する(八正散)。回虫や蟯虫、鉤虫などの寄生虫症に単独あるいは檳椰子・榧子などと配合する。またトリコモナス膣炎や肛門掻痒症などには新鮮なものの煎液を外用する。