健康食品辞典

サプリメント・健康食品・食材・食品・飲料などに利用されている素材・成分を中心に掲載しました。

たまねぎについて

2005年11月30日 | 健康
○たまねぎ

 ユリ科の1、2年草で、原産はイランといわれている。鱗茎が肥大した部分を食用とする。古代エジプトには早く伝わって一般的な食べ物として普及したが、後に、地中海地方からヨーロッパ全域に広がり、中世のドイツやイギリスでは重要野菜として扱われた。1347年に疫病が大流行したときに、ロンドンのたまねぎとニンニクを売っている店では、伝染を免れたと伝えられる。わが国では明治以降に普及した。

 現在、一般的に食べられているのは黄たまねぎ、赤たまねぎ、白たまねぎ、小たまねぎの4種である。黄たまねぎ(ストロングオニオン)は辛味が少なくサラダに利用される。白たまねぎは(マイルドオニオン)は辛味がやや少なく、サラダなどの生食用にされる。小たまねぎ(ペコロス)は黄たまねぎの成長を抑えて育てたもので、ピクルスや煮込み料理などに利用される。

 たまねぎの効能としては①高脂血症によって引き起こされる血漿コレステロールの上昇を抑制し、善玉コレステロールを増やす、②体内にある血圧上昇物質に対抗して上昇を抑えたり、利尿効果によって塩化ナトリウムの排泄を促進して血圧を下げる、③血小板凝集抑制作用があり、血栓をできにくくする(脳梗塞、老人ボケの予防)、④血糖降下作用、⑤去痰作用、⑥発汗作用などが上げられる。

 たまねぎを切ると涙が出るが、これは切断されるとたまねぎが持つ酵素が働き、涙を催す物質が生成されるからだ。これは切った直後よりも、そのまま1時間以上放置した後に強くなる。この辛味成分はアリルプロピルジサルファイドや硫化アリルなどのイオウ化合物で、硫化アリルはビタミンB1の吸収を高め、アリルプロピルジサルファイドは血糖値を下げる作用がある。イオウ化合物は、強い抗ガン作用があることでも注目されている成分である。また、たまねぎの黄色い色素であるケルセチンは高血圧予防に有効であるとされる。

 黄・赤・白・小たまねぎについて、イオウ化合物とケルセチンの含有量を比較すると、イオウ化合物は黄色たまねぎに一番多く、以下、小、赤、白の順で、ケルセチンは小たまねぎがトップで、以下、黄、白、赤の順となる。

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ルイボスティーについて

2005年11月29日 | 健康
○ルイボスティー

 ルイボスティーは、アフリカ大陸最南端、南アフリカ共和国のごく一部の山野にのみ自生する針葉樹ルイボスの細かな葉を採取して発酵後、乾燥させた健康茶である。ルイボスは現地語で赤い灌木の意味だが、原住民は古くから不老長寿、万病への妙効を信じて愛飲してきたという。

 1900年代初頭にロシア系紅茶商人がヨーロッパへ紹介し、ついで1930年頃、現地の開業医で市長も勤めたイギリス系のP.F.ノーティエが品種改良の末、人工栽培による農産物化に成功した。味・香り・色彩ともに優れ、現在では同国の重要な輸出産品として、生産、加工、品質管理が政府の肝いりで行われている。わが国の健康茶の中では新顔に属する。

 飲み始めて比較的早くわかる効用として、便秘の改善、便の正常の変化(軟便は固く、固すぎる便は柔らかくなる)、腹部膨満感や痛みなどの改善が挙げられる。アトピー性皮膚炎や口内炎、ニキビ、イボ、肌荒れなどの改善、数ヶ月の飲用で高血圧、高血糖などが快方に向かった、精神的に安定するといった報告例が多いが、このような顕著な諸作用に対して、前田浩(熊本大学医学部)らが多くの研究成果を発表している。

 長崎大学医学部ではマウスの胎児から得た培養細胞による実験で、ルイボスティーの発ガン抑制作用を見出している。また、横越英彦(静岡県立大学食品栄養科学部)らはラットを用いた実験で、ルイボスティーの抽出エキスと茶葉粉末を投与することで、いずれの場合も血液中の中性脂肪を下げ、HDLコレステロールを上昇させることを確認した。これは、心臓疾患なと゜へのルイボスティーの寄与を示唆するものである。

 そのほかにも加齢による認知症(ボケ)の防止作用、肝機能亢進作用、抗菌・殺菌作用、便臭の改善作用、さらに新しいこととしては愛知医科大学と山梨医科大学との共同研究で、エイズウイルスの増殖を抑制する働きなども確認された。こうした各種作用の根底には、ルイボスティーが抗酸化作用ならびに活性酸素消去作用を持つことが指摘されており、その作用は他の野菜類などの数倍ないし数十倍にも達することがわかってきている。

 ルイボスティーのもうひとつの特徴は、緑茶やコーヒーと違ってカフェインは0、カテキン(タンニン)は微量だが、含有ミネラルは多く、特にリンとカルシウムが飲食物としては理想的な1:1の構成比で、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウムなどが人間の体液組成比率と極めて似ていることが挙げられる。このことはルイボスティーが人体になじみやすく、細胞の活性化に寄与しやすいことを示していると考えられている。

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パパイアについて

2005年11月28日 | 健康
○パパイア

 パパイアは中南米原産のパパイア科の果樹で、発生はジュラ紀にまで遡ると考えられる。幹は枝分かれせず直立し、中空である。葉は先端部に集中し、その下に実をつける。ハワイ種と、これが改良されたマレー種があり、ハワイ種は高さ20m、果実は楕円形で直径15cm、マレー種は高さ5mまでであるが実は大きく、直径20cmに達するものもある。

 完熟パパイアは生食やトロピカル・ドリンク、ジャムやシロップ漬けなどにされる。未熟パパイアは料理に使われ、キュウリのように野菜として食べられている。

 栄養価で目を引くのはビタミンCの含有量が多いことで、果物の中ではイチゴ、キウイフルーツに次いで多く、中型半個で約80mg含有しており、1日所要量はこれでほぼ満たされることになる。他に疲労回復に有効な酒石酸、リンゴ酸、クエン酸なども豊富に含んでいる。また黄色色素であるカロチノイドの一種クリプトキサンチンもゴマに次いで多い。さらに食物繊維の一種であるペクチンを多く含み、整腸作用と同時に便秘の解消にも有効である。

 パパイアの最も大きな特色は、消化酵素を豊富に保有することで、果実はもとより葉や根に至るまで広く分布している。その代表的なものはタンパク分解酵素パパインであり、パパインが自生する地では、古くから肉を葉にくるんで焼くことで、タンパク分解酵素が作用して肉が軟らかく美味しくなることを調理法として用いている。

 台湾第二の都市の高尾で一番人気のある「木瓜500」というドリンクは、オレンジ色に熟したパパイアをミキサーにかけて牛乳500ccを加え、氷と一緒にミックスした飲料だが、余り消化のよくない冷たい牛乳がパパイアの酵素で消化吸収しやすくなり、ビタミンCの補給源ともなって、食後に飲めば、肉、魚、チーズ、卵、豆などのタンパク質や脂肪の消化をも高める。高タンパク食に合ったデザートとして最適であり、また暑いときのスタミナドリンクとして、特に若い女性に愛好されている。ただ、パパインの効果は熟しすぎると余り望めないので注意したい。

 パパイアは穏やかな抗菌力のあることも知られており、障害された局所の修復を促進する力もあるので、傷ややけどは葉で包んだり、スライスした果肉を当てたりして手当てする。アメリカの著名な美容家のバージニア・トーマスは、パパイアの酵素が、肌荒れや紫外線で痛んだ肌の手入れに効果的であると発表している。パパイアとスペアミンと、スイートミントなどのハッカ成分を加えた温湿布によって肘や膝、肌の硬い部分の角質を酵素の力で分解し、古い角質を治療し、新鮮で軟らかい皮膚に改善して、赤ちゃんのようなすべすべの肌を取り戻すという。

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高麗人参について

2005年11月27日 | 健康
○高麗人参

 高麗人参は中国東北部から朝鮮半島にかけて自生しているウコギ科の多年草で、朝鮮人参ともいい、和名を御種人参という。一般の食用人参はセリ科に属し、これとは全く異なる植物である。

 中国最古の医学書・神農本草経では、高麗人参を上薬に分類し、「五臓を補い...。久しく服すれば身を軽くして、長寿延命す」と、その効能を述べている。つまり、心・肺・肝・腎・脾に作用して、その活動を活発にするのをはじめ、様々な効果を発揮し、長期に連用すれば命が長引くというわけである。

 高麗人参の作用には優れた2面性があり、たとえば「最初は精神的に興奮しても結果的にはへばって、ファイトを失う」というタイプにも、逆に「初めからやる気が起きず、ファイトも湧かない」というどちらのタイプにも効果を発揮する。これは高麗人参には鎮静作用と興奮作用という全く逆の作用を併せ持つ有効成分が含まれているためで、ジンセノサイドという人参サポニンは大脳を鎮静させる作用がある反面、体の細胞や臓器の働きを活発にして体調を整える作用もある。そのため、心身症や不定愁訴症候群、慢性肝炎(肝炎の患者はすぐにカッとなったりイライラする人が多い)などに対して鎮静作用が期待される。

 人参サポニンについては多岐の薬効薬理試験が実施されているが、愛媛大学医学部の研究グループは、インスリン作用物質として人参サポニン以外にもアデノシン、ピログルタミン酸などを明らかにし、さらに紅参(人参を蒸してから熱風乾燥したもの)に血管を弛緩させる物質として、アルギニル-フルクトシル-グルコース(AFG)を見出している。この事実は、紅参が抹消循環改善作用を有し、冷え性などを改善する可能性を示している。

 さらに肉体的抗疲労作用とともに精神的な疲労にも有効で、作業効率を向上させることが科学的にも明らかになっている。また、人間の体を正常な方向へ誘導する正常化作用、すなわち化学物質による刺激や微生物汚染、精神的ストレスなどに対して体に働きかけてホルモンのバランスを保ち、とくに副腎皮質ホルモンの分泌を調整することによって、体の抵抗力を強め、病気に対抗する力をつける効用もある。こうした代謝機能の正常化作用には、もうひとつの側面、つまり、疲れた五臓を活発化させ、その結果、性的機能を回復させる効果もある。

 そのほか、具体的な効能としては、健胃・整腸・胸痛・嘔吐・低血圧・冷え性・貧血・病後の滋養回復・疲労回復・スタミナ増強・老化防止・自律神経失調症の治療など、多くの臨床例が報告されている。

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クロレラについて

2005年11月26日 | 健康
○クロレラ

 クロレラは、生命誕生から間もない、ほぼ30億年前から地球上に生息している淡水産の緑藻である。大きさは2~10ミクロンほどで人間の赤血球よりも小さい存在だが、驚異的な増殖能力と生命力を持っている。

 クロレラが発見されたのは1890年、オランダの学者バイリンクによってである。その食料源としての研究は、第一次大戦中のドイツで始まり、以来、第二次大戦中へと引き継がれるが、いずれも敗戦によって研究活動は一時的にストップ。この間に、ノーベル医学賞受賞者でガン研究の権威であるオット・ワールブルグが初めて生物学研究の対象の一つとしたことがきっかけとなって、第二次大戦後、アメリカとドイツを中心にイギリス、フランス、イスラエル、インドなど世界の学者が競ってクロレラの研究に取り組むようになった。

 日本でも古くから注目を集め、1951年に米国カーネギー研究所の勧めを受けた東大の田宮博が徳川生物学研究所で着手。1959年には日本クロレラ研究所が設立され、クロレラの大量培養→製品開発→市販へと発展してきた。

 当初は、NASA(米国航空宇宙局)が宇宙開発に利用する計画を進めていたこともあって、宇宙食とも言われていたが、現在は良質のタンパク質を含む健康食品として広く知られるようになっている。その成分をみると、タンパク質50%、炭水化物20%、葉緑素5%、そのほかにミネラル類、ビタミンA・B1・B2・B6・C、パントテン酸、葉酸、核酸など、豊富な栄養を含んでいる。

 クロレラは増殖→細胞分裂の過程で葉緑体も分裂し、クロレラエキスが多量に生じる。このクロレラ独自の成分であるクロレラエキスこそ、人間の健康を維持し、病気の治療に役立つ物質とされている。

 クロレラの優れた特徴となっているこのエキス成分はまだ完全に解明されていないが、細胞を賦活化する作用が認められており、アメリカ老化防止研究所所長のデビット・スチーブンブロックは、著書「長生きを見つけた」の中で、このエキス成分を「クロレラグロスファクター(CGF)」と呼び、アミノ酸、ペプチド、ポリサッカライド、ビタミン、核酸類などが複合されたものであろうと推察し、その抗老化作用に言及している。また、日本での小学生への投与試験(長崎医科大学)では、伸長、握力、背筋力の発達に効果があることを認めている。

 さらに愛知教育大学の福井四郎がクロレラ研究の過程で解明した効用を列記すると

 ①クロレラは酸性体質を弱アルカリ性に変える唯一の物質である。酸性体質は成人病の元凶であり、弱アルカリ性体質のほうが疲れにくく、病気にかかりにくい。次に細胞の働きを活発にする。クロレラエキスにより細胞の新陳代謝が盛んになり、体全体が若々しくなり、病気の予防や治療を促進する。②細菌やウイルスに対する抵抗力が強まり、伝染病などの病気の予防に効果がある。③クロレラエキスの成分の一つ、S-ヌクレオチドペプチドが赤血球の回復に役立つので、解毒効果がある。④造血作用を活発化する作用があり、貧血などに有効なほか、コレステロール値も下げる。⑤肝臓、腎臓の働きをよくする。⑥タンパク質の合成を盛んにする。スタミナ増強、疲労回復などに効果を発揮する。⑦脂肪代謝を正常化し、肥満の予防になる。

 また、重金属や合成洗剤中毒に対する解毒作用が実験で判明したほか、胃潰瘍、水虫、糖尿病、心臓病、脳卒中、生理不順などに対する効果も報告されており、体質を強化する健康食品、保健食品としての価値は高い。なお、クロレラの細胞壁が吸収を妨げることが指摘されてから、細胞壁を破砕したものも広く市場に出されるようになっている。

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ルンブルクス・ルベルス(LR)について

2005年11月25日 | 健康
○ルンブルクス・ルベルス(LR)

 中国ではミミズを蚯蚓とか地龍と呼び、薬物として扱ってきた歴史がある。ミミズは毛足網貧毛目に属する環形動物で、その仲間は体調0.5mmから4.5mの長さに達するものまで、世界中に11科、約1700種が分布し、日本だけで300種近くが棲むといわれている。北半球にはツリミミズ科に属するものが多く、南半球にはフトミミズ科のものが多い。

 そのうち、薬用となるミミズは特定の種類であるが、あらゆる植物や動物、キノコ類、鉱物類を渉猟して薬効を見出し、それらを生薬のリストに取り入れたいった古代中国の先人は、ミミズにも熱い視線を注いできたわけである。1世紀末から2世紀初めにかけて記述された中国最古の薬物書・神農本草経には、すでに白頸蚯蚓の名で収載され、婦人病、虫下しの薬物とされている。また、11世紀の宋時代の薬物書・図経本草には地龍の名で登場し、各種の効用が記され、近年それらの効用を裏付ける有効成分も明らかにされてきている。それは以下のようなものだ。

 ①解熱作用として、ミミズにはルンブロフェブリンという成分が含まれ、胃を荒らさない解熱剤となる。②鎮痛作用として、ミミズには貴重な金を含む塩化窒素化合物が2種類含まれ、鎮痛効果をもたらす。金には痛みを止める効果があり、鍼灸でも痛みの治療には金針を用いる。③鎮痙作用として、ミミズは筋肉痙攣を鎮める作用のある多量のカルシウムを含んでいる。④利尿作用として、ミミズに含まれる多量のカリウムが利尿を促進する。

 このほか、抗炎症作用や鎮咳作用のほか、図経本草には、脳溢血によって起きる中風の後遺症を改善する特効薬は地龍であると記載されている。中風によって運動神経が麻痺して半身不随になるのは、運動を司る小脳を脳出血で固まった血が圧迫するためだが、この地流が麻痺を改善するという記述は、その中に血栓を溶かすことができる強力な有効成分が含まれていることを示している。そして。その1000年後の日本において、フトミミズの一種から副作用の全くない血栓溶解酵素ルンブロキナーゼが国立宮崎医科大学で見出され、この記載の正しさが立証されたのである。

 現在、脳卒中などの血栓を溶かす薬物としては、ウロキナーゼやt-pAなどかあるが、こられは直接血栓を溶かすのではなく、体内でプラスミン(線溶活性酵素)を作り出す間接的な補助剤に過ぎない。また効果は短時間で、作用が弱いという欠点もある。さらにこの薬は内服できず、点滴注射や脳内に直接注入という方法がとられるため、投与量が多過ぎると逆に血管を傷つけたり、出血時に血液が止まらないという副作用を持ち、非常に高価であるという欠点もある。

 これに対してフトミミズ由来のルンブロキナーゼは、血栓を直接溶かす作用を持ち、口から服用しても分解せず、効果が長時間持続し、しかも値段が安いという、夢のような長所を持っている物質なのである。こうした特徴が評価され、ルンブロキナーゼは、①血栓溶解、②高血圧の改善、高脂血症の改善、④糖尿病の改善、⑤製造法という5つの日本特許が認められ、米・英・ECなど世界23カ国の国際特許を得ている。

 このように、非常に幅広い健康効果が実証されているミミズだが、健康食品として利用されるようになったのは最近のことである。それは、漢方処方にも配合されて幅広く病気治療に使われてきた生薬・地龍(日本産は材料として、「カッショクツリミミズ」の体内の土砂を取り除き、丸ごと乾燥させたもの。古くから高熱の特効薬として、また鎮痙、利尿、解毒剤として使われたきた)は、薬事法に基づく食薬区分で、医薬品成分に収載されているために、食品としての使用ができなかったからである。

 現在、わが国で健康食品に使用することができるのは、欧米などで食用にされてきた赤ミミズ(レッドウォーム、学名はルンブルクス・ルベルス)で、漢方生薬の広地龍の材料となる参環毛ミミズと同じ仲間のフトミミズ化に属し、ニュージーランドやアフリカ中部の原住民の高タンパク食品と頻用してされてきた種類である。米国でタンパク源として、ペットフードにも盛んに利用されている。

 ルンブルクス・ルベルス(LR)食品は、このレッドウォームを原料として、厳しい品質管理のもとに滅菌処理をして精製粉末化され、カプセルの形で供される機能性食品である。それ単独でも所期の目的である血栓溶解・血行促進といった食効が得られることは既に多くの研究で明らかにされているが、さらに幅広い食効や保健効果を求めて、他の伝統的な健康食品との組み合わせも行われている。

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ウコンについて

2005年11月24日 | 健康
○ウコン

 ウコン(鬱金)は熱帯アジア原産のショウガ科ウコン属の多年草で、春(初夏)にピンクの花を咲かせる春ウコンと、秋(晩夏)に白い花の咲く秋ウコンの2種類がある。いずれも地上部は芭蕉に似た形状で高さ1.5mほどになり、生姜に似た大きな根茎を持ち、ときにそこから出たひげ根の先端が肥大根となる。掘り上げた生の根茎を切ってみるとどちらも高い芳香性があるが、内部の色に違いがあり、春ウコンが鮮やかな黄色であるのに対し、秋ウコンは橙色を帯びる。乾燥した粉末をみても、この差は歴然としている。また、春ウコンにはやや辛味と苦味があるが、秋ウコンには苦味は感じられない。優れた薬効を発揮する生薬として用いられるのは春ウコンの根茎であるが、両者の区別がはっきりしたのは近年の研究成果である。従来カレー粉の原料として利用されてきたのは主に秋ウコンで、特有の味と香りはターメリックと呼ばれる香辛料が主役となっている。また、各種食品の黄色の着色剤としても用いられる。

 中国薬草書の古典、本草網目には、このウコンに関して、鬱金と姜黄の2つの記述があり、鬱金については「...血を止め、悪血を破る。血淋、尿血、金瘡を治す」とされ、姜黄については「...気を下し、血を破り、風熱を除き、血塊を治し...」としたあとで、「功力(効力)は鬱金より烈し(強し)」と述べている。また伝統的に中国では、春ウコンの根茎を姜黄と呼んでいたことも考え合わせると、ここで述べられた姜黄が春ウコンであると解釈するのが妥当であると考えられている。

 日本では、既に平安時代中期に中国から渡来し、慶長年間(1596~1610)に沖縄(琉球)特産の薬草として珍重され、砂糖とともに重要物産として専売制を布いて大々的に栽培され、次いで九州南部でも生産されるようになって、健胃薬、通経薬、利胆薬、産後の下血、血尿、体内の鬱血を解消する駆?血薬として広く用いられ、平胃酸、猪苓湯などの方剤としても盛んに利用された。近年、伝統的生薬を見直す機運の中で改めて脚光を浴び、糸川秀治(東京薬科大学)らによる成分分析や作用の解明が進められるとともに、前記のような春ウコン、秋ウコンの区別なども明らかにされたきたものである。

 黄色い色素であるクルクミンや精油成分についての薬理試験では、肝臓の解毒機能促進、胆汁分泌促進、胆道結石除去、利尿、強心、抗出血、抗菌、抗潰瘍、血中コレステロールの抑制作用などが明らかにされている。適応症としては肝炎、胆道炎、黄疸、胃炎、生理不順、高血圧、低血圧、動脈硬化など多くを数えるが、近年は特に慢性C型肝炎を含む肝臓病、がん、糖尿病への効能に期待が寄せられ、老化や万病の元といわれる活性酸化やその除去作用、抗酸化作用にも関心が高まるようになった。同じショウガ科に属するガジュツも、薬効に富む植物としてよく知られている。

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琉球もろみ酢について

2005年11月23日 | 健康
○琉球もろみ酢

 醸造酢は、原料の糖質をまずアルコール発酵させたあと、さらに酢酸発酵させることによってその酸味を醸成することが製法の基本である。その糖質を得る原料として、主に穀物(米・麦・トウモロコシなど)や果実(ブドウ・リンゴなど)が用いられるが、この原料の違いや発酵菌の種類が、できた醸造酢の風味はもとより、その健康効果を大きく左右することになる。

 琉球もろみ酢は、沖縄の特産品である泡盛がベースであるところに第一の特徴がある。

 泡盛の醸造には伝統的に精選されたタイ米が使われてきていることも特色の一つだが、中でも特筆すべきは、アルコール発酵から後発酵まで、一貫して発酵菌に黒麹菌が使われることである。

 その結果、一般の食酢の場合には酸味の主成分が酢酸であるのと異なり、琉球もろみ酢ではクエン酸が主体となる。そしてこのクエン酸が、琉球もろみ酢の特徴的な健康効果である運動能力の向上、疲労回復、結石の抑制、肩こり・腰痛の予防、抗菌・抗ウイルス作用といった働きをもたらすのである。

 体内でグルコース(ブドウ糖)や脂肪酸がエネルギーに換わるのには、無酸素状態でその化学的エネルギーを開放する解糖系と、もっと遥かに多くのエネルギーを生むクエン酸回路(ATP回路)という反応系(有酸素状態で行われる)があるが、クエン酸を起点に一巡しながらエネルギーを生む目的物質であるアデノシン-3-リン酸(ATP)を産生するこの反応は、細胞内のミトコンドリアという小器官で行われるため、そこへ自由に入っていけるクエン酸が直接的な活力源として寄与できると考えられるのである。

 琉球もろみ酢に、非常に多彩かつ豊富にアミノ酸が含まれていることも高い機能性がもたらされる一因だが、これはその醸造にタイ米と黒麹菌が用いられるためと考えられている。

 すなわち、黒麹菌を加えて熟成したもろみ(諸味・醪)から泡盛を蒸留したあと、もろみをさらにゆっくりと熟成させる過程で、米に含まれていたタンパク質が、機能性を持つ多様なアミノ酸に細かく分解され製品に含まれるのである。このタンパク質の分解力は発酵菌の種類によってそれぞれ差があるが、黒麹菌が作用した琉球もろみ酢では必須アミノ酸を含む18種のアミノ酸が分析されている。

 天然醸造酢は原料と菌の合作であり、醸造法や環境因子も考慮に入れると大変バラエティーを持つわけで、その機能性の全貌が見えたわけではない。したがって実際の飲用効果と成分との対応が完全にはとれないが、琉球もろみ酢に特に顕著な元気の回復や、体の抵抗性を高めるという働きは、多量に含まれるクエン酸によるところが大きいと考えられる。しかしこの場合でも、それが発酵菌による天然醸造によって醸し出されたもので合成された成分でないこと。また他の成分との複雑な相互関係による結果であることは容易に理解できるであろう。

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キチンキトサンについて

2005年11月22日 | 健康
○キチン・キトサン

 キチンは、カニ・エビ・シャコ・オキアミなどの甲殻類の外皮や昆虫の外皮、キノコなど菌類の細胞壁の主成分を構成するアミノ酸重合体。19世紀の初頭に発見され、ギリシャ語で、封筒の意味を持つキチンと名づけられた。非常に堅固な構造をしていて水に溶けないが、このキチンを熱した濃いアルカリ溶液に浸漬しておくと、その分子(N-アセチルグルコサミン)からアセチル基が脱落してアミノ基に入れ替わったキトサンに変わり、希有機酸には溶けるようになる。

 キチンとキトサンを総称をしてキチン質と呼ぶ場合がある。

 キチンは植物のセルロースと同様、地球上に無尽蔵に存在する物質だが、硬い構造のために利用されることもなかった。しかし1970年頃、未利用生物資源の活用を巡ってアメリカで注目されるようになり、ほぼ10遅れて日本でも、毎年大量に排出される缶詰用ベニズワイガニの殻の再利用が研究開発の対象となってからは、多方面で基礎研究と技術開発が進み、たちまち畜産・漁業用の飼料、殺虫・殺菌剤、汚水処理などのほか、化粧品の溶剤、各種の網やラップ、さらに医療用に人工皮膚、手術用縫合糸などへと、その用途を広げた。

 その幅広い応用範囲の中に、健康食品・機能性食品として活用法がある。現在、年間1200トンほど生産されているといわれるキチン・キトサンのうち、健康食品としての利用は約3%ほどであるが、20世紀最後最大の天与の物質といわれるほどに、幾多の顕著な効果が報告されている。

 平野茂博(鳥取大学農学部)を中心とする研究グループや、奥田拓道(愛媛大学医学部)らの研究が注目されているが、キチン・キトサンが特定の臓器(心臓や肺)の病変を直接直す物質ではなく、身体のもつ自然治癒力、すなわち免疫力を高めて自らの疾患を治していくのを助ける作用があるということについては広く認められてきており、ガン、肝炎、糖尿病、腎臓病、アレルギー性疾患、高コレステロール血症(高脂血症)、神経痛、腰痛、白内障、慢性便秘、四十肩・五十肩など、非常にバラエティーに富む多くの治癒例が医療関係者から報告され、それぞれの作用機序が基礎研究者によって明らかにされてきている。

 例を示すと、奥田らは、キチン・キトサンが食塩の摂り過ぎによる高血圧を抑制することを確かめて話題を集めた。これは、血圧を高くする原因物質が従来いわれていたように食塩の成分のうちのナトリウムではなく、塩素であることを突き止めたもので、これだけでも常識を打ち破る貴重な成果であるが、この原因物質の塩素(マイナスに荷電)をキチン・キトサン(プラスに荷電)が腸内で吸着して体外へ排出してしまうために、血圧への悪影響は出なくなるというのである。すなわち、食塩制限のため不自由な食生活をしていた高血圧患者でも、キチン・キトサンを摂取することで、普通の食事をしながら治療を続ける道が開けたことになる。

 キチン・キトサンは塩素だけでなく、同じくマイナスに荷電した胆汁酸と結合した糞中に排泄される。この排泄によって体内の胆汁酸が不足し、コレステロールから胆汁酸への転換が肝臓で進む結果、血液コレステロールが低下する。

 キチン・キトサンはまた、小腸内で食品に含まれる脂肪に結合し、膵臓リパーゼが働けないようにして、脂肪の腸管吸収を阻害する。このようは肥満予防に連なる。

 さらにキチン・キトサンは、NK細胞やLAK細胞(ともにガン細胞を殺す作用を持つ)の働きを上昇させ、人のガンに対する抵抗力を強める可能性を持つ。

 なお、キチン・キトサンを加えた有機肥料を畑の中にすき込む事で土壌改良をし、さらにキチン・キトサンの誘導剤を散布することで、化学肥料や農薬に頼らない野菜類やお茶の生産に成功している例も数多く報告されている。

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ハタケシメジについて

2005年11月21日 | 健康
○ハタケシメジ

 ハタケシメジ(畑占地)は、味は天下一品とされるホンシメジと同属であり風味が優れているため、様々な方法で人工栽培が試みられたが成功しなかった。しかし、ついに念願の人工栽培技術が確立(王子森林資源研究所)して大量生産に成功、機能性が期待される健康食品の一因に加わることになった。ホンシメジはマツタケのように土中の生きた根に共生する菌根菌であるのに対し、同属でありながらハタケシメジは土中に埋もれて腐朽の進んだ木片に繁殖する腐生菌としての性質を持っていたことが、人工栽培の成功につながったのである。

 他の多くのキノコ類に抗ガン作用が見出されていることを受けて、ハタケシメジの機能性研究もその抗ガン活性の検証から着手され、1998年の日本癌学会総会において、その効果に関する学会発表がなされた。「ハタケシメジに含まれる抗腫瘍活性多糖の分離・精製とその構造」である。

 キノコの抗ガン作用研究にとって画期的なこの学会発表は、ハタケシメジの実験を基礎としたものであった。その実験はハタケシメジの熱水抽出画分(F-1)ならびにそれをアルコール沈殿させた画分(F-2)を調整し、それぞれ0.5%、0.1%に希釈して、0.3mlを15週齢の雌マウスに腹腔内投与、2時間経過後に腹腔浸出細胞(主にマクロファージ)を採取してC3高原を定量するというものであった。

 その結果、C3抗原(抗原抗体反応によって活性化される血清タンパク酵素系で、溶血・溶菌反応に必須の物質)が最高15倍にも上昇することが観察された。この現象は、マグロファージが強く活性化したことを意味する。

 次いでザルコーマ180固型ガンを5週齢の雌マウス12匹(642群)に移植、そのうちの1群にハタケシメジの熱水抽出画分(10mg/kg)を10日間連続して投与(注射)した。その結果、対照群(6匹)は全て罹患し、そのうち3匹は35日までに死んだが、投与群(6匹)は100%健全であった。

 その後行われた第2弾の実験が先の学会発表になるのであるが、上記F-2画分をイオン交換クロマト法、ゲル濾過法で8シュルイの画分に精製し、ザルコーマ180固型ガンを移植した5週齢の雌マウスに、腹腔内投与(注射)及び胃ゾンデによる経口投与を行った。経口投与実験は、将来これが健康食品として提供されるためには、実際問題としてぜひとも必要なものである。その結果、移植4週間後の生存率は精製した2画分で100%、ガン完全消失率も90%という好成績を見たのである。また、経口投与でも46%と高い腫瘍抑制率を示した。

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