健康食品辞典

サプリメント・健康食品・食材・食品・飲料などに利用されている素材・成分を中心に掲載しました。

落花生

2007年10月31日 | 健康
落花生

 マメ科の一年草で、開花後に地中にできる3cmほどの鞘(殻)の中の種子を食用にする。殻のついたものを落花生、殻から出して渋皮のついた状態のものを南京豆、渋皮を取り除いたものをピーナッツという。落花生はそのまま酒のつまみにされたり、すり潰してピーナッツバターや和え物にも利用される。

 落花生は食品として必要な栄養分を全て蓄えており、栄養的に非常によくバランスがとれている。タンパク質は約25%、脂肪が約47%で、脂肪酸の多くは不飽和脂肪酸(オレイン酸、リノール酸)が占めている。特徴的な成分としてはビタミン様物質のコリンが多く含まれている。コリンはビタミンB複合体の一種で、脂肪肝を防ぐ作用がある。人の体内ではメチオニン(アミノ酸)から合成されるが、落花生のタンパク質組成ではメチオニンも多い。このほか、種実類の中ではナイアシンを最も多く含んでいる(乾100g中17mg)。ナイアシンは湿疹や口角炎に有効なビタミンである。

葡萄(ぶどう)

2007年10月30日 | 健康
○葡萄(ぶどう)

 ブドウ科ブドウ属の蔓性落葉樹の果実で、ペルシャが原産。紀元前2000年広には栽培されていたらしく、聖書やギリシャ神話にもブドウ酒の話が出てくるほか、壁画や壷の模様にも残っている。現在は世界で最も多く生産されている果実で(全果物の5分の1を占める)、その多くはワインの原料にされている。

 葡萄は糖質を100g中15.7gも含み、その大部分が単糖のブドウ糖や果糖であるため即エネルギーとなり、疲労回復に即効性がある。またカリウムやリン、カルシウム、鉄などのミネラルも多いので貧血気味の人に好適である。干しブドウは特にミネラルの含有量が多く、鉄は生の23倍、カルシウムは10倍、リンとカリウムは6倍である。サラダなどに入れて少量でも毎朝食べるとよい。

メロン

2007年10月29日 | 健康
○メロン

 売りかキュウリ族の一年草の果実で、中近東が原産。古代エジプト時代から栽培されており、日本へは明治の中頃にヨーロッパから導入されたが普及するに至らず、大正末期に導入されたイギリス系の温室メロンが現在のネットメロンの元になった。

 メロンは温室メロンと露地メロンに大別される。主な品種としてはマスクメロン(アールスなど)、プリンスメロン、夕張メロン、ハネデュー、アンデス、アムスなどがあり、味も形も大きさも異なる。温室メロンは露地メロンに比してカロチンの含有量などは少なく、100g中33ug(アールス系)にすぎないが、路地の白肉種では140ug、赤肉種では3600ugも含まれる。ビタミンCも温室18mg、露地25mgと含有量に差がある。ビタミンCは肌荒れを防ぎ、皮膚粘膜を守る働きがあるが、中程度のメロンなら半分くらいで1日分の必要量(成人で85mg)を賄えるだろう。メロンにはカリウムも多く、温室は340mg、露地は350mg含む(いずれも100g中)。カリウムには利尿作用があり、むくみを取る働きがある。メロンにはこのほかタンパク質分解酵素のククミシンが含まれており、肉類などの消化を助ける。

苺(いちご)

2007年10月28日 | 健康
○苺(いちご)

 バラ科オランダイチゴ属の多年草の果実で、南アメリカが原産。日本へは江戸時代後期にオランダから伝わり、明治初期にはフランス、アメリカ、イギリスからも品種が導入され品種改良が行われた。現在は女峰、とよのか、とちおとめ、アイベリーなどの栽培種がよく知られている。

 特筆すきべきはビタミンCの多いことで、100g中62mgも含まれている。成人の1日の必要量は85mg(食事摂取基準)なので、大きいものであれば8粒程度で十分満たせることになる。ビタミンCはコラーゲンの生成や副腎皮質ホルモンの分泌に関わるので、必要量よりかなり多めに摂取するのが望ましいとされている(食事摂取基準では成人で100mgを推奨している)。

 イチゴにはリンゴ酸やクエン酸も多く含まれており、これら有機酸は体内の疲労物質の分解を早める。また、リューマチに有効なメチルサリチル酸、腸疾患・代謝性疾患を防ぐ食物繊維のペクチンも含有している。

キーウィフルーツ

2007年10月27日 | 健康
○キーウィフルーツ

 マタタビ科の落葉性蔓性果樹の果実。中国原産のシナカルナシをニュージーランドで品種改良したもので、果実の形がニュージーランドに生息する珍重キーウィ(kiwi)に似ているところから名付けられた。英名はチャイニーズ・グーズベリー。現在は日本でも栽培が盛んである。果肉は鮮やかなエメラルドグリーンで果汁が多く、甘味と酸味を合わせ持つ。

 栄養成分としては、ビタミンCが100g中69mgと比較的多く含まれている。ヘビースモーカーには奨めたい果実の一つである。ビタミンEは1.3mg、カロチンは66ug含有している。そのほか食物繊維(ペクチン)は甘柿より多く、便秘を防ぐ効果もある。またタンパク質分解酵素アクチニジンを含むので肉を漬けておくと柔らかくなる。糖分のうち、45%がブドウ糖、33%が果糖、17%がショ糖。有機酸(クエン酸、リンゴ酸など)も比較的多く約1.3%含み、疲労回復に即効があるとされる。未熟の固いものは酸味が強いので、リンゴやバナナと一緒に袋に入れておくと早く熟する。

すだち

2007年10月26日 | 健康
○すだち

 ミカン科の常緑小高木の果実でユズの近縁種。徳島県が原産である。秋の味覚サンマに付き物のスダチは、ユズと並んで食卓の主役にはなれないが、常に主役を引き立てる名脇役といえよう。特にマツタケの土瓶蒸しには欠かせず、他のものでは代替できない特有の香りと味を持つ。晩夏から秋にかけて九州・四国地方で栽培されているものが多く出回っている。緑が濃く、硬く引き締まった光沢のあるものが良質とされている。

 添えもの的な存在で比較的軽く見られているが、スダチはビタミンCやミネラル類の宝庫である。ことに緑の皮の部分に多くの栄養素を含んでいる。ビタミンCはミカンの3倍強、ビタミンEは13倍強、カリウムは2倍、カルシウムにいたっては果実中断トツとされているキンカンの皮をも凌ぐ量である。皮をすりおろして大根おろしと一緒に和え物にすると色も風味も生き、豊富な栄養素も摂れるので、料理を工夫して皮の部分も摂取したい。

 効用としてはビタミンCコラーゲン合成を助けて細胞を活性化し、風邪の予防、疲労回復に役立つ。また、表皮の内側の白い部分に含まれるトリメチルピラチン、スペリジンは毛細血管を強化する働きがあるので捨てずに全部利用したい。なお、スダチによく似たものにカボスがある。カボスもユズの近縁種で大分県の特産。豊富な果汁が特長で、地元ではフグ料理の薬味によく利用されている。

柚子(ゆず)

2007年10月24日 | 健康
○柚子(ゆず)

 ミカン科の常緑小高木の果実で、中国長江上流域が原産。代表的な調味料柑橘類で、同類にはスダチやカボスがある。ユズは寒さに強く東北地方まで栽培されている。初夏に白い小花をつけ、秋に黄色い実を結ぶが、果実は球形で表面がデコボコして粗い。肌の粗いことを”ゆず肌”というのはこれに由来する。

 果肉は多汁で酸味が強いが、爽やかな香りは秋を象徴する匂いとして日本人に古くから親しまれ、菓子などにも多用されている。香りが食欲を増進させるうえに、ほろ苦味のある皮には豊富な栄養素が含まれているので、果皮を生かした料理を工夫したいものである。

 柑橘類の中では飛び抜けて多いビタミンC(100g中150mg)は、夏で疲れた肌を蘇らせ風邪の予防にもなる。風邪気味の時には皮をおろして搾り汁と一緒にハチミツとお湯を加えて飲むと効果的。そのほか、カロチンやカリウム、カルシウムなどの栄養素もまんべんなく備えた果実である。

 冬至の季節に入るユズ湯は、香りが気分を爽快にし、精油成分ピネンやシトラールが皮膚を刺激して血行を良くし、温熱効果があるので冷え性・リューマチ・神経症に有効である。ユズの皮にはビタミンPも含まれているので毛細血管の循環をよくする。また搾り汁をすり込むと、ひび・あかぎれにも効き目がある。焼酎と氷砂糖で漬け込んだユズ酒は疲労回復・貧血・低血圧症に効くとされている。

杏(あんず)

2007年10月23日 | 健康
○杏(あんず)

 バラ科サクラ属の落葉高木の果実で、中国北部が原産。日本では長野県を中心に各地で栽培されている。アンズは漢字で「杏」と書くが、中国では「杏林」とかいて医者を意味する。このことからも杏が健康食品である事がうなずけよう。特に優れているのはカロチンの含有量で、干しアンズ100g中に5000ug(生で1500ug)を含み、これが疲労回復や食欲増進に役立つ。また、酸味のクエン酸などの有機酸が相乗的に効果を発揮する。

 干しアンズにはカリウムや鉄、リンなどのミネラル類も多量に含まれるので、冷え性・便秘。肌荒れなど女性にありがちな症状の改善にも適している。そのほかアンズには肺を潤す働きがあり、痰を切り、風邪や喘息の咳を鎮める。さらにからだの水分のバランスを整えるので口渇・下痢・むくみを解消する。

 生アンズは熟してから日持ちが悪いため、店頭に並ぶ時期が短いのが難点。干しアンズは入手しやすく、生に比してカロリーが高く吸収も早いので1日3~4個食べるとよい。なお、アンズの種子を杏仁といい、漢方では鎮咳・去痰薬として麻黄などを配合して用いられている。

2007年10月22日 | 健康
○柿

 カキノキ科の落葉高木の果実で中国が原産。日本への渡来は奈良時代といわれ、寒さに弱いので北海道など寒冷地では栽培できないが、全国に1000以上の品種があるといわれている。甘柿と渋柿があり、渋みはシブオールという水溶性のタンニンが含まれていることによる。甘柿にも含まれているが、熟すにつれて不溶性に変化するため渋さを感じなくなる。果肉に黒いゴマ状のものが含まれているのは不溶性に変わったタンニンである。これに対し、渋柿は熟してもタンニンが水溶性のままで変化しない。アルコールに浸けたり、炭酸ガスが充満したところに置いておくと、タンニンが不溶性に変わって渋抜きができる。

 柿はカロテンが豊富(生の甘柿100g中、420ug)で、ビタミンCもミカンの2倍(同70mg)含有しており、大き目のものでも1日1個で1日の所要量をほぼ賄うことができる。ウイルス性の疾患に対する抵抗力を強め、粘膜を丈夫にする。干し柿は食物繊維を多く含み、カロチンも増えるので見逃せない健康食品である。

梨(なし)

2007年10月21日 | 健康
○梨(なし)

 バラ科ナシ属の落葉高木の果実で、日本が原産。ニホンヤマナシを改良したもので、古くから果樹として栽培されている。縁起を担いで”なし”ではなく、”ありの実”ともいう。品種改良されて、全体に甘みが強く舌ざわりのよい歯ごたえのあるものが多い。よく知られている品種としては、二十世紀、幸水、長十郎、豊水などがある。このほか西洋梨や中国梨がある。

 成分の90%は水分だが、消化酵素を含むのが特徴で、肉類の消化を助けるため食後のデザートとして適している。解熱作用があるので熱による諸症状の緩和に役立つ。夏風邪などで微熱が残ったときには、毎日1~2個の梨を食べていると自然に治るとされている。これは中国の古医法にもあり、日本でも民間療法として伝えられている。熱病の回復期などには、おろしたり搾り汁を飲むとよい。風邪や扁桃炎でのどが痛むとき、または咳や痰を伴うとき、暑気あたりや二日酔いなどの口渇にも効果的である。アスパラギン酸を含んでいるので疲労回復にもよく、さらに利尿効果も期待できる。