旅日記

旅の記録と紀行文を紹介する事でしょう。
写真は私が撮影したものを使用しています。

カリフォルニア紀行2000 バスに乗ったが

2005-02-06 06:00:00 | 帰国5周年記念
13.バスに乗ったが

やってきたバスに乗り、運転手から乗り継ぎの切符を買う。この後、Wilshire/Western で Metro Red Line に乗り換えるからだ。だいぶ公共交通機関にも慣れてきた、と思ったら運賃箱に $1.60 のところ $1.70 を入れてしまう。釣銭は帰ってこない。余裕が出てくると、こうゆう失敗をする。

海外のバスに乗っているので、スリなどに気をつけねばならないのに、寝不足がたたって居眠りをしてしまった。ふと車窓を見るとMTAのサインのある建物が見える。運転士が「Wilshire なんとか」と車内に案内している。バスとの乗り換え駅(Wilshire/Western)に着いたのだと思い、バスを降りてしまった。思わず「すみません」と日本語で運転手に声を掛けてしまった。寝ぼけていた。

寝ぼけていたのが日本語で声を掛けた事だけならよいが、降りるバス停も間違えていた事に、バスから降りて気付いた。ここは乗換駅ではない。MTAのサインがあったのはバスの営業所であり、停留所の名前が「Wilshire なんとか」だったが、Wilshire Blvd. にあるバス停なので、Wilshire が付くのだ。京都でいえば、堀川通にあるバス停に「堀川今出川」「堀川丸太町」「堀川御池」と、堀川が付いており、自分の降りる予定とは違う「堀川なんとか」で降りてしまった具合である。

まだ先のバス停で降りるはずだと気付いたものの、乗っていたバスはすでに走り去った後だった。次のバスに乗ろうかとも思ったが、手元に乗り継ぎ切符がある。次のバスに別途運賃を支払うのも嫌である。乗換駅まで歩いて行き、そこからこの切符を使おうと思った。

アメリカの治安は悪いという話である。しかもここはLAである。京都ではない。何故、夜道を歩こうと思ったのか、今になってみれば自分でも分からない。走っている車が止まり連れ去られるかもしれないとか、路地に連れこまれ有り金を奪われ殺されるかもしれないとか、最悪の事態ばかりが頭に浮かぶ。だいたい道を歩く人なぞ見当たらない。途中のバス停に人がいる。バスを待っているだけの普通の人たちをギャングなのではないかと思ってしまう。

何故こんなに不安なのかというと、夜に1ブロック先の商店に出掛けるだけでも犯罪被害に遭う、という話を鵜呑みにしているからである。1ブロックどころではなく、Wilshire Blvd. を約40分くらい歩きつづけて、無事に目的に駅にたどり着いた。実際の時間よりも大変長く感じられた。Metro に乗ってしまえば、何事もなかったかのごとく、朝出発した Wilshire/Vermont に帰ってくる事が出来た。 (つづく)