通算3度目のロパートキナ＆コルスェンツェフ コンビの
白鳥の湖鑑賞。
3回とも同じ東京文化会館で。
1回目は天井桟敷のうんと隅っこの席。
2回目はわりと良い席。
3回目はチケット代を見比べ、妥協できる席での鑑賞でした。
ロパートキナの白鳥については
多くは語りますまい。
ロパートキナ＆コルスェンツェフの演目は
DVDも発売されていますので
興味のある方はぜひそちらもチェックされてみて下さい。
今回は、コルスェンツェフ目当てでチケットを取りました。
この方はとにかくエレガントなダンスール・ノーブルだと
信じて疑わない私。
立ち姿が上品。
体の線がとにかくキレイ。
そして手が長ーーーーい！
この腕が紡ぐポール・ド・ブラは
ため息が出るくらい美しく、
どのポジションも目が離せないのです。
私の中ではベスト・オブ・ジークフリート王子で、
他の王子はもう観たくないくらい好きです。
さて、今回観ていて気づいたのですが、
全編通じて曲のテンポが
すごーくゆっくりになる箇所が散見されました。
このテンポダウンは何か理由があるのかな。
まあ、見る分にはキレイな動きを堪能できますので
大歓迎なんですが、
もしかして
姫と王子の年齢を考慮して…なんてことは…
ごほごほごほ！
ないですよ、ねーーー！！！
けど、見慣れている人とか
実際に踊ったことがある人なら
「ん？？」となる程度の遅さだったんです。
過去2回観た時には感じなかったので
そこは不思議だなあと思いましたです。
逆回転でそんなに簡単そうにくるくる回らないで。
しかもそんなにゆっくり。
ダニーラ、やっぱりすごい。
オディールに間違って愛を誓ってしまい、
後悔した王子が
「ママー！」と王妃の元に駆け寄る姿の
なんと情けないこと！
この情けなさも上手い！
すべてが上手くて目がハートになっちゃいます。
王子目当てだった白鳥の湖。
けれど、出てくると目を奪われるのが
姫のロパートキナです。
もう、この人の踊りは神がかっていますね。
どんどん浮き世から離れていくような気がしてならない。
この人には体重というものが存在するんだろうか？
1ミリグラムもないんじゃなかろうか。
本物の姫と、
本物の悪魔を
演じ分けるすばらしさ。
もし可能であるのならば、
もう一度、ロパートキナとコルスェンツェフの組み合わせで
白鳥を観たい。
同じ演目ばかりで能がないといわれてもかまわない、
夢の世界に浸らせて下さい、お願いします。
そしてそして。
ここがきちんとしてないと
舞台全体が締まらないでしょう！ という役といえば、
やっぱり道化だと思います。
道化がふらついたり、
ふわっとしてると、
物足りない気がしてならないのですが、
道化を演じたグリゴーリー・ポポフ、
この人は素晴らしかった！
先にも書きましたDVDに出演している道化は
イワーノフが演じております。
この人の道化があまりにも素晴らしすぎて、
マリインスキー版を観るときは
誰が踊っても満足したことはなかったのですが…
昨日のポポフは、心からブラボー！ と
贈りたくなるくらいでして。
そうそう、そうなのよ。
道化はどんなに回っても高く飛んでも
ぶれたりよろめいたりしちゃいけないの。
楽しくその場を盛り上げなきゃいけないの！
観客にはらはらさせるようなターンなら
観たくないの。
やっとすかっとできるダンサーにお目にかかれた気がして
私はうれしかった。
今度は何年後になるかわかりませんが、
もし、また彼らにお目にかかれる機会があったら、
ぜひ同じ劇場に足を運びたいと思います。
やっぱりね、ビデオがこれだけ普及していてもね、
舞台の生の雰囲気は特殊ですからね、
この場にいなければ味わえない「何か」
そして「魔物」は
ビデオには出てこないんですよ。
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