「なつみずたんぼ」シンポジウムに参加するため東京大学へ行ってきました。
今回は「なつみずたんぼ」に取り組んでいる農家の方々の話やシギ・チドリ、水生生物の影響や最新調査結果について知ることができました。
■「なつみずたんぼ」の可能性(メリット)
麦やなたねなどの収穫後(7~9月)に水を張る“なつみずたんぼ”は、
作物の連作障害を防ぎ、除草剤の効かない雑草防除にも効果があり、
さらに、夏場の湿地状態の畑がシギ・チドリの秋の渡りの中継地になります。
(春と秋に日本列島を通過するシギ・チドリ類にとって、春に北上するシギチは田植えの頃の田んぼが中継地となっていますが、秋は湿地の激減で中継地になりうる餌場が無く問題でした。)
以上より、「なつみずたんぼ」は農家の方にも、秋の渡りのシギチ(生物多様性の持続)にも有効で一石二鳥です。!
日本から干潟や内陸の湿地が消えていく中で、
今後この様な「人(有機農業)」にも「自然(生態性)」にも優しく かつ 有効な活動が普及していくことを望まずにはいられません。
■参考
冬の田んぼに水を張る「ふゆみずたんぼ」の効果には、以下のようなものが挙げられます。
・省力型農法として、不耕起栽培を効果的に行ことができる。
・農薬を使わない稲作を効率良く行うことができる。
(トロトロ層は、発芽抑制だけではなく、雑草の活着阻害や、除草作業の効率化といった面でも効果を発揮するようです。)
・環境を配慮した農法として、水田に多くの生き物を涵養できる。
(白鳥やマガンなどの餌場となります。稲株や雑草などの根茎をついばみ、それを糞にして水田に還元。)
■おまけ
東大/農正門
農学部
上野先生とハチ