初作は2007年TVシリーズと言うから結構長寿な作品となるが、その劇場版。編集ものでなく新作となる。主役級の女中2名を演じるのが「響け!ユーフォニアム」主人公・黄前久美子役の黒沢ともよと、「薬屋のひとりごと」主人公・猫猫役の悠木碧、なかなか豪華なタッグだ。ほかにも多数の著名声優が配役に加わり、製作費どんだけ?と心配になってしまう。
モノノ怪とは単なる妖怪ではなく、人の強い情念と交わって湧き起り、人々に災厄をもたらすもの。それに立ち向かえる力を有するのはただ一人、モノノ怪を斬れる特殊な剣を操る謎の薬売りのみ。
強烈にカラフルで和テイストな画面が目まぐるしく展開し、視覚の処理が追い付かなく感じるほど。ちょっとカルト的な人気を博しそうだ。物凄い立ち回りのシーンは確かに見応えがあるが、。ストーリーとしてどこを見せたかったのか、最後まで絞り切れなかった。主人公である女中の成長ぶりか、モノノ怪を読んでしまう大奥と言う閉鎖社会の特殊性か、戦う薬売りの活躍ぶりか。完結ぐあいにちょっと不満が残ったが、モノノ怪とはいずれまたどこかで起こるものだと考えれば納得できる気がする。第二部、第三部と続くようなので、きっと観ることだろう。
2024年8月1日 川崎・チネチッタにて