屋久島を舞台にした樋口彰雄の小説。
いちおう「還らざる聖域」の続編みたいだけど、
前編は屋久島にテロリストが上陸してきて、
島民が生まれ故郷を守るために戦うと言うストーリーだった。
今回は主人公となる数人の登場人物は前編から引き続いているが、
屋久島に巣くう「メン」と呼ばれる妖怪と戦うストーリー。
屋久島山岳ガイド狩野哲也シリーズの第2弾と言うらしい。
屋久島には河童伝説もあって、
神の島だけに屋久杉が生息するジャングルには、
妖怪ではないにしろ、精霊とかいそうな感じはした。
伝説の妖怪の中でも山姫と呼ばれる女性の幽霊にまつわる伝説は有名。
この小説の中では妖怪界の大祭に捧げる生贄を見つけるために、
山姫が人間を魔界に誘い込む。
妖怪がいる所には祈祷師にような者もいて、
妖怪と戦うのであった。
やはり舞台となる屋久島の安房地区をはじめ、
屋久杉のトレッキングコースなども、
実際に行った場所は思い浮かぶのであった。
「還らざる聖域」のほうが身近な感じがして、
恐怖に縮み上がるのだが、
オカルト好きな人にはこちらもいいかもしれない。