カレーなる日々 / शानदार दिन

インドの日常を中心に日々を綴っています。

「美しい国へ」

2014年10月07日 22時04分59秒 | 日記 / DAIRY
美しい国へ (文春新書)
安倍 晋三
文藝春秋


この本は2006年に安倍晋三首相が総理大臣になる前に出版された。
本人が書いたのかは別にして・・・
安倍首相の政治観が良く表されていると思う。

安倍首相は岸信介元首相のお孫さんにあたり、
父親は安倍晋太郎元代議士であり、大叔父に佐藤栄作元首相がいる。
幼少の頃から身近に政治家がいた事もあって、
エリート教育を受けて育ち、
首相になるべくしてなった人である事がハッキリと解る。

私は中立の立場でこの本を読んだのだが、
安倍首相の主張や考え方に共感できる所もあるが、
やはりそうでもないところもあった。

 安倍首相は右寄りだと言われているが、そう感じたのは、
「君が代」に対する解釈の所であった。

軍国主義とは全く逆の歌詞であると安倍首相は言っているが、
私はそうは思わない。
この現代には、そぐわない歌詞であると思う。
それは君が代が永遠に続くと言うくだりである。
天皇は国の象徴であって日本が天皇の国であるかのような歌詞は、
もうかなり前から違っているように思う。
君が代を絶賛するあたりが右翼的だと言われるのだろう。

私は君が代自体は好きであり、
国歌を聞いたり歌ったりすると心が穏やかになる。
ただ・・・歌詞は変えた方がいいのかな・・と。

また、やはり何の不自由のないセレブの階級に生まれ、
エリートである事から庶民的な感覚とはかけ離れているように思う。

 私は新潟県出身であるがゆえに、
新潟県唯一の首相であった田中角栄氏と比べてしまう。
田中元首相は高等小学校卒の庶民派だった。
雪深い新潟県では冬場は出稼ぎに行く人も少なくなかったが、
新潟県から出稼ぎをなくそうと言う、心を打つ政治家だった。

田中元首相は私の従兄が某企業に就職する時、
ごく一般人の従兄の後見人になってくれたりもした。
首相でなくても自分にメリットのない人に対して、
そんな事はしないであろう。

 逆に安倍首相に共感したポイントをいくつか記載しておく。

一番、共感したのはゴミに関する所だ。
ゴミを平然と道端で捨てる人は、その土地に対して愛着のない人だ。
このくだりはインドに住んでいる私は強く共感してやまない。
これをインド人に言ったら、屁理屈をこねやがったが。

 外国に行った場合、
ただ単にその国の言葉が喋れるだけでは、
相手は打ち解けてくれない。自らのアイデンティティを確認し、
質問に対し的確に答えられてこそ会話が弾むのだとも言ってる。
付け足せば相手の国の歴史や思想、宗教や文化等に対して、
予め理解しておく事も必要だろう。

この本を読んで安倍首相の政治観が良く解った。

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コメント
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