カレーなる日々 / शानदार दिन

インドの日常を中心に日々を綴っています。

未来を写した子どもたち

2008年12月14日 21時08分59秒 | 映画 / MOVIE
 ザラ・ブリスキ・・・アメリカの写真家。

2002年頃からインドのコルカタ(カルカッタ)の
売春地帯に住みながら、そこで暮す子供達に写真を教え、
きちんとした教育を受けさせ、
運命付けられた生活から救い出そうとしている。

 この映画は2004年のドキュメンタリー作品。

職業選択の自由がほとんどないインドでは、
僧侶の息子は僧侶になり、野菜売りの子供は野菜売りになる。
何千年も前から繰り返されてきた自然のように。

すなわち・・・ここで生まれた女子であれば、
自分の祖母から母親へと何代も繰り返してきた仕事に就くことになる。

男子であれば女性の世話をしたり、麻薬や酒を売ったり、
いづれにしろ法に背く事を生業としなくてはならない。

               

ザラは、10歳から14歳の8人の子供達にカメラを与え、
それぞれの子供達なりの視点や構図で写真を撮影させる。

カメラを与えられた事で、
違った角度から考え始める子供達の心の動き。

家族や友人を撮る子供、日常を撮る子供、
街に対象を求める子供・・・。

動物園や海にロケハンに行ったりして、
それぞれに自由な写真を撮る。

その活動や作品を全世界に紹介し、
学費を集めるザラと子供たち。

中には本当に才能を持った子供もおり、
アムステルダムの展覧会に招待されるが、
パスポートを取得するまでの長い道のりがあった。
この辺りもインドならでは・・・である。

カメラによって違う世界を知り、みんな夢を見た。
誰かの援助によって人生を変えた者もいた。
元の生活に戻った者もいた。

ザラの努力で入学できるようになっても、
家庭の事情で学校へ行かせてもらえない者もいた。

寄宿制の学校に入っても卒業までは長い道のりだ。
家族の意思に従って、また自分の意思で、
途中で退学する者もいた。

自分の人生を自分で決める事が出来た者は幸せだが、
生まれた家に逆らえないのもインドである。

 シネスイッチ銀座で12月26日まで上映中。
   なお、入場料の一部は寄付される。



   
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