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雑感や書評など

大和和紀「あさきゆめみし (3)」

2005-04-22 08:28:01 | 書評
もう第何次なんだか


「あさきゆめみし (3)」です。
光源氏は相変わらずもてまくって、なにを思ったのか「六条の院」という豪邸を建てて、かつて関係のあった女を呼び集めて、一緒に暮らし始めます。

これは、いつまでも男に愛されていたという女の夢なのでしょうか?
それとも、多くの女を集めてハーレムをつくりたいという男の夢なのでしょうか?

新しく若い女だけを集めるのではなく、新旧の女を一緒くたにしてしまうところに、「スーパーロボット大戦」的な楽しみをしたかったのかなぁ………。


で、「六条の院」には、亡き夕顔の娘である玉鬘も一緒に住むことになりました。
玉鬘の実父は光源氏の政治上のライバルである頭の中将です。ですが、すっかり彼女は忘れ去られており、肥前で乳母の家族に養われて育ちます。美しい女性となった玉鬘には求婚者が多いのですが、京に戻る夢を諦めきれません。それで太夫の監から強引に求婚されたのを機に、あてもなく上京します。そこで、玉鬘を拾ったのが光源氏です。
玉鬘には、まったく後ろ盾がない状態。それに対して、光源氏は非常な権勢を誇っている好色家。で、当然の成り行きで、玉鬘は押し倒されそうになります。
玉鬘 「……そんな……! あなたさまは……わたくしのお父上さまではありませぬか……!」
光源氏「親としての愛にもうひとつの愛が加わるのがいけないことですか?」
大和和紀「あさきゆめみし (3)」386頁 講談社漫画文庫
相変わらず、お見事な返答です。

身寄りのない不幸な女性を囲って、関係を強引に迫るなんて、エロ漫画の世界だな………、しかも相手から嫌われないのだから、さすが大したものです。


あさきゆめみし―源氏物語 (3)

講談社

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