ココロ磨きの寺あそび

むかしむかし、寺はみんなの心の拠所であり生活の工夫を重ねる場であったようです。

「小さな原子炉」 薪ストーブ なぜ?

2012年12月02日 22時57分19秒 | こぼれ話

「クスノキ」の剪定枝は「薪ストーブ」の燃料として利用されル予定だそうです。下記は広間と本堂をつなぐ通路の一角に設置されている「グリル型薪ストーブ」です。暖房と調理に利用できるスグレモノです。しかし、フクシマ第一原発事故以降、関東から東日本では放射能汚染が拡がり、家庭用の薪ストーブの利用については特別な注意が必要になっています。

<放射性物質で汚染された・・・薪を燃やすと放射性物質が濃縮される>

フクシマ第一原発事故で大量の放射性物質が大気中に放出され、それが大田原市近郊にも降下して森林に付着して汚染しました。地域によっては高濃度に汚染されていてホットスポットとなっています。

このように放射性物質で汚染された森林から伐採してきた木材を原料にした「薪」には放射性物質が付着しており、さらに内部に含まれています。

このような薪を燃やすと、燃えカスとなった「灰」の中に放射性物質が残留し、薪をつぎつぎに燃やしていくと、灰に残留する放射性物質がどんどん増えていきます。

その結果、薪ストーブを使い続けると、その「灰」はもはや「灰」というよりも「(高濃度)放射性物質」といったほうがよいほど放射性物質を濃縮してしまいます。濃縮した数値が8000ベクレル/キログラムを超えると特措法による指定廃棄物となり一般ゴミとして処分することができなくなります。それよりもなによりも、濃縮した灰は「高濃度放射性物質」ですから、「灰」の微粉末を吸い込むことによる内部被曝が問題になります。薪ストーブの灰の清掃をするとき、灰が周囲に拡散することがないように細心の注意を払って清掃しないと、薪ストーブが設置してある「室内」に高濃度放射性物質をバラマキ、室内を放射性物質で汚染してしまいます。こうなると外部被曝の空間線量も大きくなり、健康被害の不安が増大します。

このような仕組みから薪ストーブはまた「小さな原子炉」とも呼ばれています。

<販売できる「薪」には基準がある>

「灰」に放射性物質が濃縮される問題があるため、燃料として用いられる「薪」には、放射能汚染の度合いについて林野庁が「基準」を設定しています。「薪」は40ベクレル/キログラムであり、これを超える数値に汚染されている薪は販売できません。

<自家製の薪は大丈夫か>

大田原市では現在、家庭の剪定枝を一般ゴミとして収集していません。これは収集した剪定枝を燃やすと清掃工場の燃焼ボイラの灰が8000ベクレル/キログラムを超えてしまい処分ができなくなってしまうためと伝えられています。家庭の剪定枝は、そのまま各戸で地中に埋設処分するか、そのまま放置するしかありません。このことからもわかるように、大田原市に自生している多くの木々は放射能汚染されていて、燃やすと焼却灰には8000ベクレルを超える放射性物質が濃縮されてしまう可能性が高いのです。したがってこの地域の木材でつくられた「自家製の薪」を使うことについては放射能防護対策についての十分な知識と対策が必要です。

 

 

 

 

 

 

 

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