きょうの俳句

癌と闘う自分への応援詩
--志賀たいじ[花冠同人]の俳句ブログ

きょうの俳句(9/30)ー露草       

2007-09-30 11:19:12 | Weblog
・吹きガラス冷めゆく光り秋灯下
・朝露の濡れ邸門の錆ひかる
・また明日もと思う朝の露草に

 二日前、立ち話した同年配の知人が急逝した。何時もよりずっと饒舌で楽しそうま振舞いに聞き入って彼の別の一面を見た気がした。心筋梗塞だった、急に寒くなった時期に多い。私はこの頃心行く一日にする様に心がけ、毎日を明日に繋げる暮らしをと願っているが、若しかしたら彼も同じ心境になっていたのではと思った。佛縁を戴いて今日通夜にお参りする。

きょうの俳句(9/29)ー水澄む

2007-09-29 09:55:57 | Weblog
・命継ぐ遡上の鮭に水澄める
・秋暁の空潤ませて月のこす 
・秋草を数えて中に褪せしもの

4年を目途に子孫を残すために回帰する鮭は何と神秘で超能力を備えているのだろう。その故郷の上流の清流を選んで産卵し一生を終える鮭の姿に命の尊さ感します。遡上前の沖合で漁獲する大半を私たちは食し、自然の命を戴いては生かされている事に気付かされる。自然の恵みへの感謝の思いを一入強くします。

きょうの俳句(9/28)ー鳳仙花     

2007-09-28 07:22:25 | Weblog
・魚町の日向離れぬ蝿の秋
・強歩子にゴ-ルは近し荻の風
・秋薊線路の果てて草むらに
・軒はじく雫に路地の鳳仙花

 伝統の高校全校生参加の湖一周の強歩があった。完走を果たそうと頑張る子らの背押す様に湖畔の荻の穂風が吹いていた。六十年前の自分を見ている様な思いでした。

きょうの俳句(9/27)ー十六夜の月      

2007-09-27 08:54:07 | Weblog
・十六夜の月膨らんで昇りくる
・ゆく雲に母子の表情秋澄める
・ひと雨が秋を深める山のいろ

 昨夜は十五夜とは打って変って快晴、大きく真ん丸の月の出を堪能した。
これからはひと雨ごとに秋が深まるが、ニュ-スでは大雪や十勝の高山は既に冠雪とか、中腹の見事な紅葉の模様も日ごとに麓に向ってくる頃。今日の予報は日中は18℃位だが朝は8~6℃だと言う。今日も高山は雪の予報、気象士によると気温8℃になると葉が色付くと言う。例年だと北国の紅葉は10月中旬に急速に進むのだが。

きょうの俳句(9/26)ー満月       

2007-09-26 07:39:42 | Weblog
<オンライン9月(月見)句会投句三句>
・月と兎(う)の日昏れを待たず雲の陰
・瞑りては無月の空に望の月
(高橋正子先生特選)
・朝風のすすきに良夜待つごとく
 朝風になびく芒をみていると、今夜は芒の上にきっときれいな月がのぼるだろうと思える。芒としては、良夜を待っているといえる。(高橋正子)

<きょうの俳句~満月>
・大蕗の枯葉の影の縮まれる
・からからと早落葉あり煉瓦路
・雲走る間を満月の午前二時
・待つことに慣れ真夜中の望の月

句会の昨夜は厚い雲に覆われ諦めたが、竜胆、黄と白の小菊と薄、ほうづきを花瓶に、お盆には柿、葡萄に梨、林檎、蜜柑、桃が、手作りの月見団子を積んで皿に供えられてあるので、少しでも月の出る事を期待して内窓の障子を少し開けて寝た。願いが通じたのだろう。何と午前二時過ぎに目覚めた私の目に入って来たのは、雲のまにまに顔を出す煌々と輝く満月でした。

きょうの俳句(9/25)ー鱗雲       

2007-09-25 08:41:29 | Weblog
・うす雲の暈もおぼろに小望月
・彼の岸の光り遍し秋陽落つ
・オホ-ツクの空は茜に鱗雲
・白雲の行方はひろし空澄める

息子の講演を聴いた学部長や学生がこんな産学の本質を問う授業をとの声から、関西の私大から講師の依頼あり、社長の薦めもあって週一回、出来れば三年間との話を受けることになった由。何をやるも一度しかない人生、家族も皆賛成した。多忙の身ゆえに、後は健康管理のみ。

きょうの俳句(9/24)ー木積       

2007-09-24 11:52:22 | Weblog
虫はりついて網戸の空となり
紫苑剪って路地の雲流れ出る
瀬の淀み安らぐときの木積かな

自分でも少々の事は周りのペースに遅れる事は無かったが、老いのせいにはしたくないがこの頃何か付いて行けぬもどかしさを感ずる事がある。今日川の流れの中の淀みに木積があるのを見て自然体の姿にふうっと気持が楽になった。

きょうの俳句(9/23)ー秋薊       

2007-09-23 08:11:42 | Weblog
秋薊なびく風にも棘見せり 
朝露の叢に色葉のかくれたる
咲き誇るでもなく桔梗凛として
兄の忌に妹と語りぬ秋ひと夜

今朝の気温は北海道各地共に10℃以下、快晴の朝なのにひんやりとした冷気が漂う。何か一夜にして野も木の葉も色も変ってきた様な気がします。昨日休みの息子の嫁さんが茸採り名人と一緒に松茸とりに行ったが、今年は雨が少なかったせいか親指ほどのが1本だけの収穫、初物の土瓶蒸しとなった。

きょうの俳句(9/21)ー墓洗う      

2007-09-21 06:41:32 | Weblog
墓洗う父母の年忌を数えつつ
秋夕陽石仏じっと目をつむる
雨だれのリズム崩れぬ夜長かな
兄の法事の為に来網の義妹が泊るというので仲の良い妻は昨夜から浮きうきの様子。一周忌を迎える兄の事を思い浮かべ、中々寝付けず最後は静かに降る雨音だけ聞き入っていた。いつもの通り今朝も4時に目が覚めたが、暗暁に雨だれの昨夜のリズムが崩れず、夢の中でもずっと続いて居た様な気がした。

きょうの俳句(9/18)ー釣瓶落とし       

2007-09-18 08:00:46 | Weblog
実はまなすに釣瓶落としの陽が注ぐ
色うすき野の花露にきらきらす
朝冷えや温み引きよす薄布団
北国はこの処すっかり秋めいている。昨日の予報は最高18℃最低13℃、木の葉の色も急速に変化に向っている様に感じた。一番変化の激しいのがやはり七竈、真っ赤な実を隠してゆくかに葉を赤くしている。今朝は肌寒さを感じてか、寝相の悪い私も無意識に布団に包まって居た。

きょうの俳句(9/17)ー老人の日       

2007-09-17 06:59:46 | Weblog
花茗荷の香りとともに帰りくる
赤とんぼ影確っかりとレンガ塀
老人の日の街はゆるりと人流る
医療事業団の仕事で農家の老人を保健巡回訪問している息子の嫁が花つきの茗荷を戴いて帰宅した。帰るなり消毒薬の匂いでなく、茗荷の香りが玄関に広がった。
昨日は敬老の日を繰り上げて、市主催の祝賀行事があり、芸能舞台や記念品授与など祝日を楽しませてくれ、年寄りが街中に溢れた。私は参加出来なかったが、何時もと様子の違う街の人の流れの景に自分を含めて市民の高齢化を実感した。 

きょうの俳句(9/16)ー沢竜胆       

2007-09-16 06:29:12 | Weblog
湿原の静けさたたえ沢竜胆
雨だれの闇艶やかに夜長し
紙芝居声透りくる路地の秋(推敲)
<薔薇園に>
秋月という秋薔薇もあざやかに
隣市に行って通り縋りに薔薇園に立ち寄った。以外にも夏に見た時より秋の薔薇が華やかと言うよりもとても色鮮やかだと思った。昼夜の気温差が大きいので色が鮮やかになるのだと言う。秋月という薔薇の控えめの品の良い黄に惹かれた。