きょうの俳句

癌と闘う自分への応援詩
--志賀たいじ[花冠同人]の俳句ブログ

4月29日の俳句 

2006-04-29 07:32:23 | Weblog
春光に明けく香煙まっ直ぐに
行く人の息づかい消す春時雨
岩つばめ一直線にいさぎよし

留守中5月5日まで投句と互選を休むことにする。事務局にはメ-ル済み。この前のホテルの様にインタ-ネットカフェでもあればまた別の話だが、こちらの都合の良い様にもなるまいと思う。
息を切らして雨を避けた昨日の時雨は何だったなのだろうかと思うほどの今朝の晴天。旅立ちの前の朝の内仏のお線香の上り方も心地よい。晴れやかな気分で出掛けられそうだ。

4月28日の俳句  

2006-04-28 08:46:58 | Weblog
騒鳥に草焼く炎地を這えり
鳥引きし沼の窪める静けさに
芽吹くものに陽差しの影のまだ淡く

北浜海岸の原生花園の野焼きを暫くぶりに見に行った。花芽の育ちと害虫防除のためだが、7月にはハマナスや様々な野生の花が見られることだろう。いよいよ墓参を兼ねた花の旅も迫った、輪袈裟と数珠そして歳時記も忘れずに先ずカバンへ。

4月26日の俳句 

2006-04-26 09:10:21 | Weblog
独り居の日向は楽し囀りに
そばかすの恥じらい部屋のアネモネに
息とめて覗く膨らみチュ-リップ
槌音と三角四角の春日影

今日は今年最高のの気温、眠気を誘う春日和。この様な日の一人居は退屈と思いきや楽しめることの再発見が多い。

4月25日の俳句 

2006-04-25 06:39:10 | Weblog
風車走る手先に風のいろ
春光を閉ざしてフラッシュ暗算す
風ひかる棟上げて空狭くなり

我が家の裏隣に一冬養生した土台に建築が始まり大安の昨日は棟を上げる槌音が青空に響き心地よかった。Uタ-ンした息子さん家族との二世帯住宅で大きい家だ。出てゆくものあれば帰って来るものがある。人生のドラマが生まれる古里は残して置きたいものだ。

4月24日の俳句 

2006-04-24 07:55:48 | Weblog
雪解けて落葉現る朽ちもせず
華(はな)展に一枝一花の唐桃を
活け終えし気の満ちており木瓜の花

妻の体調云々と言いつつ、花を活けるときの別人の様な若さに驚く。人は何か拠り所を持つことで老いを越える事ができるのだと、つくづく思うこの頃である。

4月23日の俳句 

2006-04-23 07:23:05 | Weblog
梵鐘の震えふっつりと木の芽風
海おぼろ江差追分朗々と
四分咲きの花にそぞろの旅ごころ

妻の父母の里から花便り、妻も膝を痛めているが今年なら行けると言う、里の従姉妹も高齢なれば思い立った時が夫婦同伴での旅に一番よい時かもしれずと思いつつ、花の時期の墓参を計画する。健康でいて又来年もとなれば尚良し、幸せな事である。

4月22日の俳句

2006-04-22 07:25:33 | Weblog
風吹いて芽を尖らせる水芭蕉
草萌えり「子狐ヘレン」のロケ跡に

映画「子ぎつねヘレン」が最近話題になっている。当地の獣医だった竹田津氏が手掛けた目と耳の障害を持つ二重苦の子狐の逸話が映画化されたものだが、そのロケ地になった場所に立寄ってみると雪解が進み草萌えが見えていました。

4月21日の俳句 

2006-04-21 09:05:14 | Weblog
麦青む畝織りなして果つるまで
夜半に哭くいずこより吹く春風ぞ
発作きて当てる吸入春の闇

郊外の野菜直販が始まっていると言うので行ってみる。殆どが昨秋の囲いものだったが、長芋は土の中で越冬させ春堀りのもの、澱粉質が程よく糖化して甘味がありとても美味しい。雪解の後の小麦畑の小高い丘の奥まで畝織りなす緑が美しい。

4月20日の俳句

2006-04-20 07:41:52 | Weblog
山峡に住む人のいて春陽射す(正子先生添削)
 
陽炎のふんわり土の匂いくる
不揃いの芽吹き自由に里の山
遠き日の春は小川のわらべ唄

雪解のすすんだ道を山間の奥まで車を走らせてみて、家に居ては味合えぬ春を拾うことが出来た。スランプ気味で中々句は出来ないが、俳句のお蔭で自然に触れ充実した日々を送れる、有難いことだ。

4月19日の俳句 

2006-04-19 07:29:16 | Weblog
育ていて名違う草の芽でありし
朧夜の開ければ灯る冷蔵庫
ほろ苦き思いも刻み蕗味噌に

我が家と学校のグランドの間に法務省官舎跡地約1ヘクタ-ルの野原がある。立入、通抜け禁止立札があるが、片隅は蕗のとう一面である。そこから妻は摘んできたのだろう。そこには昨年、町内会が請願したのに倒れれば危険との理由に伐られて仕舞ったポプラもあった。栗鼠のよく来るしっかりした憩いの樹だったが、すべて事なかれ主義の犠牲である。

4月18日の俳句 

2006-04-18 08:43:47 | Weblog
鳥鳴く淵に青く零るる春の空(正子先生添削)

席譲り花柄の杖に想う春
モ-ツアルト流る春めく病棟に

一段と春の陽射しを強く感ずる淵は空を映し、囀りも聞え北国にも遅い春が来たことを告げてる。

4月17日の俳句 

2006-04-17 06:35:07 | Weblog
動くものなき山林に木の芽吹く
霞引く向うの海がひかりくる
春灯の消えて獄舎の輝る朝に

所用で明け方刑務所の脇の国道39号線を走る。舎中もそうなのであろうが、周囲の外灯が、春暁の陽の中に気付かぬうちに次々と消えて行った。

4月16日の俳句 

2006-04-16 06:52:58 | Weblog
春の雨土の匂いが下りてくる
春雨にけぶる灯赤き町に住む
<義足の白鳥帰る日に>
帰る日の義足に馴れよ白鳥よ 

この辺りでは残り鳥以外はもう帰って仕舞った様だが、出雲で交通事故で脚を失ったコハクチョウに義足を施して空輸され苫小牧ウトナイ湖の北帰前の群れに放ち話題になっている。

4月15日の俳句

2006-04-15 09:22:44 | Weblog
マンションの風となりけり石鹸玉
海のいろそのまま売らる初鰊
活魚槽のきらめき春の陽を残す

ス-パ-マ-ケットに行く妻に同行すると売場の若者が威勢よく呼び込んで鰊を売っていた。浜にいた頃は買う事を知らなかった鰊を買い求めた。