きょうの俳句

癌と闘う自分への応援詩
--志賀たいじ[花冠同人]の俳句ブログ

きょうの俳句(2/18)~   夜寒し     

2008-02-18 12:35:51 | Weblog
何処までが氷柱滴落つを待つ 
夜寒し折鶴の影濃く尖る
ニュ-スで見る気温は-5~6℃なのだが、何となく指先が冷たく、傷が疼く感じ。 夕べは靴下を履いたまま床に入った。陸近くまで流氷が戻って来たのだろうと思ったら、案の定である。観光バス数珠繋ぎに砕氷船乗り場へ往来していた。

きょうの俳句(2/17)~   春光       

2008-02-17 10:53:28 | Weblog
鱈干せて歪(いびつ)な方がよく鳴りぬ
翔べるものみな春光へ音立てて
芽は銀いろに吾子卒業の日近し 

日中だけ緩む陽、孫たちの卒業の頃はと想像し日々眺める隣家の冬芽に少し変化が見える。当家の3月は忙しくなりそう、息子が多忙の為充てにされた小生が体調不良のダメで予定に狂い、母親に老妻が手伝わねばならぬかも。卒後直ぐ博士課程に進むための転居の孫、二番目の孫娘が卒業翌々日から研修、弘前から札幌へ転居。いずれも成長の一過程と思えば祖母にしては嬉しい手伝いだ、それだけ妻が元気な証拠。

きょうの俳句(2/16) ~  雪       

2008-02-16 12:42:48 | Weblog
湯の宿の灯りのなかに雪の降る
切り離す終着車両雪の駅
遠来の友、ツア-で流氷観光で来られたが見られなかったと言う。本当に自然には勝てない冬の嵐の不運を納得して貰うしかない。夕会食の後の少ない時間を態々訪問を受けた、体調を崩していたが、短い時間を楽しく過した。郊外の湖畔の湯の宿が今夜の宿、妻と共にタクシ-で宿まで送り届けた時の帰路の句。駅では長距離を走ってきた雪塗れの客車を洗車庫に曳き入れて行きました。 

きょうの俳句(2/15)~  木華        

2008-02-15 14:35:30 | Weblog
美しき引力よ燦々と散る木華
陽のゆるむ小鳥の影へ障子開け

美しき引力ひたすら樹氷散る(推敲)
流氷が視界にない。一昨日の一夜の嵐が沖へ沖へ曳きずり去ったのであろうか。北風が悪戯すれば直ぐ戻って来る、何年も同じことを繰返して春が近づいてくるのです。木華は体調を崩す前に出かけた時、樹氷の散る中を通りぬけた時の詠みです。

きょうの俳句(2/14)~  冬灯        

2008-02-14 09:18:59 | Weblog
冬灯消す朝のひかりを思いつつ
長湯して爪しろく伸ぶ冬灯下

お粥さん大好きの私だがお腹に力が入らない、明日の検診で一歩前進するだろうか。 いい専門医に診てもらおうとすれば出張日に患者が日を合わせないとならない。いま辺地は小児科産科不在、公立病院の縮小診療所化、地方中核病院が医師不足にゆれている。でも当地は恵まれている方、隣市の日本赤十字病院は内科医7名が加重診療に耐えられぬとして全員退職、4月から内科診療が停止の前代未聞の事態、いま地方の医療が崩れかけている。

きょうの俳句(2/11)~  雪明かり        

2008-02-11 07:45:01 | Weblog
星の夜は星のいろして雪明かり
急ぐとも急がなくとも氷柱垂る

食あたりのせいと思いつつも、4週で10キロの体重減に少々不安、消化器科も受診、日を置いて上から下からの内視鏡検査、こんなに体力を消耗するものとは思わなかった。おおかたは異常なく、加齢に拠る機能低下と自分では思っている。残る疲労感や気力減退で詠めないのでブログ句会互選の選句だけで止めようと思ったが皆さんの佳句に刺激されて何とか漕ぎ付けた形だ。
大好きな一句だ。 ○輝きを増して二月の水透ける/吉田 晃

きょうの俳句(2/9)~  冬の星        

2008-02-09 13:45:54 | Weblog
わかき日の寮歌に酔えり冬の星
枯切ってすくっと細く芒立つ
ぴしぴしと残りし霊気寒の明け

寒が明けたのに晴天続きの寒さ続き、流氷に覆われた海上には雪雲が発生しずらく流氷を渡る風は体感温度を下げるのだそうな、納得だ。絶好の流氷日和が続いている。高台で流氷を眺めた足元の細い枯芒がとても風情があった。すっかり枯きった細い芒が寄りかからず、すっと立っている姿は美しい。けれど命はみな何処かで繋がって寄り添って生きている様に感じた。 

きょうの俳句(2/6)~  立春        

2008-02-06 07:30:26 | Weblog
水槽に春めく影や潮の噴く
立春の陽の眩さを手で庇う

わが骨(こつ)も清らを信ず雪の葬
かっての部下や知合いの仲人をしたのは九組、失敗の一組を除いては円満組ばかりなのだが、とうとう二組目の死別が出た。在職中に難病を発症、十年の闘病後還暦を待たずしての一昨日に他界、親を早く亡くして我が夫婦を慕って呉れた奴、野辺送りをしたがやはり若い人の葬儀はつらい。

きょうの俳句(2/3)~ 寒晴れ   

2008-02-03 11:18:42 | Weblog
点滴や寒晴れのいろ身をめぐる
ゆるゆると停まりぬ雪の無人駅
歳時記にペ-ジの捲れ冬列車
市内以外は運転を控えてるので、隣市まで小一時間の列車行。ポケットに歳時記が旅の友、よれよれになったので、変えようと思うのだが、使いこんだポケット版は紙の腰もなくペ-ジの隅が捲れているが中々手離されない。初めの頃と体力や気力も低下は歪がめられないが、その心だけは忘れず続けたいと思っている。

きょうの俳句(2/2)~  冬渚       

2008-02-02 07:22:15 | Weblog
雪しきり降りて水面に積らむか
誰か来てうしろに佇てる流氷野
冬渚釦のような貝燦と

妻に今年は一度も近くで見ていないと言われ、冬の渚で接岸した流氷を見に行った。これが海かと思う海氷原である。人の気配に振り返ると観光客が吐息まじりに見惚れていた。忘れられたかの様に浜砂にめり込んで煌めく釦の様な貝が印象的だった。