きょうの俳句

癌と闘う自分への応援詩
--志賀たいじ[花冠同人]の俳句ブログ

きょうの俳句(11/30)ー冬夕焼     

2007-11-30 09:06:52 | Weblog
奥の間も陽差しに満ちて冬ぬくし
冬夕焼切絵のように丘翳る
つまずくを知らぬ冬陽に木偶(でく)の影

躓いて転んで膝を傷めて歩けなくなったのは七年前の今頃だった。今でも旅行カバンには携帯用の杖を潜める私だが、何年かは杖に頼った歩行も完全に回復しました。医師の指導の様に体重は減らないが筋肉トレ-ニングと足と連動する腰の治療といまでも続けているリハビリのお蔭だ。低い冬陽に伸びて揺れながらどんどん先を歩いて行く我が影が躓く事を怖れぬ操り人形の影に見えた。

きょうの俳句(11/26)ー御講凪    

2007-11-26 22:15:23 | Weblog
暁けの星いただき寺へ報恩講
陽の温みあまねく広げ御講凪
月冴えて法問の影満たさるる(推敲)

この時期、定まった行事になっている菩提寺の報恩講のお手伝いの勤めを終えると、もう直ぐ十二月を迎える。そろそろ我が家では年の暮を意識した準備に入る時期でもある。今日は昨日までとは打って変って温かな穏やかな日和だった、御講凪とはこの様な日和なのだろうか。

きょうの俳句(11/24)ー着膨れ     

2007-11-24 08:38:29 | Weblog
風音の月のみ映し冬の川
おおかたは着膨れており旅の人
暗暁に白鳥のこえ渡りゆく
コ-ランと吾子のこえ勤労感謝の日

この頃毎朝のことであるがまだ明けぬ闇の中から白鳥が渡って行く声が聞える。飛びながら声で群れの一羽一羽を確認しあうそうだ。ラムサ-ル条約の登録されている近郊の濤払湖には一週間前の調査では2400羽余が、更なる南下の為の羽根を休めているそうな。大分減ったであろうか、その内に覗いてみようと思う。

きょうの俳句(11/20)ー冬はじめ     

2007-11-20 07:53:31 | Weblog
真冬日と早やばや言われ冬はじめ
遊園地ぬけて冬陽の真あたらし
掌に卵冬陽にまるく愛おしく

気象語に一日中がマイナス気温の日を"真冬日"と言います。早速、北海道西部は大雪なのに、当地は晴天だったが昨日は最高-0.5℃最低-4.7℃の真冬日でした。北国育ちの者にも寒い一日でした、もっと寒い気温がこれから続くのですが、急の寒さに身体が馴れていないのでしょうね。一転今朝は温かく今日は昨日より10℃近く高くなりそう。

きょうの俳句(11/19)ー隙間風    

2007-11-19 08:36:20 | Weblog
追焚きにひと日を終える湯の寒夜
冬夕焼芯まで茜沁みて落つ
闇の隅白み透け行く隙間風

何となく底冷えのする夜だ。予報によると今週は寒波来襲の低温が続くらしい。過疎の街は年寄りが多いから低温になると異常が起こり易い。訪問看護の嫁にも勤務時間外の夜のコ-ルもあるらしく、使命感で出向くことも度々との事。昨夜半もご近所まで来て消えた救急音に大事がなければと思いを巡らし、中々寝付けなかった。うとうとする内に暗闇だった隅の方から白みはじまったと思ったら放射冷却現象なのか寒い。思わずタイマ-を繰り上げて暖房をオンにした。今朝は快晴だが気温は零下の冬日になりそう。

きょうの俳句(11/18)ー冬支度    

2007-11-18 08:55:24 | Weblog
ル-ペ当て画数数う冬灯下
冬支度沖になだれる雲あかね
薄雲を透かして青し冬眉月
朝稜々きのうの翳り残す雪

冬の初めとしては思わぬ程に降った雪なのだが、翌日の晴れ上がった日差しに殆ど溶けて消えて仕舞ったと思っていた。処がその翌朝にまだ前日の日陰にくっきり残っていて一日中解けずいたことに驚いた。一日中低温だったことになる。同じ外気に触れながら僅かの陽の温もりのあたる場所と、日陰にあるもの違いの大きさをふと思った。日常の出来事にも通ずる事、陽の当たらぬ所にもっと目をむけるべきと教訓を貰った。

きょうの俳句(11/17)ー七五三    

2007-11-17 10:32:29 | Weblog
雪の街ゆっくり倒し髯すらる
時雨きて雪となりたる日の角煮
病みし子の今日健やかに七五三

先天性心疾患で生後すぐ手術を経験した孫娘がすっかり元気になって三歳になった。今日宮参りをすると朝からの電話、老妻が仕立てて送った晴着姿のマドンナのビデオがくるのを皆が鶴首。届くまでの待つ事もまた楽しみの一つです。

きょうの俳句(11/16)ー煮凝り    

2007-11-16 07:43:01 | Weblog
煮凝りや方円の水のように生き
落葉風に我れ踏む影もめくらるる
影やせて鴉となじむ冬木立
湖の面(おも)の冬になり切る水の張り

午前中の日差しも何処やら、天気予報が的中、午後は一転して雪空になった。我が家の近くでスリップ事故、尊い人命が失われた。 今回は高齢者の運転事故、気をつけねばと自分に言い聞かせてみた。もう一冬使えると思っていた冬タイヤだが自動車屋の勧めで新調する。