きょうの俳句

癌と闘う自分への応援詩
--志賀たいじ[花冠同人]の俳句ブログ

きょうの俳句 /畑返す      

2007-04-23 11:29:24 | Weblog
かげろひの道べに供花や鎖塚
畑返す一樹境いの土のいろ
水清らに膨らみ白し水芭蕉
体調がいいので投票を済ましたあと久しぶりに隣市まで足を伸ばす。気温10℃、峠に若干の残雪を見るが至る所に春の息吹を感ずる。道々の鎖塚の地蔵が新しい袈裟と花とで飾られている、近所の農家が供えたものだろう。今は立派な道だが、この辺の道は殆ど囚人が拓いたもの、犠牲囚の塚に花が絶えることは無い。

俳誌水煙2007年5月号掲載作品

2007-04-18 12:42:56 | Weblog
俳誌水煙2007年5月号掲載作品

■作品7句① /流氷の行方は-----

障子の陽すこし強めて月替る
開け放ち零下の外へ鬼やらう
三方に海ある暮らし春いまだ
春立ちぬ仔牛の顔の乳まみれ
青空を蹴上ぐ子馬の脚細し
澄む水に春めく動き貝が噴く
流氷の行方は風に乗るままに

■水煙作品----高橋正子選

過ぎゆくと思い幾度ぞ冴え返る
風にきらきら流氷の海うごく
雪解けて今年の土が現れる
手水舎の水底に残る初御空
日輪のおぼろにありて雪の句碑

きょうの俳句 /春     

2007-04-17 07:42:45 | Weblog
ウインドウの内外隔つ春のいろ
春海へ種蒔く様に幼貝撒き
いたわしやあえかな芽々に春霙

[4月句会投句]
下萌えを踏めば靴底弾みくる
不揃いの浅蜊揃わぬ砂を吐く
行くほどに靄たつ広野下萌える

春暁の3時半漁船のエンジン音が空に響き帆立船の幼貝撒きが始った。2~3cmまで育てた幼貝をあたかも畑に種蒔く様に決めた海区に撒き四年後にこの海区から水揚げするのです。色々の養殖方式がありますがこれは"地撒き養殖"といわれる。流氷が運んでくるプランクトン次第で成長や味が違うと言うのだから自然の仕組みは感動ものです。