きょうの俳句

癌と闘う自分への応援詩
--志賀たいじ[花冠同人]の俳句ブログ

きょうの俳句【6/30(月)】   

2008-06-30 14:02:01 | Weblog
季を忘れ花小手毬の弾む夏
観音のまなざし柔わし苔の花
<小清水原生花園>
赤と黄と砂丘のみどりの花園に

近郊のかって娘さんの仲人を勤めた縁で、知りあった父親の告別式に妻と出席、焼香してきた。田舎のお寺だが境内が広く、禅寺らしく手入れが行き届いていて、寺庭の慈母観音像が印象的だった。往復は車の流れが多いので停車せずに小清水原生花園の国道を車中から見ただけだったが観光バスとマイカ-で混雑していた。今エゾスカシユリやエゾキスゲとハマナスが盛りの様に見えた。

きょうの俳句【6/28(土)】           

2008-06-28 15:27:33 | Weblog
桜桃の銘菓のごとく届けらる 
山開く麓に牧の牛の群れ
仔馬跳ね夏の旅人(たびと)を喜ばす

隣町の斜里岳の山開きがきょう行われるそうだ。この山は知床連峰の一番手前の山、今年は例年になく残雪が早く消えたそうな。われわれは麓の牧場の牛を見に連れて行って貰ったが青草を腹いっぱい食べて乳房を揺らしながら群れている景色も壮観。あの山の稜線を登山愛好家の一団が今登っていると思って眺めると不思議な気分でもある。乗馬牧場では観光客が楽しんでいるのが見られた。

きょうの俳句【6/27(金)】           

2008-06-27 11:02:38 | Weblog
佛飯をほどこす雀に夏の朝
郭公のかっこうと啼く昔道
夏あざみ主のなき門を塞ぎけり

わが家に隣接するバンガロ風の営林署の官舎、2階は現在空家の様だ。数年前アカゲラが隅柱の軒下の丸太にあけた穴に、何時の間にか雀が巣くう様になった。毎朝上げかえる佛飯のお流れを雀に施すのが隣家と共に日課になっている。この頃は足元まで寄って来て逃げもしない程懐いて可愛い。心が癒される朝のひと時だ。

きょうの俳句【6/25(水)】           

2008-06-25 15:42:02 | Weblog
散るが潔(よ)し錆いろ哀しリラの花
紫陽花の雨生む毬の初々し
夏帽の似合うといわれ慣れを解く

何となく成人になってからは帽子を被らぬ習慣が身についていた。父も祖父も禿頭だったのでいずれ遺伝するものと思って居たが、白髪が増えたが残る頭髪にもっと先の事と思っていた。処がである、治療薬の副作用であろうか、この3ケ月ほどで禿頭が進んでいる。妻が日射病になるからと帽子を購入して来た、不思議に素直に被ろうと思うわが変化に自身驚いている。

きょうの俳句【6/24(火)】           

2008-06-24 10:22:43 | Weblog
潮風を背(そびら)に登る芹の花
梅雨曇り古紙交換の声こもる
梅雨空をぽんと開いて傘をさす

雨あとの草花の一気の伸びに驚くこの頃だが、北海道でもオホ-ツク沿岸は特にこの処、小雨と低温続いている、北国の梅雨と言ううべきなのだろう。土が冷えているので朝方の4月末並の低温には暖房に頼ることが多い日々である。何か空気が湿っぽく重い感じで、何となく体調も冴えない。やはり夏の日差しがいい。

きょうの俳句【6/23(月)】           

2008-06-23 08:56:23 | Weblog
夏雲や迷いこころのなきごとし
舫い舟揺れて水底の影涼し
鉄風鈴明るく鳴りぬいま里は

父母の里みちのくの旅の土産に求めた南部鉄の風鈴が今日も軽ろやかな音を爽やかに鳴らしている。岩手、宮城内陸地震で県内の方々は今日も落ち着かぬ大変な日を送っている事だろう。一日も早い静かな日を取り戻す事を願わずにいられない。

きょうの俳句【6/20(金)】           

2008-06-20 08:43:16 | Weblog
朝焼けの稜線裂いて日輪のぼる
水影におのれの動く日陰かな 
ぼたん園に白ばら燃えて憚らず

今日は湿度が高い、今夜から雨になる予報の前触れだろうか、じわり汗ばんでくる。こんなことにも夏を感じる最近である。一昨日の鳥越俊太郎のガン患者としての検診呼びかけのNHKのト-ク番組、罹ってはじめて自分の残された時間を実感したと言うコメントには強く共感を覚えた。この事は家族にとっても同じだと思う、私もいち日を大事にしたいと思い過す日々である。

きょうの俳句【6/19(木)】           

2008-06-19 18:15:11 | Weblog
うつらうつら豆灯を消す明早し
アカシアの花の高さを風白く
我が頭上夕焼けの鳶輪を描く

昨日は29℃という最近にない気温の急上昇に体が付いて行けぬ。昨夜は昨日の抗癌剤の副作用か、気温のせいか一晩中寝付けずに過した。脇の妻も寝付けなかったとの事なので気候のせいなのだろう。昼ひと日も何となく体調の勝れなったが夕焼けの美しさで一日がいい思いの日に終わりそうだ。

きょうの俳句【6/18(水)】           

2008-06-18 06:56:01 | Weblog
リラの花空膨らんで馥郁と
ぼうたんの紅沈む夜は散り乱る
きたぐにの地に摘み余す苺狩り
<通り魔事件、地震の犠牲者の不運を思う>
生と死の薄き表裏や昆布干す

町内に"オピッタの家"という福祉集会所があり、毎週火曜日にボランチアが開く集まりにお年寄りが集まり昼食会を催している様である。 オピッタの家の周りに10本近くのライラックの普段は余り大きく感じない樹が、今花盛りで鈴なりの花が空を覆っている。今年は気温のせいか花も多く、遅くまで咲いて楽しませてくれている。そろそろ色褪せる時期かと思うが、その姿を見るのが寂しい。