きょうの俳句

癌と闘う自分への応援詩
--志賀たいじ[花冠同人]の俳句ブログ

きょうの俳句 /稲穂

2006-09-30 07:19:02 | Weblog
声の輪を覗けば子らの虫相撲
茜さすいま千金の稲穂かな
椎の実の一群れを打つ雨しきり
薄寒や浜茄子の実に色温し
隣町は畑作の多いこの地方での米作の北限だという。今年は暖かったので平年以上の作とか、刈り取り間近い稲穂を見たときが北国にいて「瑞穂の国」を実感する時でもあります。

きょうの俳句 /蝦夷鶲(えぞびたき)

2006-09-28 10:33:14 | Weblog
みちびくかに先々をゆく蝦夷鶲(えぞびたき)
骨拾う窓辺にやさし弁慶草
白菊の供華として持つ掌に匂う
閨に影おおきくゆれて野分くる
葬終えてこむらがえりぬ肌寒し

今回ほど句の存在と言うものを感じた事はない。多くの皆様からお慰さめを戴き嬉しかった事は勿論だが、葬儀を終えても暫くは詠む心境にはならぬと思っていたのだが逆に句に救われた思いである。 拙くても思うままに己が心のうちを晒すことで、心のものが不思議に自然と安らいでゆく。これは詠まぬ人には理解して貰えぬ事かも知れぬが、心救われてゆくのが如実に感ずるのです。投句はしない積りだったが一部を前回に続き今日の句とした。

きょうの俳句 /吾亦紅   

2006-09-24 07:47:07 | Weblog
山あいに静かな暮らし吾亦紅
秋耕の境の一樹空に浮く
空澄めり線香の煙横に置く
病みし身を解かれ兄逝く秋彼岸

朝方は肌寒いほど気温が下がり、緑がくすみ掛けて来た様な気がする。昨日、北海道の一番高い大雪山が初雪だった。平地は晴天続きでよい秋彼岸だ。
ところで線香を立てると言うが、我が浄土真宗では線香は点して横に寝せるが、子らに墓で聞かれて窮した、その意を知る機会はない。今朝兄の訃報、痛みから解かれ楽になり良かったとの思いの方が強い。落ち着くまで投句や書込みは休みになりそう。

きょうの俳句 /敬老日 

2006-09-15 06:44:29 | Weblog
あるままをあるままに生き敬老日 
林檎採り雨止んですぐ日の射して
つれづれに月無き砂の鳴く浜を
市より敬老の日の祝賀会を15日に行うとの招待を受けたが、欠席の返事に対し、今朝開庁早々に記念品が二人に届けられた。夫婦合わせて153才、気持はまだまだ若い積りだ。

きょうの俳句 /秋蝶    

2006-09-13 14:09:56 | Weblog
秋蝶の萎れし花にいとおしき 
父母の墓向かっても鳴くきりぎりす
節くれし手で撫づごとく墓洗う
少し早いが若者の手のあるうちに手伝って貰い墓の掃除をする。お彼岸には簡単な掃除だけで楽が出来そう。孫は後期の授業が始まるので今朝の飛行機で発った。