きょうの俳句

癌と闘う自分への応援詩
--志賀たいじ[花冠同人]の俳句ブログ

きょうの俳句 /彼岸過ぐ   

2007-03-27 08:20:48 | Weblog
猫柳ゆれて光りをたぐり寄す
彼岸過ぐ巻けば動きぬ遺の時計
一滴が雪解の流れ押してゆく
彼岸に仏壇から出てきた義父の遺品の薄型の手巻ロレックス、今どき手巻と思いましたが27年も前のものだがデザインもシンプルで腕にも馴染んで少し使って気に入った。一度分解掃除に出そうと思うが、義父の言っていた軽くて使い良さが解る齢になったと言う事なのだろう。

きょうの俳句 /猫柳    

2007-03-25 07:15:22 | Weblog
猫柳此岸の風に躍りでし
寝に浅く早や春暁の白みけり
灯に濡れし歩道に影のおぼろなる 
一歩裏道には残雪の嵩だが、昨宵の帰路の街の灯の潤む景は最早や春の佇まいだ。予報は日曜の午前中の雨だったが昨夕から朝方までの霧雨だった。今日は晴れて五月並の気温になるらしい。木の芽の膨らみの進みが楽しみです。

きょうの俳句 /春北風(ならい)      

2007-03-19 09:02:11 | Weblog
鉛筆の転がりゆるり遅き春 
整えし髪の解れや春北風(ならい) 
凍ゆるむ滝の飛沫の巻き上がる
気温は零度前後、冬の装いの私たちには寒さは感じないが日替わりの空模様が少し鬱陶しい。雪も警報ほど降らずに陽が揚がれば直ぐ溶ける生殺しの天候だ。山でスノ-モ-ビル遊びのグル-プが雪崩の遭難ニュ-スがあった。高山の雪も緩み始めた証しである。

きょうの俳句 /雪解風      

2007-03-18 08:26:47 | Weblog
海鳥のこえ澄む日なり風光る
海明けを海鳥だけが知っている
岩あれば岩を乾かし雪解風
春光に合格番号字の太し
隣接の公立高校の合格発表があった。隣町の知合いから、子は見に行ったが親は怖くて見に行けぬので一寸確かめて欲しいとの電話、他人の子の"桜咲く"を知らせたのは始めての事だ。折角の昨日の春日和も、又強風と湿雪の朝に戻って仕舞った。

きょうの俳句 /春泥       

2007-03-16 08:08:05 | Weblog
春泥を踏み長靴の土匂う
船下ろす準備完了沖霞む
行く子あれば来る子あり進学期
いつも挨拶する近所の子が進学で上京した。当地の農大キャンパスに進学の子に付き添っての親子であろう、ホ-ムセンタ-で家事用品を買い揃えているのを見かける、親に代り孫に付添った去年までが思い出された。

きょうの俳句 /春雪       

2007-03-15 13:29:40 | Weblog
日が暮れて春雪潤む灯の温し
空っぽの道にふんわり春の雪
春雪止みて雲走る海の上
薄氷を踏み夜の明け来る音に
やっと雪が消え始めた処に、少ない今年の降雪量の帳尻合わせの様に降った雪は冬のそれとは違い薄日にも忽ち雪解けが始まっています。大地はもう春を感じているのでしょう。