オレンジ色の紫陽花

携帯から軽快に綴るおいらの日々。
…だったのだが、ツイッターのまとめブログに変更。極稀にこっち単独の記事もある、かも。

「オーデュボンの祈り」

2008年05月02日 11時37分36秒 | ほぼ、文庫本 2008
オーデュボンの祈り/伊坂幸太郎/新潮文庫

ほえー、長かった。
というのが、まず最初。
こっちの気分のノリ具合も大いにあるのだが、この本は読みにくかったなあ。
何回も頓挫するかと思ったよ…よく読んだ、オレ!!

不思議な感じは嫌いじゃない。ていうかむしろ、好み。
不思議っても、まるごとありえなーい!みたいな不思議感じゃなくて、常識の範囲内にほぼ収まるんだけど、なんか、どっか、ちょっと非日常的、みたいなものだからさらに。

が。

だんだん、その不思議感が少しずつイライラしてくる。
もどかしい。
なんで?いや、だからこれが何?どうなんの?どこに繋がんの?
その関連性とか、見えそうで見えない謎、いや、謎とはっきりわかるならまだしも、微妙ー、な違和感がずーっとどこかに、ある。
これがなんとも、厄介。

ほんとにね、半分を越えて、ようやく違和感に慣れてきたのか、違和感を抱えたままでも、話を追えるようになってきて、どうにかこうにか読み進んだよ。
そしたら、少しずつ、なんか、微妙ー、な違和感が、同じくらい微妙ー、な度合で解けていく感じがあって。

残り2割、くらいになって一気に目の前が開けた感じ。
まだなんにも種明かしされてないし、謎らしいなぞもあるんだかないんだか、という状態だけれども、それでもとにかく、前には光があるぞ!みたいな。
そこからはががっ、と一気読み。
そんで、ラストまで行って、はー、そうかー。と終わった感をしみじみ感じる。

多分、次に読むときは、もうちょっと前半の違和感も読みこなせると思う。
いや、思いたい。
ミステリーとかサスペンスとかって、謎解きが終わって、つまりは種明かしがしてあったら、面白さが減るものかもしれないけど、伊坂幸太郎に関してはそれはないと思う。
てか、むしろ、一回目よりも二回目、三回目の方が面白いと思う。
少なくとも、おいらは。

伊坂幸太郎は、やっぱり短編が絡み合ってる話、たとえば「陽気なギャング~」とか「死神の精度」とか「チルドレン」とか、がおいらには合ってるなあ。
ああいうのはごいごい読めるもん。
一冊を通して長編、というのは、なかなかに、しんどい。本書も然り、「グラスホッパー」然り、「アヒルと鴨のコインロッカー」然り。

でも、新潮文庫の伊坂本、「ラッシュライフ」と「重力ピエロ」に手を出そうと思ってる。これも長編かなあ。またうんうん唸りながらそれでも読むのかなあ。

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