もずの独り言・goo版

半蔵ともず、gooでも独り言です。『もずの独り言』はこれからも戦い続けます。

【みんな生きている】文京区民センター編(1)-1

2010-07-09 22:04:21 | 日記
モンゴル訪問報告
-東京連続集会報告1-

以下は7月1日に文京区民センターで開催された「東京連続集会54」の報告です。


家族会の飯塚繁雄代表、増元照明事務局長が、6月21日から24日まで、モンゴルを訪問しました。その報告と6月10日の大行進と総理面会を踏まえ、拉致問題に関する最新情勢の報告を行いました。
また、家族会・救う会等北朝鮮関係のNGOが集まって「対北風船ビラ日本実行委員会」を6月15日に結成しました。6月23日と25日に、韓国の保守団体が主催する対北朝鮮ビラ送付運動に参加しました。その結果報告をしました。
最初に、モンゴルのテレビ局が撮影したビデオを見ながら、増元事務局長からモンゴル訪問の報告がなされた。



◆国会議員となった旭鷲山関等と面会

増元照明
みなさん今晩は。
6月26日に埼玉の集会に行った時に、「なぜ家族会がモンゴルに行くのか分からない」と言う方がおられましたので、まず経緯をお話します。
昨年か一昨年だったと思いますが、日本政府が各国メディアを招聘し、拉致被害者家族会に取材しました。その中にモンゴルの記者がいて、帰国後、北朝鮮による拉致問題を新聞に掲載したら少なからぬ反応があったそうです。
これを受けて、大阪の名誉モンゴル領事、この方は日本人女性ですが、横田さんに「モンゴルに行って拉致問題を訴えてはどうですか。モンゴルは北朝鮮に近しい国であるので、拉致問題を提起するのもいいのでは」と勧められたそうです。
横田さんは長時間の移動には耐えられないということもあり、事務局に話が来て、飯塚代表と相談し、「とにかく行ってみよう」ということになりました。
モンゴルではこのビデオを撮っていただいたモンゴルNTVという4年前にできたばかりのテレビ局で、若い社長が付きっ切りでアテンドしてくれました。日本に留学経験があって、日本語はペラペラで、日本人に近い話し方でした。
空港には常駐のフジテレビの方がいてインタビューを受けました。もう10年近く勤務しているそうです。韓国経由で、韓国で3時間の待ち時間を入れて計8時間かかりました。夜10時過ぎに着きました。飯塚さんも大分お疲れのようでした。
これがモンゴルの国会です。モンゴルは全国で270万人の人口で、首都のウランバートルに100万人強が住んでいるそうです。
70人いる国会議員の中で一番最初に会ったのは、日本でもお馴染みの旭鷲山関でした。我々がモンゴルに行くという話を聞いて、旭鷲山関の方から「是非会いたい」ということでした。バルダン・オチルという同僚議員と一緒にお会いしました。お二人とも北朝鮮には何回も行っているということです。
旭鷲山関は、「自分も北朝鮮には何回も行っている。日本にいた当時は、北朝鮮が拉致をやっているとは全く思っていなかった。だから2002年の9.17の時は非常にびっくりした」と言っておられました。お二人に会った中で、今後モンゴルの国会議員の中で拉致問題を提起していくということでした。
国会での面会は冒頭だけでなくすべてメディア公開で、なぜか共同通信の支局長やフジの常駐記者がすぐ側におられました。だから秘密の話も全くなかったのです。同僚議員が席を立たれた後は、日本語で長く話をさせていただきました。通訳はモンゴルのNTVの社長です。
次に会ったのが、モンゴル・日本友好議連のダン・ホヤック会長で、ダン・ホヤックさんは与党ですが、野党のバヤル・サイハンさんも同席されました。
話は建前の話ばかりで、「分かりました。日本とモンゴルは非常に友好的な国である。北朝鮮とも親しい。北朝鮮が心を許せる世界中で唯一の国ではないか」と言っておられました。こういう国の方が北朝鮮に行って、拉致問題の話をすればショックを受けるのではないか、近しい国の方からこういう問題が提起されるということですから。
昨年、ジュネーブに行った時、人権問題を告発する会議があったのですが、北朝鮮を擁護したのが、ベネズエラとミャンマー等国際社会からつまはじきにされている所がほとんど北朝鮮を擁護します。ですから、そういう国からも、「拉致の問題だけはなんとかしろ」という状況になれば、また何かあるのではないかと思います。

◆モンゴルは北朝鮮に近い国

NTVの社長は40代前半くらいと思いましたが、モンゴルはピラミッド社会で、非常に若い人が街にあふれています。モンゴルの名誉領事も、「35歳以下の人が多くを占めていてこの国は非常に若い国です」とおっしゃっていました。
ただインフラがまだ整っていないので、道はデコボコです。空港からウランバートルまででも、30~40分、デコボコの道を走りました。
次にお会いしたのが、モンゴル外務貿易省アジア局長のバーサンジャブ・ガンボルトさんで、ハンサムな方でした。これもメディアはすべて公開でした。秘密の話も何もなしでした。同席の部下の方は、大阪大学に留学されたそうです。アジア局長は英語を話すということでした。この画面は、外務貿易省の1階ロビーの片隅にある場所です。形式的な話が主でしたが、ある程度の誠意を感じました。
今後この方がどう動くかは、日本政府がどう働きかけるかにかかっていると感じます。日本政府は、モンゴルという地政学的に北朝鮮に近く、北朝鮮に近い国をどう使って、情報を取ったり、交渉をすすめるようなことがもっとあってもいいかなと思いました。
この方は城所モンゴル大使です。夕食に招いていただきました。気さくで面白い方でした。
ここは日本センターで、JICA(国際協力事業団)なども入っている所で、研修室のような場所です。120~130人くらい入れる所で3分の2くらいですから100人弱はいたと思います。
このDVDは日本政府が制作した拉致のDVDです。モンゴルNTVの社長がモンゴル語のナレーションを付けてみなさんに見ていただきました。
また、講演会を行いました。
この他にグランダ元法務副大臣とホテルでばったり会い、モンゴルNTVの社長が話をされ、翌日の日本センターでの講演会に来てくださいました。日本語が非常に堪能な方でした。
また、帰る日に、ガンテブサレン・ビャンバスレン元大蔵大臣に会いました。今、雑誌か何かにコラムを書いていて、モンゴル国内でコラムを読む人が多く影響力があるということでした。また民間シンクタンクの理事長もしておられます。この方も北朝鮮には何度も入っているとおっしゃっていました。「そんなことがあるのかなあ」という聞きぶりでした。日本が拉致問題解決のためにどれほどのことをするのかという姿勢を見せることでモンゴルも変わっていくのではないかと思いました。

◆「日本政府の頑張りが見えない」

飯塚繁雄
皆様こんにちは。
増元事務局長から概要説明がありました。こういった訪問は前から「どうか」という話がありました。大阪の名誉モンゴル領事の佐藤のり子さんの橋渡しで、モンゴルNTVの通称ウランさんがすべて手配をしてくださいました。通訳を含めて自社テレビ取材、放映、配信はもちろん、各新聞社へのつなぎ、JICAとの連携、政府・議会との面会、集会の段取りなどすべてお世話になりました。
我々がモンゴルに行くについては当然目的があります。一つはモンゴルの国民に日本人拉致問題を理解していただき、何かの形で協力をしていただくことをうながすことです。
もう一つは、モンゴル政府に日本との連携をもっと取っていただいて、北朝鮮からの情報や、日本政府と連携して具体的な取り組みがあればそれを是非実行していただくようお願いすることでした。
まず国会議員に働きかけようということでした。旭鷲山関はモンゴルの相撲取りの中で比較的良識のある人で、朝青龍とは全く違います。当初から我々に会いたいという話もありました。当時、北朝鮮の拉致というのは信じられなかったということでした。小泉総理が訪朝して、金正日(キム・ジョンイル)が拉致を認めたというニュースで初めて理解できたということでした。
話している中で、「日本は北朝鮮に対してもっと強く出るべきだ。解決が長引いているようだが時間をかけるのはよくない」とはっきり言っていました。さらに言えば、日本はしょっちゅう政権が変わるということも含めて、「日本政府の頑張りが見えない」ということもはっきり言っていました。
北朝鮮に行っても、向こうとの接触は幹部の方ばかりでしょうが、「日本人拉致あるいは世界中からの拉致を非常に隠したがっている」ということのようです。
また、「北朝鮮と交渉する段階になっても、支援をあげるから返してくださいというのは絶対ダメ」と。ああいう国には「もっと強くあたるべき」と言っていました。
さらに、「拉致問題、あるいは世界の拉致問題のためには、北朝鮮の大使に会えるよう問いかけている。しかし難しい面もある」、「今後日本・モンゴル政府の間で強い連携が必要。モンゴルでもできることがあればやる」とはっきり言っていました。
モンゴルは北朝鮮との関係はいいといっても、貿易などは少ないようです。雰囲気的に仲良しということでしょう。20年前にモンゴルが共産圏から自由主義国家に移った頃からそういう関係があるようです。
もう一人の議員も、「このような拉致があるのは残念だ。モンゴル日本議員連盟を使って、またこの問題で苦しんでいる各国が協力し、さらに家族会とも連携し力を合わせていく、モンゴルの国会でも話題にしていくつもり」と言っていました。
当然ながら初めて会う人ばかりなので、北朝鮮の非道さを我々の訴えで理解されたようです。また議連会長は、意味は分かりませんが、「日本とは昔から戦略的友好関係にある。北朝鮮ともよい関係がある。人権問題でも協力体制がある」ということでしたが、具体的には分かりません。
2006年にモンゴルで開かれた日朝作業部会、その内容は詳しく知られていませんが、「拉致はあってはならないこと、NGOも使って一般に広げていきたい」とのことでした。超党派の議連で36名の議員がいて、「そういうことも含めて関連部署と協力していく」と言っていました。
また我々の訪問について、「拉致の事実は国民にも広まるだろう」と言っていました。
もう一人の議員は、「互いに意見交換して、当り前の姿にするためにあらゆる方法を探そう」と言っていました。

◆色々なルートが今回見つかったような気がする

外務貿易省のアジア局長は、当然のことながら、「日本人拉致のことは承知している」と。「今後関係部署とも連携し、日本側とも相談していく」と、当然と言えば当然の発言がありました。
しかし、我々が拉致の実態を話しますと相当ショックだったようです。目を赤くして聞いていました。
その他、北朝鮮との関係でかなりいろいろな人がいます。先ほどの元大蔵大臣は交流があり、モンゴルの政府や市民に影響力がある方のようです。こういう方も含めて、いろいろなルートが今回見つかったような気がします。
しかし、誰かが言っていましたが、「大使館ルートではダメだ。単なる話し合いで終わる。政府が互いに重要課題と理解してやらないと」と。
通称日本センターというのは、JICA(日本モンゴル人材開発センター)という名前で、所長が森川さんという人です。講演会の段取りをしていただき、冒頭城所大使が挨拶して下さいました。「日本が抱えているこの問題は、ある意味で世界共通の問題だ」、「拉致問題解決にはもっと日本とモンゴルの協力体制が必要だ」と言われました。

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【みんな生きている】文京区民センター編(1)-2

2010-07-09 22:03:55 | 日記
◆会場には若い人が多かった

会場は若い人が多く、ウランバートル市民や学生、日本留学経験者などでした。
我々は北朝鮮による拉致の実態をお話し、認識を深め、また広めていただくようお願いしました。また、解決への協力要請をしました。
「そんな問題があるのか」というのが最初のみなさんの気持ちでしたが、話を聞いて、これが事実だということを納得して帰られましたが、何らかの形で広まっていくのではと思いました。
NTVが我々や相手側の発言を含めて取材していますし、他のテレビもいました。新聞各社が大きな記事で報道していました。
三大新聞が記事を書き、その日にまたテレビも放映しましたので、日本人がこんなに苦しんでいることをわかっていただいたのかなと考えます。私たちは日本の拉致問題の実態と家族の思いをアピールできました。今後の連携の絆が出来たと思います。
今後のことですが、モンゴルと北朝鮮との関係は良好であること、日本とモンゴルが友好的な関係にあることから、日本とモンゴルの政府が連携を深めていただき、あらゆる情報の収集と解決策を至急検討するよう要望していきたいと思います。
中山恭子参議院議員が親しい方で、フレルバータル前駐北朝鮮モンゴル大使とジクジット駐日モンゴル大使を紹介されていますが、まだ面会はしていません。
しかし、モンゴルには日本よりはいろいろなルートがあり、情報もあるということで、日本・モンゴル、モンゴル・北朝鮮の三角関係をどうやったら拉致問題の解決に向けて進めていけるかがこれからの宿題です。日本政府がモンゴル政府に、「モンゴルが北朝鮮に対して日本人拉致被害者を返せと言ってほしい」と言えるかどうかの心配があります。北朝鮮とは仲がいいわけですから。しかし、それを上回る日本とモンゴルの関係がありますので、今後につなげたいと考えています。

◆参議院選挙と拉致問題

拉致問題は当然急いで進めなければならない問題ですが、参議院選挙が迫っています。今、政党・政府は選挙一色です。候補者を選ぶときに拉致問題にはっきりと言及してくれる候補者に投票していきたいと思っていますが、早く政府を安定させて腰を落ち着けてしっかりこの問題に取り組んでいただきたいというのが私たちの念願です。
鳩山前総理からの流れを見ますと、この問題以外のことで大騒ぎをして、拉致問題は全く止まっていましたので、早く安定した形で対応していただきたいし、少なくとも半年や一年で交代しないでほしい。
政府は責任を持ってこの問題を解決していくと言っていますので、その政権であるうちにこの問題を前に出してみなさんとともに北朝鮮と戦っていくべきだと考えています。
新聞にはこうして大きく出ています(と、記事を見せる)。
ありがとうございました。



(2)に続く

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【みんな生きている】文京区民センター編(2)

2010-07-09 22:03:34 | 日記
◆北朝鮮に行く日本のメディアは「日本人を返せ」と言ってほしい

増元照明
モンゴルは貧しい国ですが地下資源がたくさんみつかっているそうです。
NTVの社長によると、「政府がこの地下資源をどうやってうまく活用できるかによって、この国が発展するかどうかが決まっていくだろう」と。「ただ、ロシアと中国の影響力を未だに排除できない国であるが、政府として第三国を引き入れたい」。今、日本政府や企業も鉱物資源に触手を伸ばし始めているようですが、まだ産業として成り立つところまでは行っていないという状況のようです。
街中の車はほとんど日本車でした。それも右ハンドルの日本車が多い。聞くと、中古車を輸入しているそうです。日本への思いが強い国でした。
旭鷲山関も、同僚議員が席をはずした後に、「拉致問題の解決で日本は弱過ぎる」とはっきり言っていました。モンゴル人は北朝鮮の考え方をよく分かっているので、支援では動かない」ということです。「北朝鮮に詳しいモンゴルの国を使って解決を模索することもいいのではないか」とのことでした。
日本政府がどのようなアプローチをしているのか全く聞いていません。中山恭子参議院議員が首相補佐官・担当大臣の時、駐北朝鮮大使と駐日大使と親しかったということですので、どういう動きができるかまだ分かりませんが、日本政府にモンゴルを活用することも考えていただきたい。中井大臣が受けてくれるかどうか。とにかく民主党は前政権がやったことはすべて否定ですから。いいところは取ればいいのに困ったことです。
菅総理に会った時、井上義行さん(安倍晋三総理主席秘書官)が『新潮45』に書かれた手記を渡そうとしたら、中井大臣に断られてしまいました。国家公務員法違反、つまり守秘義務があるということでしょうが、出してしまったものは見ればいいじゃないですか。前の政権がどのような交渉をしていたかを菅総理に知っていただきたかったのですが。「政府の人間はみんな知っている」とおっしゃっていましたが、菅総理は帰り際に、「後で見ておく」とのことでした。ひょっとして前政権から引き継いでいないのではないかと私は思います。井上さんには、拉致問題アワー(チャンネル桜「拉致問題アワー #212」)で語っていただきました。
実はモンゴルには北朝鮮レストランがあります。誘われたのですが、「何をされるか分からないよ」とアドバイスされ、行くのはやめました。その時聞いたのですが、元駐モンゴル日本大使館の人が、北朝鮮レストランで酔っ払って、「お前ら日本人返せ」と言ったそうです。日本の外交官が世界中のこういう所で、叫んでいだければと思いました。
今月末に北朝鮮に行く(日本の)メディアがあるそうですが、「日本人を返せ」と言っていただきたいですね。みんながそう言ってほしい。デビさんも。日本人がそういう気持ちでいるということを担当者全員に分からせる必要があるんです。
日本人が怒っていることを示していただきたい。

◆国会で毎週拉致で討論を

横田早紀江
みなさんこんばんは。
何年か前に、モンゴルのテレビと新聞が、めぐみを主にしたインタビューをしてくださったことがあります。佐藤のり子さんのご紹介でした。思いがけないほど大きな記事にしてくださいました。
今回も訪問のお話がありましたが、私たちは急に体力的に調子がよくなくなり、一日一日を、色々な問題を抱えながら生きているという状況です。私は肩の痛みがひどくリハビリに通いながらなんとか頑張っています。
お話をうかがって思ったのですが、こういうことは、私たちや支援してくださる方々が声を出す前に、日本の政府が動いてくださればと思います。
今回は特に、中井大臣があらゆる情報を集めるとおっしゃっています。これまでは、これはどうかというのは除けていたようですが、今後はどんな情報でもまず収集して精査して、少しでも本当の情報が出てくるようにしたいというお考えのようです。従って、中井大臣にはモンゴルとの接触をよくしていただきたい。
また中山さんが親しい大使の方もおられますので、これは党を超えた問題ですから、人命救助で考えていただきたいとお願いしたいと思いました。
「制裁一点張りではなかなか解決しないですよ」という考え方の人も確かにいますし、「対話をしなければ何も進まない」という考え方の人もいます。私たちは、北朝鮮の大変さというものを長い間関わって見てきました。私たちは行ったことがないから分からないだけで、お帰りになった蓮池さん、地村さん、曽我さんたちも、「本当に北朝鮮が平和にならなければ本当に自由は得られないと思うほど大変な国だ」とおっしゃっています。これだけ長くかかってもどうにもならないほど外交は難しいということを思い知らされていますので、モンゴルのような北朝鮮と交流がある国がはっきりと言い出していただくとともに、政府が一丸となって動いていただきたいと思っています。
これは日本人全体の問題だということを絶対に忘れないでほしいと思いますし、特に国会で1週間に1回か2回は討論していただいているところをテレビではっきりと映し出していただかないと、「どうなっているんですか。何もないんですか」と聞かれます。そういうものを見ていなければ分からないのです。また宜しくお願いいたします。

本間 勝
妹の田口八重子は6月29日、つい2、3日前ですが、北朝鮮に拉致されてもう32年という年月が経ちました。お手元に、兄の飯塚繁雄が書いた文章があると思います。八重子に対する家族の思いは全く同じです。家族の生の声として、読上げますので、聞いてください。

◆八重子さん拉致から32年

「人権とは何でしょうか」
北朝鮮による拉致被害者家族連絡会
代表 飯塚繁雄

私達はこの「人権」という言葉の意味と認識について、はっきりした定義が持てない状況下におかれています。
私などの素人の考えでは、ごく平凡な家庭にあって「安全な環境に暮らせる権利」と理解をしています。
多くの国民はこのことをあまり意識せず生活を営んでいると思います。その権利は当たり前でごく自然な形で浸透しているからでしょう。
今やこの人権が取り沙汰されているのは、国の内外ともあらゆる事件、犯罪がはびこり、自らの安全を自らが守るしかない状況下になっているかもしれません。
しかしこれは実際には難しいことでしょう。
人権が強制的に侵される場合は、やはり国として、そうならない対策を強力に打ち出し、またそうなった場合は現状回復を早期にはかるべきです。
ここで難しい問題は、国家犯罪による人権の剥奪です。解決には国と国の交渉、闘いになるからです。
まさに北朝鮮による日本人拉致が最たるものです。この北朝鮮による拉致は、全く罪もない一般の人々を強引に誘拐してしまうという、まさに人権蹂躙そのものです。
この拉致問題は30数年前から実存し、すでに数百人の被害者がいるといわれています。
私たちその被害者家族は1997年3月25日に愛しい家族の奪還のため被害者家族連絡会を立ち上げ、救出活動を始めました。
活動を始めてすでに13年余になってしまいました。
この間に5人の被害者が帰ってこられましたが、残る被害者の帰国が全く果たせず、今に至りました。
どうしてこんなに長い間かかっても解決出来ないのでしょうか?日本国家として自国の国民の危機に、取り返す意欲とその対応がなかったからでしょう。
ここで北朝鮮による拉致の実態と、これまでの被害者救出の活動の経過について述べておきます。
それぞれの拉致被害者家族の状況は様々ですが、私の妹「田口八重子」は1978年6月に、1歳と2歳の幼子を残し、東京の池袋から北朝鮮の工作員にだまされ連れ出され、そのまま拉致されてしまったのです。
当時妹は22歳で二人の子を育てるために、一生懸命頑張っていたのです。
罪もない母子家庭を無残にも引き裂いてしまったのです。
妹は当時22歳、今では54歳になっているはずです。人生の一番大切な期間を北朝鮮に略奪され、過酷な生活を強いられています。
そして残された二人の子供たちは、実の母親の愛情に触れられず、私たち兄姉の養子として育てられることになってしまったのです。
幸いにもその子らは養子であること、母親が北朝鮮に拉致されていることも知らず、立派な成人に育ちました。
長男の耕一郎には成人してから、これらの事をすべて打ち明けました。その二つもの大きな事実を知らされ、大変なショックと、どうしょうもない苦悩がのしかかりました。
彼はもう33歳にもなり分別がつけられる歳になっておりますが、それでも未だに母親の実感がつかめず、心からお母さんと呼べない心境です。
妹が拉致されてからもう32年、この間帰国を待ちわびていた八重子の母親、そして八重子の長女を育てた義父、さらにいつも気遣っていた私の義母も、八重子に会えることもなくこの世を去りました。
おそらく他の被害者家族も、いろいろな悲劇がこの長い間に現実として起こっていると思います。
北朝鮮はこういった非人間的な犯罪行為を何の罪悪感もなく、当たり前のように行っています。
私たちはこの人権を無視し冷酷な犯罪行為に対し、強い憤りを表しています。
これら日本人拉致の実態は、相当前から日本政府、警察も認識していたはずです。その当時の状況から被害者を無視した表向きの外交が重視され、まさに国民の暮らしと安全を守る、基本的な取り組みが軽視されていたと思われます。
私達はいままで7人の歴代総理にお願いしてきましたがどなたもこの問題を解決できず、多くの被害者とその家族にとって、ほんとうに残念極まりないことです。
この拉致問題は私達被害者家族と、これをサポートする団体の救出活動により6~7年前からようやく国民の理解と支援も高まり、国の最重要課題と位置付けられるようになってきました。
しかしながら今日現在具体的な進展が見られず、先が不透明な状況が続いております。
この問題をとりまく状況はめまぐるしく変化をしており、あらゆる情報から一喜一憂する場面もありますが、不利な状況が目立ちます。
それは北朝鮮にとって有利な環境下になりうる状況です。アメリカが北朝鮮のテロ支援国家指定を解除する、そしてブッシュ政権が終わりオバマ政権になり、対北朝鮮融和政権になる。
日本でも総理大臣がちょくちょく変わる。すでに8人の総理大臣に救出を訴えてきました。今現在は民主党政権となって「やらんかな」の意気込みはあるものの、具体的な動きが見えません。
その間拉致問題が隅に追いやられることが懸念されます。救いは安倍元総理が打ち出した対北朝鮮政策が今も踏襲され、菅総理も一応それに則った政策を出しています。不誠実な北朝鮮の対応に対し追加制裁の動きも出ています。
私はこの問題の解決は日本政府がしっかりしたイニシアチブを取り、超党派で北朝鮮に当たることが必須手段と考えます。他国の支援はあれば少しは有利でしょうが、主力は日本政府です。
その日本政府がまた腰砕けにならないよう、私たちは各種対応については一体的に協力していくとともに、あるときには強力に要請をお願いしていきます。
私たち拉致被害者家族はもとより、全国の国民のみなさま、救う会と他のボランティア団体、そして中央・地方の拉致議連の先生方、さらには各自治体のみなさまとともに早期解決に向けさらなる活動を展開していきたいと思います。
あまりにも永い間、人権を略奪されている多くの被害者が人権回復を待ち望んでいます。
そして、それを待っている私たち家族には、(かつての)日の丸機のタラップの下で愛しい家族が抱き合う姿が脳裏に焼き付いています。

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【みんな生きている】国連安保理声明案編

2010-07-09 19:09:10 | 日記
3月に起きた韓国の哨戒艦・天安沈没事件を巡り国連安全保障理事会は7月8日、緊急会合を開いき「攻撃を非難する」としながらも「北朝鮮の関与」を明記しない議長声明案が各国に配布されました。日本時間の7月9日夜にも採択されることになります。
国連では8日、今年3月に韓国の哨戒艦・天安が沈没した事件について安保理の緊急会合が開かれました。この日、各国に配布された議長声明案は日・米・韓等が当初求めていた北朝鮮への直接の非難を避け、哨戒艦を沈没させた「攻撃」を非難するとの表現となりました。
間接的に北朝鮮を非難したとも言えますが、その「攻撃」が北朝鮮によるものかどうかは安保理として断定しない玉虫色の非難声明案となりました。

「提示された議長声明案は非常に明確で、適切な対応です」
(アメリカ・ライス国連大使)
「それぞれ(これは)交渉ですから、『全員が譲歩する、譲歩し合う』ということでしかまとまらない」
(高須幸雄国連大使)

国連外交筋によりますと
「日・米・韓等が北朝鮮の直接非難を諦める一方で、中国も『攻撃』という言葉を盛り込むことで妥協した」
ということです。
北朝鮮への直接の非難が出来なかった背景には現在の朝鮮半島の緊張が相当高まっているとの認識が各国にあるためで、日・米・韓等にとっては苦渋の選択だったと言えます。



※天安沈没事件については
【みんな生きている】
天安沈没事故編
(5月6日掲載)
も合わせてご覧下さい。

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【みんな生きている】欧州議会編

2010-07-09 18:44:58 | 日記
《欧州議会、対北朝鮮人権決議案を採択》

欧州議会は現地時間の7月8日、北朝鮮の政権に対して人権状況の改善を要求する内容の対北朝鮮人権決議案を採択した。
欧州議会は決議案の中で「特に中国政府が北朝鮮住民の社会的権利向上のため、北朝鮮に影響力を行使すること」を求めた。
欧州議会は6月に「韓国哨戒艦・天安沈没事件は朝鮮半島の平和を害する行為である」として、北朝鮮を糾弾する内容の対北朝鮮決議案を採択している。
欧州議会が北朝鮮の人権問題を指摘する別個の決議案を採択したのは2006年6月以来となる。
欧州議会は対北朝鮮決議案の中で「北朝鮮当局が公開処刑・拷問・外国人拉致・政治犯強制収容所の運営等反人権行為を続けているうえ、国連の現地調査の要求を拒否している」と非難している。



※欧州議会の決議案はまともな決議案だ。

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