【みんな生きている】ヒラリー・クリントン編

《わからず屋には「無視と圧力」。クリントン国務長官、圧力強化を表明》

アメリカのヒラリー・クリントン国務長官は７月２３日、「北朝鮮が国際社会の義務を履行するよう、圧力を加えなければならない」と発言した。
クリントン国務長官はこの日、ベトナムのハノイで行われた東南アジア諸国連合（ＡＳＥＡＮ）地域フォーラム（ＡＲＦ）閣僚会議直後に開かれた記者会見で

「会議で参加国の代表たちに対し（北朝鮮の核実験に対する）、国連安全保障理事会決議第１８７４号の完全かつ明確な履行を求めた」

と述べた。
ＡＲＦ会議には韓国と北朝鮮はもちろん、アメリカ・中国・日本・ロシア・欧州連合（ＥＵ）・ＡＳＥＡＮ１０ヶ国等、アフリカを除く２７ヶ国が参加していた。
クリントン国務長官は７月２１日、ソウルでアメリカが追加の対北朝鮮金融制裁を行う方針を明らかにした際

「この他にも安保理決議第１７１８・１８７４号を強化する措置を取る」

と表明していた。
クリントン国務長官はこの日、国際社会に向けて国連決議の「完全かつ明確な」履行を求めることで北朝鮮に再度圧力を加えたものと見られる。
北朝鮮もこの日、韓・米合同海上演習に物理的に対応する方針を明らかにした。ＡＲＦに参加した北朝鮮のリ・ドンイル外務省軍縮課長は「アメリカの軍事的措置に物理的に対応する」と発言した。
リ課長はまた、「合同演習は我々に対する敵対行為であり、アジア地域の安定に対する重大な脅威だ。我々に（天安沈没事件の）責任を負わせるのは絶対に容認出来ない」と語った。
北朝鮮の朴宜春（パク・ウィチュン）外相も「２０１２年の強盛大国入りを目標に経済発展を達成している時期に、全てを破壊する情勢が到来した」と述べた。
これに先立ちアメリカ国務省は、北朝鮮が挑発的な行為に及ぶ可能性があると懸念した。
フィリップ・クローリー国務次官補（広報担当）は北朝鮮がアメリカの措置を挑発と見なして挑発行為に及ぶ可能性について

「悲劇的だが、答えは可能性があるというものだ」

と語った。



※リ・ドンイル軍縮課長は金賢姫（キム・ヒョンヒ）元死刑囚について、「祖国を裏切った女」とうっかり口を滑らせた「マヌケ課長」だ。

【みんな生きている】特定失踪者編

《金元死刑囚来日の「功と罪」。無視された特定失踪者問題》

大韓航空機（ＫＡＬ機）爆破事件の実行犯で元北朝鮮工作員の金賢姫（キム・ヒョンヒ）元死刑囚による３泊４日の来日は拉致事件の世論喚起に成功した一方で、後味の悪い結果も残した。
特定失踪者問題調査会（調査会）の荒木和博代表は７月２２日、金元死刑囚が滞在していたホテルを訪ねて金元死刑囚に行方不明者の写真を確認してもらおうとしたが、政府関係者に拒否された。
荒木代表は

「政府が（金元死刑囚に）失踪者の写真も見せずに一緒にのんびり食事をしていることが本当に許されるのか。憤りを感じる。ヘリコプターでの遊覧飛行は話にならない」

と批判した。
特定失踪者とは、日本政府が北朝鮮に拉致されたと公式に認定した人以外で拉致の可能性がある人たちを指す。



※特定失踪者問題については
【みんな生きている】
熊倉清一さん
（ａｕ版・２００９年３月２２日掲載）
【みんな生きている】
中村三奈子さん
（ａｕ版、ライブドア版・２００９年９月２０日掲載）
【みんな生きている】
大沢孝司さん
（２月２２日掲載）
【みんな生きている】
荒木和博編
（４月２５日掲載）
も合わせてご覧下さい。
また、特定失踪者問題調査会ホームページも合わせてご覧下さい。