博多住吉通信(旧六本松通信)

 ブログ主が2022年12月から居住を始めた福岡市博多区住吉の生活や都市環境をお伝えします。

所有とは、財産とは

2023年01月15日 | 身の回り
 引っ越しに伴う物品の整理で、つくづく自分たちの62年間の人生(私と家内は同年同月生まれです)で、手元に収集した所有物とは、あるいは財産とは何だったのかということを溜息をつきながら考えました。
 19世紀フランスの社会主義思想家プルードン(Proudhon, Pierre Joseph 1808年~1865年)が、著書『所有とは何か』(1840年)の中で「所有とは盗みである」と喝破したことを思い出しました。これはブルジョア階級が労働者階級から搾取して自己の資産を形成するという意味です。私たちの場合は、多すぎる所有物が持ち主を苦しめるという、青年時代のカール・マルクスが指摘した疎外状況を生み出したと考えた方があたっているかもしれません。
 引っ越しの合間に、こんなことを考えていたのですが、プルードンという思想家は21世紀の現在から見ても興味を惹かれる人物だなと改めて思いました。例えばマルクスはプルードンの考え方を批判していく中で自分の思想を形成しています。マルクスの『哲学の貧困』(岩波文庫  山村 喬訳)などはそうですね。またプルードンは今日のマイクロ金融や地域通貨の先駆けのような「人民銀行」の運営などの社会実践も行っています。これらのことについては、また別稿にしたいと思います。上の写真は、今回リサイクル業者の方が唯一有価物として引き取ってくださった電動ミシンです。

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