福岡市営地下鉄七隈線六本松駅前には、2009年に郊外に移転した九州大学教養課程キャンパスの跡地に、2016年から2018年にかけて、福岡地方裁判所(とその関連施設)が設置され、それと並行して福岡市科学館、九州大学法科大学院、スーパー、蔦屋書店などが入る複合商業施設「六本松421」が建設されました。その再開発が進んだ六本松駅前から少し離れた路地の入口に昨年の5月に設置された木造2階建ての小さな商業施設「裏・六本松プロジェクト」(上の写真です)があります。地元に住む人たちが集まるコインランドリーを中心に、飲食店、カフェ+書店、靴磨き屋などの店舗が入居しています。
最近はカフェを併設したウェイティングスペースを持つ、おしゃれで清潔なコインランドリーが増えてきたそうで、同施設オーナーの意図では江戸時代から長屋の共同井戸に洗濯をするために集まってきた主婦たちのコミュニティ「井戸端会議」の場を、現在に再現し新しいコミュニティの拠点としたいということです(注)。同施設のコーディネートを手掛けた専門家は「むしろ、こういった住以外でお互いが共感できる場があって、そこからつながっていく方が日本人のコミュニティとしてはちょうどいいかもしれません。木造2階建てというパッケージは、他のまちでも新たなコミュニティの立ち上げの場として、トライしやすいのではないでしょうか」と語っているそうです(注)。
こういう興味深い施設が地元にあることを最近始めて知りました。
(注)元田 光一 民間の公民館をめざした木造の商業施設「裏.六本松プロジェクト」2020年11月 https://project.nikkeibp.co.jp/hitomachi/atcl/study/00048/?P=1