博多住吉通信(旧六本松通信)

 ブログ主が2022年12月から居住を始めた福岡市博多区住吉の生活や都市環境をお伝えします。

戦場まんがシリーズの思い出 2

2023年02月24日 | 思い出
(昨日の続きです)
もう一つ思い出に残っている松本零士氏の戦場漫画シリーズの作品は「衝撃降下90度」です。こちらは青年誌『ビッグコミックオリジナル』(小学館)にて1975年11月20日号に掲載されたものが初出だそうです。私は、かなり後に単行本で読みました(上の写真です)。日本の敗色が濃い昭和20年の夏に、日本本土に空襲を行うB-29戦略爆撃機と護衛戦闘機P-51ムスタングに対抗する高速迎撃戦闘機の開発に挑むパイロットとエンジニアの物語です。高速で高性能なP-51に守られたB-29 の跳梁を阻止できる戦闘機は日本にはもはや存在しなかったのでした。主人公たちは試作機「キ-99」で音速を突破することに挑戦します。キ- 99は実際には試作に至らなかった架空の機体で、なんとレシプロエンジンのプロペラ機なのです。当時、ドイツの技術支援を受けてジェット機「橘花」やロケット機「秋水」の開発を進められてはいましたが、もはや量産も運用習熟も不可能ということは誰の眼にも見えていました。可能な選択肢は使い慣れたプロペラ機の改良で高速化を達成することでした。もちろんプロペラ機で音速に迫る高速を出すことは物理的に不可能です。しかし地球重力のアシストを受けた垂直急降下であれば可能かもしれないのだそうです。しかしこの飛行は急降下の際に機体にかかる強大なGのために空中分解する危険があり、実際に主人公は空中分解で四散した機体の破片の直撃を受けて片足を失います。未読の方のために結末は伏せさせていただきますが、非常に興味を感じたのは主人公の敵役のP-51 戦闘機は垂直急降下で超音速を達成したという非公式の記録があるということを後に知ったことでした。

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