羽花山人日記

徒然なるままに

黒坂黒太郎50周年記念コンサート

2024-06-30 20:11:21 | 日記

黒坂黒太郎50周年記念コンサート

東京のティアラこうとう大ホールで行われた「黒坂黒太郎(正文)50周年記念 歌とコカリナコンサート」に行ってきた。

黒坂黒太郎さんは前にも紹介したことがあるが、日本コカリナ協会の総帥で、コカリナ演奏の第一人者である。

1949年生まれ。長野県上田市の出身で、早稲田大学在学中にシンガーソングライターとしてアーティストの活動を始めた。

ハンガリー旅行中に夜店で木の笛に会い、その音色に魅せられて日本に持ち帰り、工夫に工夫を重ねて改良し、1995年にコカリナと名付けて発表した。広島の原爆被爆樹から作ったコカリナの演奏で、一躍その名を広めた。

黒坂さんはコカリナ演奏第一人者であると同時に、優れたオルガナイザーとして活躍している。日本コカリナ協会を創設し、指導者を養成し、コカリナ愛好家を組織して日本はもとより、中国、オーストリア、アメリカ、スペインなど世界各地で演奏会を開いている。

機を見るに敏で、長野オリンピックでは小学生のコカリナ隊を開会式に登場させ、国立競技場の改修で伐られた木をもらい受けてコカリナを作り、かつての神宮競技場から戦地に送り出された学徒を偲んだ。東日本大震災など、国内外の災害にはチャリティーコンサートを開いている。信念・実行の人である。

会場に着いてみると入り口は長蛇の列、1200余の客席はほぼ埋まっていた。

第一部は黒坂さんの弾き語りで始まり、50年間の思い出とともに、それぞれの歌に込める思いを語った。そして、パートナーでボーカリストの矢口周美さんがこれに和した。彼女が歌う“You raise me up”はいつ聴いても素晴らしい。

第二部は、160名からならコカリナ大オーケストラによる交響詩『故郷』で始まった。

この交響詩は、岡野貞一作曲の唱歌『故郷』を基底とする三部作で、のどかな村が戦争に脅かされつつ、平和を取り戻すという物語を紡いでいる。

圧倒的なコカリナの響にピアノとパーカッションが効果を副え、なかなかの演奏だった。

例によって黒坂さんのコカリナ超絶技巧の披露があり、最後は「なぜ私が」というモノローグ風の歌曲で締めくくられた。

しみじみとしたいいコンサートだった。

新しく楽器を開発し、それを普及させるという例はあまりないのではないだろうか。黒坂さんの足跡に敬意を表する。まだ75歳。わたしから見れば前途遼遠である。築き上げた黒坂キングダムをさらに強固にし、外に向けてコカリナを広め、日本、そして世界の大衆に定着させることを期待する。

 

STOP WAR!

 

コメント (4)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする