羽花山人日記

徒然なるままに

死期

2021-08-17 16:13:07 | 日記

死    期

8回にわたってNHKBSプレミアム放映された,『ライオンのおやつ』が8月15日に終了した。小川糸さんの同名小説を原作とするこの連続ドラマは,架空の離島にあるホスピス「ライオンの家」を舞台として,死を目前とする人々の生活や考え方を描いた,心温まる作品だった。

わたしは毎回見ていたが,このホスピスで過ごす人々の死に対する考え方を,自分のそれと対比していた。

入居者は,自分に科せられた不運を呪い,絶望しながら,それを乗り越えて死を受け入れ,残された時間をゆったりと充実させて過ごそうとする。ホスピスの経営者や従業員もそれを理解し,入居者に寄り添う。そこでは,死は立派に生きた後の旅立ちである。

ひるがえって,自分は自身の死をどう考えているだろう。平均寿命を越えて85歳まで生きたのだから,いつ死んでもいいと口では言い,そう考えようとしているが,それは理屈として言っているので,実感ではない。平均余命が6年以上あるのを見て,なんとなくホッとし,1年先,時には2年先の予定を考えたりする。ホスピスの入居者とちがって,生きることに期限が設けられていない。

だが,死は万人に訪れる。死期というのは,死に遭遇した結果であって,あらかじめ定められたものではない。ホスピスの入居者とわたしの違いは,遭遇の時期の範囲がある程度分かっているかいないかの点だけである。

自ら死に遭遇する時期を早めるのは愚かなことである。与えられた生を楽しみ,充実させて過ごし,その時を自然に迎える。平凡だが,それがわたしの結論である。

 

マリ-ゴールド

夏の花である。土壌線虫の生息密度を小さくする働きがあるので,防除作物として畑に植えられる。白花のマリーゴールドは,青花のバラと並んで,実現不能なものと考えられていた。青いバラは遺伝子組み換えで実現した。白のマリーゴールドは,限りなく白い品種は出来ているが,純白のものはいまだに存在しないようだ。

コメント (3)
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