スプラウト 会計のはなし、日々のはなし

名古屋市千種区の税理士法人スプラウトの税理士/社労士/CFP®が綴る日々の様々なこと。

マネーボール

2012-07-16 17:55:37 | Weblog
この間TSUTAYAで

ブラッドピット主演の
マネーボール」のDVDを
借りました。


これは2000年代初めに

年俸総額が金持ち球団ヤンキースの3分の1しかない
貧乏球団アスレチックスが

お金がない中
4年連続地区優勝を果たしたという
実話に基づいたストーリーです。


打者の場合、打率や打点、本塁打、盗塁数

投手の場合、防御率や勝利数、セーブ数

などが選手としての評価の対象となり
これらの数字が優れた選手は
どの球団も欲しがるため
どんどん年俸が高くなっていきます。

アスレチックスのような
お金のない球団は
自分のチームでいい選手を育てても
他のお金があるチームに引き抜かれ

他のチームから補強しようと思っても
いい選手はなかなか獲得できません。

通常はここで
「お金がないから仕方がない」
とあきらめてしまいそうですが

アスレチックスの
ビリービーンというGMは
ちょっと違いました。


彼は
セイバー・メトリクスという
統計学的な分析手法を使って

チームへの貢献度があるのに
年俸的には割安な選手を集めます。

このセイバー・メトリクスでは
チームのシーズンにおける予想得点数を次のような公式で考えます。
「予想得点数=(安打数+四球数)×塁打数÷(打数+四球数)」

上記の公式を基本として
得点数ができるだけ多くなるように考えた結果

ビリービーンGMは選手の
「出塁率」と「長打率」を重視しました。


「打率」は高いに越したことはないですが
「打率」が高い選手は通常高年俸なので
それよりも「出塁率」が高い選手を獲得します。

ポイントは「四球」

つまり選球眼のよさです。

チームの方針として
あまり早いカウントから打っていくのではなく
確実にヒットにできるボールがくるまでは
待つという慎重性も求めました。


そして得点するためには
塁に出たランナーを
ホームまで返さなければなりません。

ランナーを効率よくホームに返すために
必要なのが「長打」です。

「出塁率」と「長打率」の高い選手で
チーム構成することで
得点を取りやすくしようと考えたわけです。

ちなみに「長打率」というのは
「塁打数÷打数」で計算します。

アメリカでは現在
「出塁率」と「長打率」を
合わせたものを
「OPS(On-base plus slugging)」
という打者評価の公式指標としているようですね。


当時のアスレチックスは
・盗塁や犠牲バントはほとんどしない。
・守備は重視しない
という極端な手法をとっていたらしく

保守的な野球ファンからは
かなり批判されたようです。

ただ1勝をあげるための
投資効率で考えると
アスレチックスは大変優れていました。


「もしドラ」という
ドラッカーの経営学の考え方を
野球に当てはめて甲子園に行く、という本が
去年くらいにヒットしましたが

野球も会社経営も
限られた資源をいかに配分して
できるだけ多くの成果につなげられるか
という部分では共通するものがあります。

「マネーボール」は
お金がなくても
頭を使えば
成果をあげることができるという
よい事例ですね。



税理士 名古屋/名古屋の税理士法人スプラウト