『必ずクラスがまとまる教師の成功術!』(野中信行・横藤雅人 学陽書房)
野中、横藤両先生の強力タッグによるこの本は、小学校における学級経営の一つのバイブルと呼んでもいいほど、よくまとめられている。
「織物モデル」という提唱は、まさに今多くの学校で抱えている問題にフィットすると思う。多くの新任教員が入る都市部の学校だけでなく、本県のような過疎で小規模校が大半というところでも、その精神と具体的な方法は本当に学ぶべき箇所が多い。
第一章は、野中先生の「3・7・30の法則」が、コンパクトな形でしかも要点を外さず位置づけられているし、横藤先生が書かれた項目もピリリとポイントを押さえている。
私には第二章が読み応えがあった。
「子どもを惹きつける話」「フラットな言葉かけ」といったあたりに、両先生が積み重ねられてきた実践の経験値の高さを感じるのは私だけではないだろう。
さらに感じ入ったのは、終章にある「『荒れた学級』を立て直す!」である。
ここには、教師の「指導性」とは何か、ということを考えさせられフレーズがいくつもある。
荒れた学級には、派手な環境は合わない。
小さな戦いに、素早く、静かに勝つことだ。
負荷の大きな授業はしない方がいい。
自分が立て直しを要するような学級を持ったのはごくわずかではあるが、そうしたときに、このような書があり、このようなことを目にしていたら、もっとマシな展開ができただろう、と遠い過去のことを思い出している。
今、子どもを取り巻く環境、学校や教師に対する周囲の意識等、それらが大きく変化するなかで、「『教育』の関係を結ぶ」ことの困難さは増大している。
この書は、教室の具体的な事実から導き出された処方箋である。
野中、横藤両先生の強力タッグによるこの本は、小学校における学級経営の一つのバイブルと呼んでもいいほど、よくまとめられている。
「織物モデル」という提唱は、まさに今多くの学校で抱えている問題にフィットすると思う。多くの新任教員が入る都市部の学校だけでなく、本県のような過疎で小規模校が大半というところでも、その精神と具体的な方法は本当に学ぶべき箇所が多い。
第一章は、野中先生の「3・7・30の法則」が、コンパクトな形でしかも要点を外さず位置づけられているし、横藤先生が書かれた項目もピリリとポイントを押さえている。
私には第二章が読み応えがあった。
「子どもを惹きつける話」「フラットな言葉かけ」といったあたりに、両先生が積み重ねられてきた実践の経験値の高さを感じるのは私だけではないだろう。
さらに感じ入ったのは、終章にある「『荒れた学級』を立て直す!」である。
ここには、教師の「指導性」とは何か、ということを考えさせられフレーズがいくつもある。
荒れた学級には、派手な環境は合わない。
小さな戦いに、素早く、静かに勝つことだ。
負荷の大きな授業はしない方がいい。
自分が立て直しを要するような学級を持ったのはごくわずかではあるが、そうしたときに、このような書があり、このようなことを目にしていたら、もっとマシな展開ができただろう、と遠い過去のことを思い出している。
今、子どもを取り巻く環境、学校や教師に対する周囲の意識等、それらが大きく変化するなかで、「『教育』の関係を結ぶ」ことの困難さは増大している。
この書は、教室の具体的な事実から導き出された処方箋である。
沼澤先生、このたびはうれしい書評を戴き、ありがとうございました。とても励みになります。
私も手探りで迷いながら見つけてきたことを、この本には書いてみました。ただ、どうしても総花的な感じが拭えないなあとも思います。
と言いますのは、読んだ若手と話していると、もっと細部の具体的なところまでをエピソードとして伝えることが必要なのかもしれないという気がしてきているからです。(エピソードを語ると、「なるほど、そういうふうにするんですか!」と。)
それほど、若手は人間関係の作り方を知らない中で育ってきたため、ここにきて困っているということです。
恐縮しております。
この著書はいい意味で総花的にならざるを得ないのではないでしょうか。それは「織物モデル」という提唱に関わってくることだと思います。
エピソードはまたエピソードで…楽しみが増えました。
若手と本をめぐって話せる関係は素晴らしいと思います。