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夏の聞き耳メモ…8

2008年08月21日 | 雑記帳
 『近代日本の文化と秋田県人の気概』と題した講演を聴いた。
 講師は高橋秀晴氏(秋田県立大学教授)である。
 近代文学には正直あまり興味がないのだが、話の中心となった内容については心惹かれた。
 
 佐藤義亮

 その名や存在については、全く知らなかった。
 文庫や新書でずいぶんとお世話になっている?新潮社の創立者が本県出身とは少し驚きだった。

 高橋氏の語る数々のエピソードは、まさに「気概」に満ちた人生だった。
 戦時中でも文学の出版にこだわり続けたその強い意志と発想。独占契約をした有島武郎に対して、自社の利益など省みず「友情を大切に」と契約解除をすんなりと受け入れる度量の広さ…

 その佐藤義亮の気概は、次の言葉によく表れていると思う。
 それは「新潮社の社則三か条」の冒頭にある。

 一、良心に背く出版は、殺されてもせぬ事

 新潮社を巡るトラブルもかつてあったが(今もあるのだろうが)、社員は皆この社則を肝に銘じています、よね。 

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