すぷりんぐぶろぐ

桜と絵本と豆乳と

暑くとも、今すぐ小さく笑え

2018年07月26日 | 読書
 自分が置かれた環境を、そのまま受け入れたり、働きかけて変えたりしながら、我々は生きている。当然自然環境も当てはまることだ。とすれば、災害やこの酷暑なども含め、受け止め方について少し考えを巡らしておくことは無駄にはならないはず。修養としてこんな本を手にとって読んでみることも、たまにはいい。


2018読了69
 『限りなく少なく』豊かに生きる』(ドミニック・ローホー  講談社)

 
 「豊かに生きる」ための手段、方法として「限りなく少なく」をモットーにする生き方を説く。物質面は当然であるが、精神面も強調されている。ただ、単なる精神論ではなく、具体的な提案の形で多く示されているので参考になる。例えば「大変な仕事は小分けにして取り組む」。小事を完結させて、結果を目指す。


 「言葉」「人間関係」という大ジャンルから「感情の浮き沈み」「固定観念」「思い煩い」といった精神衛生に関わる点まで範囲は広い。それらを総括しているような印象的な一節が、ベルギーのある枢機卿の言葉だ。「なすこととなせるがままにすること、また努力することと気楽にすることの正しい配分法を見つける



2018読了70
 『怒らないこと』(アルボムッレ・スマナサーラ  サンガ新書)


 世の中に対してもっと怒りの声を上げて!といった言い方がある。そうした政治経済的な見方とは異なるが、個人レベルの「怒り」の感情が、自分や周囲に大きな影響を与えることは否定できないだろう。この「初期仏教法話」の結論はこうだ。「殺されそうになっても、私は殺す側に対して怒りを持たない」である。


 とても凡人の境地と思えないが、だからと言って怒りを思うまま発することはプラスとならない。怒りが、喜びや愛を損なう感情だと誰しも知っているから。そうならないために「怒りを治めるための智慧」として「笑い」が推奨される。「笑って幸福になる」こそ「正しい笑い」。笑いを目的とせず、いますぐ笑うことだ。

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