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桜と絵本と豆乳と

定年後を点検してみる

2020年03月19日 | 読書
 学校を退職する前は、ごく普通に興味があっていろいろと読んだのだが…いつの間にか目に留まらなくなり、4年も過ぎようとしている。以前の「学習成果」に自信があるわけではないのだが、まあ自然といえば自然か。そう思っているとき、ふと書棚に「ビンボー」というカタカナ文字を見つけ、思わず手に取った。

 【ビンボーでも楽しい定年後】(森永卓郎  中公新書ラクレ)


 非常勤ながら仕事もしているし、中身も含めて「楽しい」と言える。まあそれでOKで、何もこんな本を読む必要はないのだが、これはある意味の自己点検。著者の書く経済や暮らしの話はわかりやすく、参考にしてきたつもりなので、ここらでもう一度照らし合わせてみることも無意味ではないだろう。さて、どうか。


 第一章「老後生活の展望」が半分近い分量だ。年金や住居、相続や健康など総論的な内容だ。埼玉在住の著者と地方居住者を簡単に比較できないが、外交や財政の動き、少子高齢化に伴う国勢は共通していて、状況の悪化は避けられない。いかに自己防衛するかが強調される。自分に引き寄せて、特に留意したいのは…。


 一つは、モノ・カネの管理、記録化を早くということだ。相続や遺品などと考えることを無意識に避けているむきもあり、反省させられた。もう一つは当然だが健康管理。長期的な見通しをつくる核なのだと痛感させられる。老後状態は進行中であり、その自覚なしに安穏な将来像を描いているから、手遅れになる。


 第二章は「資産運用」、第三章は「節約」。資産運用をしない限り目減りしていく現実は理解できる。が、関心がない。その点「節約」は考えているつもりでポイント利用等も結構マメだ。しかしそうした細々も根は一つで、節税、優待、割引、小遣い稼ぎなど結局興味のもてる何かに特化し、集中することなら出来る。


 第四章は「生きがいづくり」。まさにここが「楽しい」のメインだ。コレクション、恋、旅、アート、自然…ジャンルに関わらず、著者の経験、また情報収集力が発揮されている。身近な写真分野の手がかりを得て嬉しい。結論は「とりあえず何か始める。駄目ならまた始める。失うものは何もない」。点検は有意義だ。


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